7月1日(金)。早いもので今年も前半が終わり、今日から後半に突入です そこで、3つのテーマについて前半6か月間の目標達成状況をご報告しようと思います ちなみに以下の①②③の年間目標は合計365で1年間の日数を意味します
①クラシック・コンサート鑑賞 年間目標:180回 実績:112回 (達成率: 62%)
②映画鑑賞 年間目標:100本 実績:102本 (達成率:102%)
③読書 年間目標: 85冊 実績: 31冊 (達成率: 36%)
以上のとおり、映画鑑賞はすでに年間目標を達成しています クラシック・コンサート鑑賞はこのペースでいけば目標達成できそうです。問題は読書です 後半戦で何とか頑張って目標をクリアしたいと思います
ということで、わが家に来てから642日目を迎え、またしてもオヤツらしき物体を発見したモコタロです
いい匂いがするなぁ サントリーポテト? 酔いが回りそう
閑話休題
昨日、上野の東京藝大奏楽堂で「第7回モーニング・コンサート」を聴きました プログラムは①浦部雪「Expantraction」、②ハチャトゥリアン「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」です ②のヴァイオリン独奏は岡本誠司君、指揮は高関健です
いつもは6~7割ぐらいの客の入りなのに、この日は9割近く入っている感じです 周囲の人たちの会話を聴くと「コンクールで優勝したから、いつもよりお客が多いんじゃないの」と言っています。プログラムの演奏者プロフィールを見ると、ハチャトゥリアンの「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」を弾く岡本誠司君は2014年7月、ドイツのライプツィヒで開催された第19回J.S.バッハ国際コンクールのヴァイオリン部門の優勝者です そういえば当時、そのニュースを新聞で見た覚えがあるな、と思い出しました
藝大フィルハーモニアの楽員が配置に着きます。アレッ?と思ったのは、指揮者が高関健なのに対向配置をとっていないからです 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、その後ろにコントラバスという態勢です。藝大フィルハーモニアを振るときはこの編成をとる、かといえば、そうでもないようです あるいは演奏する曲目に応じて配置を変えているのかも知れません 今まで聴いた経験から考えると、ドイツ・オーストリー系の曲では対向配置を、そうでない曲ではヴァイオリン・セクションを左にまとめる態勢を取っているように思います
演奏に先立って、1曲目の浦部雪君(千葉県出身、1991年生まれ。藝大4年生)作曲による「Expantraction」について、本人がステージに登場し、解説します
「この曲は、expantion(伸びること)、contraction(縮むこと)、explosion(爆発すること)の3つの現象に焦点を当てて作曲したものです 美しいメロディーが続くとか、そういう音楽ではありません。起承転結のような構成がある音楽でもありません。音の景色が変わっていくところを楽しんでいただければと思います」
高関健のタクトで曲が開始されます まさに”現代音楽”ですが、比較的追いかけやすい曲想です。もっと起伏の激しい曲かと思っていましたが、それほどでもありませんでした フィナーレはあまりにもあっけなく終わり、拍子抜けしました
2曲目は岡本誠司君(1994年生まれ。藝大4年)のヴァイオリン独奏によるハチャトゥリアン「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」です
アラム・ハチャトゥリアン(1903-78年)はジョージア(グルジア)のトビリシ生まれのアルメニア人です 「剣の舞」の作曲者と言えば誰でも分かりますね 彼が本格的な音楽の勉強を始めたのは19歳の時といいますが、その時はまだ楽譜を読む能力さえなかったそうです 彼はグネーシン音楽専門学校でチェロを学び、作曲クラスに転入、その後1929年にモスクワ音楽院でニコライ・ミャコフスキーに師事しました。このヴァイオリン協奏曲は1940年に作曲されました
高関健とともに、長身の岡本誠司君が登場します この曲は超絶技巧曲のため楽譜を見ながら演奏します。高関健のタクトで第1楽章が開始されます。最初に登場するテーマは民謡『進め、進め』と踊り『コチャリ』に関係するもので、行進曲風の民族的なリズムに彩られています この楽章の聴きどころはヴァイオリン独奏によるカデンツァです。この曲のカデンツァは3種類あるそうですが、岡本君は、この曲が献呈された”オイストラフ・トリオ”の一人、ダヴィッド・オイストラフが作曲しハチャトゥリアンも気に入っていたという版を採用しました 極め付けの超絶技巧曲を岡本君は見事なテクニックで演奏します 音が非常にきれいです。プログラムの解説によると、彼の使用しているヴァイオリンはあるNPO法人から貸与されたヴァイオリンとのことです。おそらくストラディヴァリウス・クラスの名器ではないかと想像します。弱音も明確に聴き取れます
第2楽章はアンダンテ・ソステヌートですが、穏やかな音楽が流れている中、途中で急にフォルティッシモになるのでビックリします どうもこういう作り方はハチャトゥリアン独特の作曲法のようです
第3楽章はヴァイオリンの軽快な演奏に心躍ります 演奏している岡本君自身、演奏を楽しんでいるように見えます。オーケストラも乗りに乗っています
演奏終了後、ブラボーがかかりました。学生の演奏する「モーニングコンサート」でブラボーがかかる演奏は滅多にないでしょう 会場の聴衆はもちろんのこと、ステージ上のメンバーも惜しみない拍手を送っています これは久しぶりの大型新人かも知れません
「良い演奏」というのは、聴いた後、もう一度聴きくなったり、今まで以上にその曲が好きになったりするものですが、今回の岡本君の演奏はまさに「良い演奏」でした 彼の演奏をしっかり支えた高関健+藝大フィルハーモニアにも大きな拍手を送ります