人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

坂本龍一「スコラ 音楽の学校」その3~Eテレ:ドビュッシー,サティ,ラヴェル

2011年10月30日 07時36分42秒 | 日記

30日(日).昨日午後11時からEテレで坂本龍一「スコラ 音楽の学校」を観ました.「ドビュッシー,サティ,ラヴェル」の第1回目で,サブ・タイトルは「厳格な音楽からの開放」とあります.浅田彰,小沼純一らのゲストを迎え,いわゆる印象派の登場によって,それまでの音楽の流れがどう変わったかを明らかにしていきます

最初に,1800年代始めに作られたベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第3番」の第1楽章冒頭部分が決然と流されます これについて坂本”教授”は「小さなピースを積み上げて堅固な建築物を構築していくような音楽だ」とベートーヴェンの音楽の本質を喝破します.次にその100年後の1900年に作られたドビュッシーの「雲」が流されます.坂本流に言えば「何かふにゃふにゃした音楽」で,「雲が様々に形を変えながら動いていくさまを音楽にしている.厳格さを離れて自由な表現になっている」と指摘します

そして,ドビュッシーの音楽はインドネシアのバリ島を中心に聴かれてきた「ガムラン音楽」の影響を受けていると述べます.「じゃあ,実際にガムラン音楽を聴いてみましょう」と言うので,”まさか!”と思いましたが,東京芸大のガムラン音楽を演奏するグループ(サークル?)が登場して演奏が始まりました 最初に中国の胡弓のような楽器がメインのメロディーを奏でると,他の太鼓や鉄琴のような様々な形をした楽器が,即興的に,流れに沿うように演奏し始めます.最初はばらばらに思えましたが,だんだんアンサンブルが整えられて,しっかりした音楽になっていきます 池に投げ入れた石によって波紋が広がっていくように,音楽の波が広がっていくのがわかります.ドビュッシーは,この手法を彼のピアノ音楽に採用したといいます

芸大の学生による演奏後,番組に参加していた音楽専攻の中高生が,ヴァイオリン,ギター,サキソフォーン,小太鼓などの楽器をもって「ガムラン音楽」に加わって,即興的に音楽を奏でました.最初は戸惑いながら遠慮がちに演奏していましたが,そのうち”波”に乗ってきたようで,見事なアンサンプルを形成していました.坂本教授らは賞賛のを送っていました.

一方,ラヴェルはスペイン音楽やジャズを取り入れて作曲したといいます.ピアノ協奏曲が流されます.第1楽章の途中,たしかにスペイン情緒溢れるメロディーと,それに続いてジャズ風のメロディーが聴こえてきます

そうそう,ガムラン音楽といえば思い出すことがあります 元の職場の上司だったSさんは,新聞関係の国際会議に頻繁に出張されていましたが,「今までどんな音楽に感動したか」という話になったとき,インドネシアで開かれた国際会議の歓迎会で演奏されたガムラン音楽が,感動的で忘れられない」とおっしゃっていました 定年後は鹿児島に移住して趣味の釣りなどを楽しんでおられましたが,残念ながら今年お亡くなりになりました.最後にガムラン音楽を聴かせてあげたかったです

さて,この番組はまだまだ続きます.学校では教えてくれない手法で”クラシック音楽”を分かりやすく教えてくれます.疲れて寝てしまったりして毎回観ているわけではないのですが,非常に面白い番組です

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