人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

秋山和慶 ✕ 小山実稚恵 ✕ 東響でベートーヴェン「皇帝」、ドヴォルザーク「新世界より」他を聴く:東響二ューイヤーコンサート2020 ~ コンサートは何が起こるか分からない!

2020年01月06日 07時06分58秒 | 日記

6日(月)。わが家に来てから今日で1925日目を迎え、米国の複数のメディアは、アメリカ軍がイランのイスラム革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害したことについて、トランプ大統領が急に決断したもので 政権内にも驚きが広がっていると報道した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     今回のトランプの行動で弾劾の根拠が一つ増えた 放任しておくと戦争が始まる!

 

         

 

昨日、サントリーホールで東京交響楽団の「ニューイヤーコンサート2020」を聴きました これは川崎市在住のS氏から実費で譲り受けたチケットで聴いた公演です

プログラムは①ヨハン・シュトラウス2世:喜歌劇「こうもり」序曲、②ベートーヴェン「ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 ”皇帝” 」、③ドヴォルザーク「交響曲 第9番 ホ短調 作品95 ”新世界より” 」です

 

     

 

自席は2階C13列8番、2階センターブロック最後列左通路側です。S氏はどの会場でも上の階の最後列を選んでいるようです

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの東響の並び。コンマスはグレヴ・二キティンです

1曲目は J・シュトラウス2世:喜歌劇「こうもり」序曲です   このオペレッタはヨハン・シュトラウス2世(1825-1899)が1874年に作曲、同年4月5日に作曲者自身の指揮によりアン・デア・ウィーン劇場で初演されました アイゼンシュタインに馬鹿にされた”こうもり博士”ことファルケの復讐物語ですが、ウィーンでは大みそかと1月1日の夜には必ず上演されるオペレッタです 「序曲」は劇中のメロディーやワルツなどを取り入れて軽快に奏でられます 曲がクレッシェンドしていくところでは、アイゼンシュタインと妻のロザリンデらが歌いながら踊り出すシーンを思い浮かべて思わずニヤリとしてしまいました 新年の最初に聴く曲としては最適です 「冒頭の三音はシャンパンの栓がポンッ、ポンッ、ポンッと小気味よく抜ける音から創られた」ということを、奥田佳道さんのプログラム・ノートで知りました この人の解説は分かり易く、知らないことも書かれているので いつも参考になります

2曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 ”皇帝” 」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1808年から09年にかけて作曲、1811年11月28日にライプツィヒで初演されました この曲は曲想が壮大であることから”皇帝”という愛称が付けられています。演奏者に任せるカデンツァを廃止するなど古典派協奏曲の枠を超えた曲として大きく評価されています 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ・ウン・ポコ・モッソ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります

第1楽章冒頭からダイナミックな演奏が繰り広げられます 第2楽章は、同じベートーヴェンの「第九」の第3楽章を思い浮かべます とても穏やかで幸せな気持ちになります 小山さんのピアノは粒立ちが綺麗で、しかも力を失っていません 第3楽章ではピアノとオケとの丁々発止のやり取りが楽しく聴けました

曲がフィナーレに入った時、1階センターブロック右側やや後方席の男性が急に立ち上がり、ロビーの方に退席していきました 私の見間違いでなければ、あれは東京交響楽団の大野順二楽団長でした 「まだ曲が終わっていないのに失礼な人だな」と思っているうちに曲が終わり、会場は大きな拍手に包まれました が、センターブロック左サイドの前から6列目辺りの通路に人が集まっているのが見えました よく見ると、男性が床に倒れています。カーテンコールが繰り返される中、その男性の近くの席の人や会場係の女性が救助を待っている様子です    ソリストの小山さんも異変に気が付いたらしく会場を見ていましたが、拍手が続くので迷いながらもアンコールの演奏に入りました    曲はベートーヴェン「エリーゼのために」でした。アンコールの演奏中、倒れた男性は救助用の運搬具により会場外に搬出されました    私は最初「人が倒れているのだから、アンコールの演奏は止めた方が良いのではないか」と思いましたが、曲を聴いているうちに「アンコールを演奏しているからこそ聴衆は席を立たなかった。それで救出作業がスムーズにいったのではないか」と思い直しました。小山さんは聴衆の拍手に応えるためにアンコールを演奏したのだと思いますが、結果的に良かったと思います 大野楽団長が曲が終わらないうちに退席したのも、センターブロックの反対側で起こったアクシデントに気が付いて、速く対応すべきだと考えたのではないか、と思います 倒れた男性は休憩時間の間に、ホール前に駆け付けた救急車で最寄りの病院へ向けて搬送されました

コンサート会場で人が倒れたのを見たのは今回が2度目です 1回目は一昨年12月の北区「第九」公演でした。あの時はコーラスの男性が倒れて、合唱の最中に搬出したのでした 今回もベートーヴェンです ライブ・コンサート、とくにオーケストラの定期演奏会以外の公演では、何が起こるか分かりません せめて自分自身が倒れないように気をつけようと思います 倒れた男性のご無事をお祈りします

 

     

 

休憩後はドヴォルザーク「交響曲 第9番 ホ短調 作品95 ”新世界より” 」です この曲はアントニン・ドヴォルザーク(1841‐1904)が1892年から翌93年にかけて赴任先のアメリカ、ニューヨークで作曲し、1893年12月16日にニューヨークで初演されました 第1楽章「アダージョ~アレグロ・モルト」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・コン・フォーコ」の4楽章から成ります

この曲の演奏では、ティンパニが固いマレットと柔らかいマレットを使い分けて打ち込んでいましたが、メリハリがついて すごく効果的でした 第2楽章冒頭の序奏に続き、イングリッシュホルンによって演奏される有名なテーマはいつ聴いても感動します 今回の最上峰行による演奏もなかなか聴かせました また、同じ楽章のフィナーレで弦楽トップ8人で演奏されるテーマは室内楽的な親密さが感じられて、しみじみ良かったと思います 全体を通して、秋山さんの指揮はいつものようにキチっとしていて気持ちが良かったです

ニューイヤーコンサートのアンコールと言えば、ヨハン・シュトラウス1世の「ラデツキー行進曲」です 秋山氏は 時に後ろを振り返って聴衆の手拍子を求め、聴衆参加型アンコールでニューイヤーコンサートを締めくくりました

 

     

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