人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

読響ニューイヤーコンサートを聴く ~ エリアス・グランディ ✕ 前橋汀子 ✕ 読売日響によるサラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」、モーツアルト「交響曲第35番」、ラヴェル「ボレロ」他

2020年01月10日 07時20分36秒 | 日記

10日(金)。わが家に来てから今日で1929日目を迎え、昨年末に日本から逃亡した日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告が8日、レバノンの首都ベイルートで記者会見し、「私にかけられた嫌疑に根拠はない」と自らの起訴内容を否認し、東京地検特捜部の捜査や東京拘置所の待遇を強く批判した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     裁判で負けるのは自明だから 莫大な資金力にモノを言わせて逃亡したに過ぎない

 

         

 

昨日、夕食に「絹ごし豆腐の鶏そぼろあんかけ」を作りました ヘルシーで美味しいです

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールで読売日響第628回名曲シリーズ「ニューイヤーコンサート」を聴きました プログラムは①ヨハン・シュトラウス2世:喜歌劇「こうもり」序曲、②サン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」、③マスネ「タイスの瞑想曲」、④サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」、⑤モーツアルト「交響曲 第35番 ニ長調 K.385  "ハフナー” 」、⑥ラヴェル「ボレロ」です ②③④のヴァイオリン独奏は前橋汀子、指揮は2015年のショルティ国際指揮者コンクール第2位入賞、現在 ハイデルベルク市立劇場の音楽総監督を務めるドイツの新鋭エリアス・グランディです

 

     

 

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の編成 コンマスは客員の林悠介氏です。私は初めて目にする名前ですが、数々の国際コンクールで入賞している実力者のようです

1曲目は J・シュトラウス2世:喜歌劇「こうもり」序曲です このオペレッタはヨハン・シュトラウス2世(1825-1899)が1873年に作曲、1874年にアン・デア・ウィーン劇場で初演されました こうもりの扮装をしたまま銀行家のアイゼンシュタインに置き去りにされたファルケが、敵をとろうと彼をたぶらかし、大恥をかかせるというストーリーの喜歌劇です

グランディが登場し、演奏に入ります 小気味の良い快速テンポで進めながらも、歌うべきところはじっくり歌わせる(特にオーボエ)点はコンサートとオペラの両方を指揮するバックグランドがあるからでしょう 実に若者らしい溌剌とした指揮ぶりで好感が持てます 若い指揮者はこうでなければなりません。若手で老成したような指揮をする指揮者を見ると「50年早いよ」と言いたくなります

2曲目からはヴァイオリンのソロに前橋汀子を迎えてオケをバックに3曲演奏されます

最初はサン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」です この曲はカミーユ・サン=サーンス(1835-1921)が1863年に作曲、1872年にパリで初演され、初演者のサラサーテに献呈されました この曲では前橋汀子特有のヴァイオリンによる歌い回し(演歌で言えば”こぶし”)が聴けました

続けて演奏されるマスネ「タイスの瞑想曲」は、ジュール・マスネ(1842-1912)が作曲し、1894年にパリのオペラ座で初演された歌劇「タイス」の第2幕第1場と第2場の間に演奏される楽曲です この曲では前橋汀子の悠久の流れを感じさせる演奏を堪能しました

続いて演奏されるサラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」は、パブロ・デ・サラサーテ(1844-1908)が1878年に作曲した作品です 「ツィゴイネルワイゼン」とは「ジプシーの歌」の意で、4つの部分から構成されています 映画好きの私は、このタイトルを目にすると、鈴木清順監督「ツィゴイネルワイゼン」を思い出します ソリストの演奏で驚いたのは、第3部のハンガリー民謡の旋律を奏でるところで、ヴァイオリンの音がまるで口笛を吹いているように聴こえたことです 彼女の使用楽器は1736年製のデル・ジェス・グァルネリウスですが、楽器の特性がそのような音を出すのか、あるいはソリストの技量がその音を出すことに成功したのか、皆目見当がつきませんが、とにかくこの曲で口笛のような音を聴いたのは今回が初めてです

ソリスト・アンコールはバッハ「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番」の「ラルゴ」でした

 

     

 

プログラム後半の1曲目はモーツアルト「交響曲 第35番 ニ長調 K.385  "ハフナー” 」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1782年に作曲、1783年3月23日にウィーンで初演されたものです ザルツブルクのハフナー家のジークムント・ハフナー2世が子爵となった記念の授与式で演奏するために作曲したセレナード(全6楽章)を4楽章の交響曲に改編した作品です 第1楽章「アレグロ・コン・スピーリト」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット」、第4楽章「フィナーレ:プレスト」の4楽章から成ります

グランディはこの曲でも快速テンポで押します 実に溌剌としていてモーツアルトらしい愉悦感に満ちた演奏を読響から引き出します

最後の曲はラヴェル「ボレロ」です この曲はモーリス・ラヴェル(1875‐1937)が1928年にダンサー、イダ・ルビンシテインの委嘱により作曲、同年パリのオペラ座で初演されました

金管楽器と打楽器を中心にオケの編成が拡大します

この曲は2つの主旋律と一つのリズム・パターンだけで曲を作り上げており、主役となる楽器が次々と入れ替わっていき、曲全体がクレッシェンドしていくという単純極まりない作品ですが、単純なだけに最後のどんでん返しは効果的です フルートからクラリネットへ、クラリネットからファゴットへ・・・と受け継がれていく主旋律の演奏者は、立派に役割を果たしました フィナーレはオケ総動員で ダ・ダ・ダダ・ダン と締めますが、最後の ダン を 銅鑼が打ちっぱなしにして ダーン と長引かせました    これは指揮者の指示によるものか、あるいは演奏者の判断によるものか分かりませんが、こういう演奏は初めて聴きました    個人的には斬新でとても良かったと思います

コメント (2)
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