23日(木)。わが家に来てから今日で1941日目を迎え、立憲民主党と国民民主党は21日、合流協議をいったん打ち切ることで合意した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
「決められない野党」のオウンゴールのお陰で 安倍政権が最長記録を更新する!
昨日、夕食に「豚肉と野菜のクリームシチュー」を作りました 寒い日は熱いものが食べたくなりますね
昨夕、東京芸術劇場コンサートホールで日本フィルのコンサートを聴きました プログラムは①チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35」、ムソルグスキー/ラヴェル編:組曲「展覧会の絵」です これは2020都民芸術フェスティバル参加公演、オーケストラ・シリーズ第1弾です 演奏は①のヴァイオリン独奏=周防亮介、指揮=小林研一郎です
ヴァイオリン独奏の周防亮介は1995年京都府生まれ。2016年ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクール入賞及び審査員特別賞を受賞しています
自席は2階RBA列23番、右サイドのバルコニー席です。端から2番目だったので席を押さえたら、何とどん詰まりでした またやっちまったと思いましたが、瓢箪から駒でした これについては後で書きます
オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並び。コンマスはソロ・コンマスの木野雅之です
1曲目はチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840‐1893)がラロの「スペイン交響曲」(実質的なヴァイオリン協奏曲)に刺激を受けて1878年に作曲、最初は 当時の大ヴァイオリニスト、レオポルド・アウアーに捧げるつもりでしたが、演奏不能として拒否されたことから、モスクワ音楽院教授だったアドルフ・ブロツキ―に初演を依頼しました その時の評価は散々でしたが、作品の良さを理解していたブロツキーは演奏旅行のたびに取り上げたため、世に認められるよになりました 当然、チャイコフスキーはこの曲をブロツキーに献呈しました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「カンツォネッタ:アンダンテ」、第3楽章「フィナーレ:アレグロ・ヴィヴァチッシモ」の3楽章から成ります
ロングヘアに端正な顔立ちの周防亮介がコバケンとともに登場します 知らない人が彼を見たら20代の女性だと思うでしょう
コバケンの指揮で第1楽章の序奏に入ります そして周防亮介のヴァイオリンが入ってきますが、端正にして流麗です それはこの楽章に限ったことではなく、全曲を通して感じました 第2楽章における木管と独奏ヴァイオリンとの対話は素晴らしいものがありました 第3楽章フィナーレでは、独奏ヴァイオリンとオケの丁々発止のやり取りが楽しく聴けました 周防亮介の演奏は期待以上の出来でした 満場の拍手に周防はアンコールにJ.S.バッハ「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番」から「サラバンド」を演奏、再び大きな拍手を浴びました
冒頭に、自席が「瓢箪から駒」だったと書きましたが、その理由を書きます 2階RBA列23番はステージ右サイドのコントラバスよりやや客席側の2階バルコニーという位置にありますが、ステージに極めて近いので指揮者やソリストや他の演奏者の顔の表情や細かい仕草まで見ることができ、音も身近で聴くことができるというメリットがあります その意味ではヴァイオリン協奏曲をはじめとするコンチェルトの場合はかなり良い席だと思います 逆に、反対側(ステージ左サイド)の2階RBA列23番だと、ソリストの背中を見ることになる反面、ピアノ協奏曲の場合はピアニストの指使いが見えるというメリットがあります ただ、経験上から言うと、マーラーやブルックナーを中心とするフル・オーケストラ曲は、音の全体的なバランス上、1階センター後方か2階センター前方が良いと思います
プログラム後半はムソルグスキー/ラヴェル編:組曲「展覧会の絵」です この曲はモデスト・ペトロヴィチ・ムソルグスキー(1839‐1881)が、1873年に39歳で死去した友人の画家ヴィクトル・ガルトマンの展覧会が1874年に開かれた時に観て、その時の印象をもとに同年 作曲したピアノ独奏曲です この日演奏されたのは、後にモーリス・ラヴェル(1875‐1937)が管弦楽用に編曲したものです 「プロムナード」「小人」「プロムナード」「古城」「プロムナード」「テュイルリー」「ビドロ」「プロムナード」「卵の殻をつけた雛鳥の踊り」「サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ」「リモージュの市場」「カタコンブ」「鶏の足の上に建つ小屋(バーバ・ヤーガの小屋)」「キエフの大門」から成ります
コバケンのタクトで「プロムナード」の演奏に入りますが、冒頭のオッタビアーノ・クリストーフォリのトランペットが素晴らしかった 「古城」ではサクソフォンとファゴットの演奏が素晴らしく、「テュイルリー」ではフルートとオーボエが冴えていました 次の「ビドロ」ではチューバとコントラバスが牛の群れの重い動きを表していました 「卵の殻をつけた雛鳥の踊り」ではフルート、オーボエとハープがユーモラスな雛鳥の動きを見事に描写していました
「サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ」は金持ちと貧しい男の会話を描いていますが、私には次のように聴こえます
代官:おい与作、お主のところは年貢がまだだったな
与作:お代官さま、いましばらくお待ちくだせえ
代官:何を寝言を言っておるか ミスター・ゴーン並みに収監するぞ
与作:それだけはご勘弁くだせえ おらの家には人が入れるような大きな箱はねえもんで
この曲では、オッタビアーノ・クリストーフォリのトランペットが、いかにも卑屈で貧相な男シュミュイレを見事に表していました
「鶏の足の上に建つ小屋(バーバ・ヤーガの小屋)」では、ホルンがベルアップ奏法を見せ、迫力のある音が拡散しました
「キエフの大門」はオケ総動員による渾身の演奏です この迫力は 編曲者ラヴェルの貢献度が大です
満場の拍手とブラボーに、コバケンはオケをセクションごとに立たせます そして、拍手を制して「ちょっと遅くなりましたが、新年のあいさつをさせていただきます」と挨拶したまでは良かったのですが、これで終わりという顔を見せたので、コンマスの木野氏に何やら耳打ちされ、「アンコールを演奏するのを忘れておりました」と告白(会場 爆笑)、「アンコールは静かに、マスカーニの『カヴァレリア・ルスティカーナ』の間奏曲を演奏いたします」とあいさつして演奏に入りました しみじみ良い曲の しみじみ良い演奏でした