人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

佐藤俊介 ✕ 東京交響楽団でモーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第1番」、「交響曲第26番」他を聴く ~ ミューザ川崎「モーツアルトマチネ」 / 新日本フィル来年5月度ルビー定期 開演時間変更

2020年01月19日 07時22分25秒 | 日記

19日(日)。新日本フィルから「開演時間変更のお知らせ」という文書が届きました。内容は2020/2021シーズン定期演奏会「アフタヌーン コンサート・シリーズ」の第39回演奏会(2021年5月14日と15日:バッハ「ミサ曲ロ短調BWV.232」)の開演時間を、両日とも14時から18時へ変更するというものです 理由は「指揮者の強い希望により子ども達による合唱を起用することになった」ためと書かれています

新日本フィルはすでに2020/2021シーズン継続案内を昨年中に会員あて発送しており、1月25日までに申込書を事務局に提出するよう求めています 私はつい先日郵送したばかりです。すでに申込書を提出している人で、今回の変更により21年5月の公演を聴けなくなる人は、1月末までにチケット・ボックスに連絡すれば5月度公演を除く7回連続券を送付するとのことです

今回の措置で疑問に思うのは、なぜ会員継続案内を済ませて受付している今になって開演時間の変更を知らせてくるのか、ということです 開演時間の変更は児童合唱の追加に伴うリハーサル時間の確保が主な理由だと推測しますが、4時間もずれるのは大きな変更です こうした問題は昨年中に新シーズンの案内を送る前に解決しておくべきことです

開演時間の変更は「指揮者の強い希望による」とのことですが、このような”強い希望”が通るのは音楽監督として4シーズン目を迎える上岡敏之氏だからこそだと思います これが客員指揮者だったら、いくら”強い希望”でも通るわけがないと思います 私は長年、新聞関係団体の事務局に務めていたので、楽団事務局のご苦労が手に取るように分かります 会場のトリフォニーホールの使用時間を変更し、オーケストラはもちろんのこと、独唱者5人と合唱団に時間変更を周知したうえで、会員向けの通知を出し、5月度ルビー(アフタヌーン・シリーズ)のキャンセルにも対応しなければならない また、今回の変更措置により、郵送費等のコストが増え、ある程度の減収も覚悟しなければならないかもしれません

「少しでも公演内容を良くしたい」という上岡敏之音楽監督の気持ちはよく分かるし、聴く側としてはとても有難いことだと思います しかし、私が懸念するのは、そうした”強い希望”が、楽団の運営経費の増大につながり、それが会員券の値上がりに跳ね返ってくるのではないか、ということです くれぐれもそのようなことがないようにしていただきたいと思います

ということで、わが家に来てから今日で1937日目を迎え、ポンぺオ米国務長官とエスパー国防長官が連名で17日付の米紙に「韓国は防衛にもっと貢献できるし、そうすべきだ」と、在韓米軍駐留経費の増額を要求した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       次は日本の番だ!  シンゾーはどこまでドナルドを説得できるか 問われそ~だな

 

         

 

昨日、ミューザ川崎で「モーツアルトマチネ『モーツアルト ✕ 青年時代』」を聴きました   プログラムは①C.P.E.バッハ「シンフォニア 変ホ長調 作品 183/2、H.664」、②T.リンリ―Jr.「ヴァイオリン協奏曲ヘ長調」、③モーツアルト「交響曲第26番 変ホ長調 K.184/161a」、④同「ヴァイオリン協奏曲 第1番 変ロ長調 K.207」です 指揮とヴァイオリン=佐藤俊介、管弦楽=東京交響楽団です

佐藤俊介は東京生まれ。2010年J.S.バッハ国際コンクール第2位、2013年からアムステルダム音楽院古楽科教授、2018年6月からオランダ・バッハ協会第6代音楽監督を務めています

 

     

 

オケは20数名の小規模編成です 左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります プログラム冊子の「本日の出演者」には「水谷晃(コンサートマスター)」と表示されていましたが、何らかの理由で出演が取りやめになり、アシスタント・コンマスの田尻順が代演を務めました

1曲目はC.P.E.バッハ「シンフォニア 変ホ長調 作品183/2、H.664」です この曲はカール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(大バッハの次男:1714-1788)がハンブルクで活動していた1775~76年に作曲された4曲のシンフォニアの1曲です 第1楽章「アレグロ・ディ・モルト」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「アレグレット」の3楽章から成りますが、切れ目なく演奏されます

佐藤俊介が登場し、指揮ぶりで演奏を開始します 全体の曲想は、モーツアルトが尊敬していた「ハンブルクのバッハ」らしい溌剌としたもので、佐藤俊介は弦楽器にノンビブラートによる古楽器奏法を求め、メリハリのある演奏を展開しました 彼は楽譜を見ながら、時に後ろを振り返って指揮ぶりをし、オケから生き生きとした音楽を引き出していました

2曲目はT.リンリーJr.「ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調」です この曲はモーツアルトと同じ年にイギリスで生まれた作曲家トーマス・リンリーJr.(1756-1778)が作曲した、完全な形で残された唯一のヴァイオリン協奏曲です 第1楽章「モデラート」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ロンド」の3楽章から成ります 全体的に若さ溢れる曲想で「イギリスのモーツアルト」と呼ばれたリンリーJr.の面目躍如といった感があります 演奏では第1楽章における佐藤俊介の独奏ヴァイオリンが素晴らしかったです 作曲者リンリーJr.は残念なことにボートの事故で22歳の若さで死去したそうです 天才は若死にする

 

     

 

3曲目はモーツアルト「交響曲 第26番 変ホ長調 K.184/161a」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が17歳の時=1773年に作曲した作品ですが、原題は「シンフォニア」です この曲はモーツアルトが3回目のイタリア旅行からザルツブルクに帰国して間もなく作曲した作品です 第1楽章「モルト・プレスト」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグロ」の3楽章から成りますが、切れ目なく演奏されます

この曲でも、古楽器奏法によるメリハリの効いた演奏が展開されました 今は亡きアーノンクールだったらこういう演奏をするだろうな、と思わせるような明快で振幅の大きい演奏でした また、この曲ではホルンが2本加わりましたが、2本ともナチュラルホルンを使用して、古楽器特有のくすんだ良い音を出していました

最後の曲は「ヴァイオリン協奏曲 第1番 変ロ長調 K.207」です この曲もモーツアルトが1773年に作曲した作品です モーツアルトが作曲した第1番から第6番までのヴァイオリン協奏曲は、故郷ザルツブルクで作曲されたことから「ザルツブルク協奏曲」と呼ばれていますが、作曲者自身またはザルツブルクの宮廷礼拝堂楽団の首席奏者A.ブルネッティのために作曲されました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「プレスト」の3楽章から成ります

佐藤俊介はノンビブラートでグングン押していきます 全体的に明るく躍動感に満ちた演奏で、若きモーツアルトの青春の息吹を感じさせるエネルギッシュで清々しい演奏でした

オーボエの荒木奏美(首席)と浅原由香(客員)の二人の軽快な演奏が冴えていました

佐藤俊介の演奏は生で聴く機会がほとんどなかったのですが、今回聴いてみて、非常にアグレッシブで集中力に満ちた演奏をする人だな、と思いました オランダ・バッハ協会第6代音楽監督というのも頷けます

 

     

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