24日(日).わが家に来てから665日目を迎え,昨日の夕刊で再びテロのニュースを見て驚きを隠せないモコタロです
今度はドイツだって? 日本は本当に大丈夫なのかな?
閑話休題
今年もフェスタサマーミューザの季節がやってきました.JR川崎駅すぐ前のミューザ川崎に,昨日 7月23日から8月11日まで首都圏で活躍する10のオーケストラが終結し 熱い演奏を展開します 昨日そのオープニング・コンサートが開かれました
開演に先立って,午後2時からコンサート会場前の「歓喜の広場」でオープニング・ファンファーレが,音楽監督ジョナサン・ノット指揮 東響金管アンサンブルにより高らかに奏でられました
午後3時からの公演プログラムは①ヴィラ=ロボス「ニューヨーク・スカイライン・メロディ」,②アイヴズ「ニューイングランドの3つの場所」,③ベートーヴェン「交響曲第6番”田園”」です.指揮はサマーミューザ初登場のジョナサン・ノットです
ミューザ川崎には毎年夏に来ているので,ほぼ1年ぶりです ステージを客席が囲むワインヤード方式の会場は8割方埋まっている感じでしょうか
自席は2階斜め右サイドの席ですが,セット券を買ったので これから同じ席で聴くことになります
同じワインヤード方式でも,サントリーホールは1階席の座席が多いのに対し,ミューザ川崎は極めて少なく,その代わり2階席の座席が圧倒的に多いのが対照的です
オケのメンバーが登場し配置に着きます.コンマスは水谷晃です 弦楽器の配置はヴァイオリン・セクションを左右に分ける対向配置を採りますが,おやっ?と思ったのは,一部人員配置がいつもと変わっているのです
第1ヴァイオリンではフォアシュピーラーの田尻氏が後方に移り,その代わり後方の奏者が前方に移動しています.第2ヴァイオリンは首席の清水氏が後方に移り,その代わり後方の奏者が前方に移動しています.チェロも同様です
これについては,ノット氏の考えが反映しているようです
ノットが登場,ブラジルの作曲家エイトル・ヴィラ=ロボス(1887ー1959)の「ニューヨーク・スカイライン・メロディ」の演奏に入ります この曲は最初1939年にピアノ曲として生まれ,後にオーケストラ用に編曲されました.3分ほどの短い曲なので あっという間に終わってしまいました
2曲目はアメリカの作曲家チャールズ・アイヴズ(1874-1954)による「ニューイングランドの3つの場所」です この曲はかつてイギリスから移民が大西洋を渡ってアメリカへ入植したニューイングランド地域(アメリカ合衆国の北東部)を題材として,南北戦争などにまつわる歴史的な事実や人物などを盛り込んで描いた曲です
第1曲「ボストン・コモンにおけるセント・ゴーデンズ(ショー大佐と黒人連隊)」は,南北戦争における軍人ショー大佐と黒人歩兵隊に対する賛美を描いたものです.威厳のある曲想が続きます
第2曲「コネチカット州レディング,パットナム将軍の野営地」は,アメリカ独立戦争の英雄の一人,パットナム将軍を題材とし,行進曲風の勇壮な音楽が流れます
第3曲「ストックブリッジのフーサトニック川」は,マサチューセッツ州~コネチカット州を流れるフーサトニック川にインスピレーションを得て作曲されたもので,厳かなメロディーが奏でられます
終盤で,演奏が終わったと勘違いした一部の聴衆がフライングの拍手を始めたのが残念でした 慌てなくてもいいのに
休憩後は,ベートーヴェン「交響曲第6番ヘ長調”田園”」です 弦楽器の人員配置は通常の態勢に戻ります.首席やフォアシュピーラーはコンマスの隣にスタンバイします
交響曲は4つの楽章から構成されるのが普通だったのに,この曲は5つの楽章から成り,後半の3つの楽章が続けて演奏されるなど,従来の交響曲の常識を破る作品として,第5番ハ短調”運命”と同じコンサートで初演されました 1808年,ベートーヴェン37歳の時でした
ノットが登場,第1楽章が開始されます.先の定期演奏会でノットが振った「第5番ハ短調」が過去に私の聴いた同曲の演奏で最高の名演だったので,否が応でも期待が高まります
この曲は木管楽器が耳に心地よく響く作品ですが,オーボエ首席の荒絵理子,フルートの甲藤さち,クラリネットの吉野亜希菜,ファゴットの福士マリ子の演奏は軽快で特筆に値する素晴らしい演奏でした 金管ではホルンのジョナサン・ハミルが冴えていました
第1楽章が終わったところで,2階席後方から拍手が起こりましたが,これは定期演奏会ではあり得ない現象です 「ジス・イズ・マイ・ファースト・コンサート」という方が少なからずいらっしゃったのでしょう.演奏前に,プログラムを読んで,少なくとも この曲は5つの楽章から構成されているということを学習しておいてほしいと思います.それが演奏者に対する最低限の礼儀だと思います
第2楽章でもクラリネットの吉野をはじめとする木管楽器群の活躍が目覚ましく,弦楽器も気持ちよさそうに演奏していました 第3楽章から第5楽章までの一連の演奏は,ノットのタクトによりメリハリの効いた音楽が展開し,喜びに満ちたフィナーレを迎えました
この日のコンサートは,サマーフェスタのオープニングに相応しい,明るく爽やかな演奏でした