人生の目的は音楽だ!toraのブログ

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メッツマッハー指揮新日本フィルでブラームス「交響曲第1番ハ短調」を聴く~第485回定期演奏会

2011年10月23日 07時30分13秒 | 日記

23日(日).昨日,すみだトリフォニーホールで新日本フィルの第485回トリフォニーシリーズ演奏会を聴いてきました プログラムは①バッハ作曲・シェーンベルク編曲「前奏曲とフーガ変ホ長調BWV.552」,②シェーンベルク「管弦楽のための変奏曲」,③ブラームス「交響曲第1番ハ短調」の3曲です.指揮は1957年ドイツ生まれのインゴ・メッツマッハー.1981年に現代音楽専門家集団アンサンブル・モデルンに加わり,指揮者として活躍,最近では2007年秋から10年夏までベルリン・ドイツ交響楽団の音楽監督を務めました

1曲目のバッハを演奏するために演奏者が次々と舞台に登場します.これぞ”フル・オーケストラ”と呼ぶに相応しい100人規模の編成.圧倒されます 弦楽器が対向配置をとり,舞台に向かって左に第1ヴァイオリン,その後ろにコントラバス,中央にチェロ,ヴィオラ,右に第2ヴァイオリンという並びです.メッツマッハーのこだわりなのでしょう.彼は指揮棒を使わず,両手で指揮をします.

原曲は「クラヴィーア練習曲集第3部」の冒頭と終曲をなす「前奏曲」と「フーガ」で,オルガン曲BWV552としても知られています.最初の出だしから,「これがバッハか?」と思うような分厚い音が押し寄せてきます シェーンベルクの編曲あってこその迫力でしょう.原曲の出版は1739年,編曲のウェーヴェルンによる初演は1929年,190年後に衣装換えして世に現れたわけです.この初演をバッハが生きて聴いたらきっと驚いたに違いありません

2曲目のシェーンベルク「管弦楽のための変奏曲」は,メッツマッハーが得意とする分野の曲です.解説によると,オーケストラで12音技法を初めて展開したのが4管編成に各種打楽器を擁するこの「変奏曲」とのこと.どうもシェーンベルクは苦手なのですが,この曲は,今まで聴いたシェーンベルクの曲の中では比較的聴きやすい曲でした.指揮と演奏が良かったからということもあると思います

休憩後は,いよいよ待望のブラームス「交響曲第1番ハ短調」です.メッツマッハーが舞台に登場,指揮台に上がります.静寂の中,彼の右手が降ろされる瞬間,すぐ前の席の年配の女性がイキナリ隣の男性に話しかけたのです 見た感じ60歳代の息子と80歳代の母親といった組み合わせで,男性は「シーッ」と止めましたが,その前の席の人は後ろを振り返って女性を睨み付けていました.こうなるともう台無しです.せっかく最初から集中して聴こうとしていたのが,しょっぱなから出鼻をくじかれて注意力が散漫になり,演奏に集中することができません.なんとか第1楽章の途中で心の”軌道修正”を図りましたが,失った瞬間は戻ってきません

定期演奏会ですから,年齢に関係なく,最低限のマナーは心得ている人たちが集まっているはずです.ちなみに前回の定期のときも前の席の2人は同じ席に居ましたから,定期会員なのでしょう.それにもかかわらず,こうしたことが起こるのです.どんなに考えたって,会場が静かな中,指揮者がオーケストラの方を向いているときに,声を出す人がいるでしょうか とても考えられないことです.KY(空気読めない)とはこのことです.女性は演奏中も頻繁に頭,身体を左右に傾けて落ち着きがありませんでした.”泣く子と地頭には勝てない”という慣用句がありますが,”泣く子とKYには勝てない”と言うことでしょうか 次回の定期公演で同じような”事件”が起こったら,席替えをしてもらおうかと思います

さて,メッツマッハーの指揮はエネルギッシュです 身体を右に左に,そして上に下に,精力的に動かして,身体全体で指揮をします.これほど忙しい指揮者も珍しいでしょう.このタイプの指揮者は,下手をすると指揮者だけが盛り上がっていて,オーケストラが冷めている場合があるのですが,メッツマッハーの場合は,その指揮振りによるメッセージがオーケストラのメンバーにストレートに伝わっているようで,みな必死についていっている,という印象を受けました

オーボエの古部賢一,クラリネットの重松希巳江,フルートの白尾彰,ホルンの井出詩朗,ティンパニの近藤高顕あたりは安定した見事な演奏を展開していました.ところで,最後のフィナーレで金管楽器のだれかが,フライングしたような気がしますが,気のせいだったでしょうか?まあ,圧倒的な迫力ですっ飛ばしたフィナーレだったので,全体状況を見ればささいなことに過ぎません.オーケストラは見事にブラームスの世界を描いていました

 

              

 

 

 

 

 

コメント (2)
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