人生の目的は音楽だ!toraのブログ

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ブラームス「弦楽五重奏曲第2番ト長調」を聴く~新日本フィル室内楽シリーズ

2011年10月21日 06時50分24秒 | 日記

21日(金)。昨日、すみだトリフォニー(小)ホールで新日本フィル室内楽シリーズ第2回を聴いてきました。プログラムは①ジェイコブ「六重奏曲」②ブラームス「弦楽五重奏曲第2番ト長調」の2曲です

1曲目のジェイコブの「六重奏曲」は、フルート、オーボエ、ホルン,ファゴット,クラリネット,ピアノによる曲です。プログラムでは個々の演奏者が”聴きどころ”を書いているのですが,まとめると「イギリスの伝説的なホルン奏者デニス・ブレインが,1955年に父オーブリーが死去した際に,ジャイコブに,父の思い出のために曲を依頼した.出来あがったのが父の名Aubley Brainの文字から「A・B・E・B・A」の音をモチーフに作曲した「六重奏曲」だった」ということでした 

このコメントを見る前は,まさかあのデニス・ブレインと関係ある曲だとはまったく思っていなかったので”予習”のしようがなかったのですが,後で家に帰ってデニス・ブレインの12枚組CD「The Art of DENNIS BRAIN」をあらためて調べてみたら,何とジェイコブの「六重奏曲」が収録されていました こういう情報はあらかじめ教えてもらえれば”予習”ができるので,とくに有名で無い作曲家の場合,新日本フィルの関係者には善処をお願いしたいと思います

フルートの野口みおさんは赤のドレス,クラリネットの澤村康恵さんはゴールドのドレス,ピアノの織田祥代さんはグリーンのドレス,男性陣は例外なく黒のスーツで登場です

この曲は5つの楽章から成りますが,フルートの野口みおさんが「それぞれの楽章が,古典的,ジャズ風,ちょっとフランスの香り・・・・と個性に溢れており・・・・」と書いていますが,そういう曲風です.全体的にはフランス風で,ときにガーシュインの”パリのアメリカ人風”だったりします.ソリストたちは軽妙洒脱に演奏していました

2曲目のブラームス「弦楽五重奏曲第2番ト長調」は、オーストリアの保養地バート・イシュルで1890年ごろ完成した明るい曲です。作品全体にワルツの主題がちりばめられており、ロマ音楽(ジプシー音楽)が終結部で展開されています。全4楽章からなります。ヴァイオリン2,ヴィオラ2,チェロ1という編成で,チェロを真ん中にヴァイオリンとヴィオラが相対する形で,掛け合いをします

演奏者の”聴きどころ”によると「この曲は,ブラームスが57歳のときの作品で,彼はこれを以って作曲活動を終えようと思っていた(結局止めなかった)」ということですが,若さ溢れる”青春の音楽”としか聴こえません エネルギッシュで,前に進もうとする強い力を感じます.第2楽章のアダージョのヴィオラの演奏も味わいがあるのですが,スケルツォ風の第3楽章が親しみやすいメロディーでいいと思います.秋にはやっぱりブラームスが似合います

 

      

 

蛇足ですが,プログラムの「出演者のプロフィール」を見るとジェイコブはともかく,ブラームスを演奏する5人の演奏家のうち4人が桐朋学園大学卒となっています.例えば弦楽だけと限定した場合,同じ大学の出身者だけでグループを組む傾向があるのでしょうか?会社で言えば”学閥”ですが,オーケストラの場合は”楽閥”でしょうか?・・・・・・これは新日本フィル特有の傾向なのでしょうか?他のオーケストラの団員が室内楽を演奏する際には気をつけてプロフィールを見てみようと思います

 

写真左はジェイコブの「六重奏曲」を収録した「The Art  of DENNIS BRAIN」のCD.右は予習として聴いたハーゲン弦楽四重奏団によるブラームス「弦楽五重奏曲」のCD.

 

      

 

 

 

コメント
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