人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

久石譲の挑戦 〜 なぜ 日本センチュリー交響楽団の首席指揮者に就任したか? / ジェフリー・ディーヴァー著「オクトーバー・リスト」を読む ~ 最終章から始まり第1章で終わる奇想天外のサスペンス

2021年04月27日 07時19分42秒 | 日記

27日(火)。昨日の日経 夕刊文化欄に「久石譲  70歳で楽団指揮者に挑戦 〜『あたらしいクラシックをやる』」と言う見出しの記事が載っていました 超訳すると、

「久石譲は宮崎俊監督『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』など数多くの映画音楽を手掛けてきた オーケストラの指揮を本格的に始めたのは2000年ごろからで、指揮者としては遅いスタートだった 今になって真正面から指揮に向き合うのはなぜか。きっかけをたどると米国の同時多発テロに行き着く 『現代音楽を作曲する中で、古典を否定して既成概念を壊すことが創作なんだと思ってきた。だが9.11の後、今までの価値観では生きられない、否定の対象としてきた王道自体がなくなる時代になる、と感じるようになった それならこれからは自分は王道を行こう、クラシックの土台の上にいる自分を受け入れようと考えた』と語る 以来、国内外の楽団で数多く指揮してきたが、近年は『オーケストラとの一期一会にフラストレーションがたまってきていた。オーケストラとより深い関係にならないと先に進めないと思った』と語る そこに19年、日本センチュリーが首席指揮者就任の誘いを持ちかけた。数年単位でひとつの音作りができるポストは最高の誘いだった 決定的だったのは日本センチュリーを『新しい感覚を持つオーケストラだ』と感じられたことだ 作曲家が本職だけに、経験の面で専業の指揮者には及ばない。そこで目指すのは『作曲家である自分にしかできない指揮』だ。『僕がやりたいのは新しいクラシック。古典を古典のまま古典っぽくやることではない。現代に聞くべき音楽の一つとして、クラシックを提供したい。10年後、20年後のスタイルを先取りする。それが作曲家ならではの指揮だと思う』と語る」

彼の「現代に聞くべき音楽の一つとして、クラシックを提供したい」という言葉で思い出したのは、昨年の「フェスタサマーミューザ」で新日本フィルを振ったベートーヴェン「交響曲第7番」の演奏です 超高速テンポによる軽快な演奏で、まさに「ベートーヴェンはロックだ」というような快演でした マッハの音速でジェット旅客機が飛ぶ時代には、それに相応しいテンポが求められるはずだ、という主張が込められた演奏でした    彼は新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラの音楽監督も務めているので、プログラミング構成によって振り分けするのでしょう

ということで、わが家に来てから今日で2299日目を迎え、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ一環として、東京都が午後8時以降は街灯を消すよう呼びかけた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     たしかに蛾は明りを求めて飛んでくる・・・って都民はいつからモスラになった?

 

         

 

昨日、夕食に「牛肉と大根の煮物」「生野菜とツナのサラダ」「冷奴」「舞茸の味噌汁」を作りました 「牛肉と大根の煮物」は大根を30分煮た後、牛肉を砂糖で味付けして、醤油、味醂、酒で大根と一緒に40分じっくり煮込んだので、味が沁み込んで美味しかったです

 

     

 

         

 

ジェフリー・ディーヴァ―著「オクトーバー・リスト」(文春文庫)を読み終わりました ジェフリー・ディーヴァーは1950年、シカゴ生まれ。ミズーリ大学でジャーナリズムを専攻。雑誌記者、弁護士を経て40歳でフルタイムの小説家となる 科学捜査の天才リンカーン・ライムのシリーズをはじめ 多くの作品は世界でベストセラーとなっている

 

     

 

この作品は3日間の出来事を36の章立てで描いたサスペンスですが、これまでの小説と異なる最大の特徴は、物語が第36章から始まり時間を遡って第1章に至ることです 冒頭に置かれた第36章では、娘を誘拐され、秘密資料「オクトーバー・リスト」の引き渡しを要求されている女性ガブリエラが登場します。その取引要求のタイムリミットが迫っており、ついに銃を手にした誘拐犯が彼女の目の前に現れる場面が描かれています 普通の小説であれば、そこからガブリエルが誘拐犯にリストを渡す代わりに娘を救い出すまでが描かれるはずです しかし、この小説では、どういう経緯でそういう事態に至ったかが、CP作戦と呼ばれる作戦に従事している刑事たちの動向や、ガブリエルの相手役ダニエルとの逃避行など過去に起こった出来事が前へ前へと遡って描かれていきます

最後の第1章を読み終わって、思わず冒頭の第36章に戻り、読み直してしまいました どんでん返しに次ぐどんでん返しが巧妙に仕組まれていたからです 400ページの大作で「時間逆行サスペンスは可能なのか 」と訝りながら読み進めていきましたが、第4章から第1章に至る物語の”本質部分”を読んで驚愕しました

ジェフリー・ディーヴァーの作品のうち比較的新しい「シャドウ・ストーカー」などは、「話の持っていき方が ちょっと強引ではないか」と思う面もありましたが、この「オクトーバー・リスト」を読んで、あらためてジェフリー・ディーヴァーの底力を再認識しました これは凄い本です。強く推薦します

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする