10日(火)。わが家に来てから136日目を迎え思索にふけるモコタロです
降りるべきか 留まるべきか それが問題だ
閑話休題
先日聴いた都民芸術フェスティバル参加公演、東京フィルのコンサート・プログラムの「談話室」に、音楽評論家の奥田佳道氏が「記念年あれこれ 1873年の出来事を添えて」というタイトルでエッセイを書いています それによると、2015年は音楽の都ウィーンだけを取り上げてみても次のようなお祝いの年であるそうです
ウィーン大学創立650年!(65年じゃないですよ、奥さん)
王宮のスペイン乗馬学校創立450年(ダービーは何年だ?)
ワルツ王ヨハンの弟ヨーゼフ・シュトラウスの出身校でもあるウィーン工科大学創立200年
シュトラウス三兄弟の末っ子エドゥアルト・シュトラウス生誕180年
城壁を取り壊して造られたウィーンの環状道路Ring開通150年
ひと言で歴史と伝統と言いますが、半端ないですねウィーンは
も一度、閑話休題
昨日、飯田橋のギンレイホールでフランス映画「ぼくを探しに」と「グレートデイズ!夢に挑んだ父と子」の2本立てを観ました 今日はシルヴァン・ショメ監督、2013年制作「ぼくを探しに」について書きます
幼児期に両親を失ったショックで言葉を失ったポールは、彼を世界一のピアニストにすることに夢中の伯母姉妹に育てられている ある日、同じアパートに住む謎の女性に出会う。彼女は、忘れていた記憶を思い出させる能力を持ったマダム・プルーストだった
彼女はポールに不思議なハーブティーを飲ませて、赤ん坊の頃の記憶を蘇らせる
ポールは悲しい過去を乗り越えて新しい人生を獲得していく
謎の女性マダム・プルーストという名前は「失われた時を求めて」の著者プルーストを意識して付けられてるのは間違いありません
さて、映画を観て私が興味のあるのは、使われている音楽です ポールがピアニストという設定なので、クラシック音楽を期待していたのですが、まったく出てきません
ポールが普段演奏しているのは、伯母姉妹がダンス教室を開いていることからダンスの音楽なのです
唯一、ピアノコンクールのシーンでピアノ協奏曲が演奏されますが、ラフマニノフのようで、実はそうではありません。映画の音楽担当者が作ったのでしょう
ちなみにこの時弾いていたピアノにはYAMAHAの文字が見えました。別のシーンでポールが古いタイプのピアノを弾くシーンがありますが、ピアノには「BECHSTEIN(ベヒシュタイン)」の文字が書かれていました。ドイツの老舗ピアノ・メーカーですね
ポールが弾くグランドピアノがとてつもなく大きいのに驚きます あるいは大きく見えるのか? そして、ピアノの正面には厳めしい顔をしたベートーヴェンの胸像が演奏者を睨みつけています
結局、この映画で唯一分かったクラシック音楽はヴェルディの「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」の中で歌われる『乾杯の歌』だけでした この映画の中で、「残り少ない人生、あなたはどう生きますか」と歌われるシーンがあります。どうせ死ぬなら楽しく過ごさなけりゃね、と思いました