6日(金)。NHK交響楽団の公式サイトによると、下野竜也氏が10月5日付でNHK交響楽団の正指揮者に就任しました これによりN響正指揮者は2010年に就任した尾高忠明氏との2名体制になります 下野氏は現在、広島交響楽団音楽総監督、広島ウインドオーケストラ音楽監督を務めており、2024年4月には札幌交響楽団首席客演指揮者に就任する予定です 実力のある指揮者はあちこちから引っ張りだこですね
さて、2日付の日経夕刊文化欄に、米メトロポリタン歌劇場で主要キャストを歌った数少ない日本人であるソプラノ歌手・森谷真理さんのインタビュー記事が載っていました 「日本のオペラ歌手の育成」をテーマとする日経編集委員・瀬崎久見子さんによるインタビュー記事の概要は以下の通りです
「まず、『多くの日本の音楽大学のカリキュラムが、4年間でオペラの主要な役を歌える歌手を育てるものになっていない』という 日本からオペラ歌手を目指すには、音大卒業後に大学院へ進み、さらに海外留学する、劇場やオペラ団体で研修を受けるなどのコースがあるが、それから海外のコンクールやオーディションを受けると『年齢的に少し遅い』と語る 欧米のスター歌手は、20代前半で一流歌劇場の主役をつかむことが少なくないからだ 自身は武蔵野音大を卒業後、米国のマスネ音楽院で学んでから、夜の女王役でメトロポリタン歌劇場に初出演したのは2006年、28歳のときだった 『世界のメジャーな劇場の主役を目指すソプラノとしてはギリギリの年齢だったと思う』と語る 声楽を学ぶ学生が皆、オペラ歌手を志す必要はないが、『欧米の歌劇場で求められる人材を育てたい』と、准教授を務める名古屋音楽大学で23年春から『少しずつカリキュラムを工夫している』という ポイントの一つは『発語法。イタリア語、フランス語、ドイツ語で歌い、演技できる語学力を身に着けてもらう』。これに加え、海外では『お金とコネクション』も必要だという 日本にも文化庁の海外研修制度、民間の奨学金などがあるが、『留学期間だけでなく、その後も含めた支援は、私が留学していた20年前は中国や韓国の方が手厚かった』と感じている 金銭だけではない。『先に海外に出た歌手が、後輩をいい教師や劇場に紹介するといった人脈のサポートも、中国人や韓国人はよくやっていた』。『野球だってサッカーだって、今や世界の第一線で活躍する選手がたくさんいます。声楽も同じ 日本のオペラ歌手が海外に劣るというイメージを変えたい』と語る」
森谷真理さんといえば、昨年10月の新国立オペラ、ヘンデル「ジュリオ・チェーザレ」クレオパトラ役での素晴らしい歌唱力と演技力を思い出します 昨年10月3日付toraブログに感想を書いていますので、興味のある方はご覧ください
上記の記事を読んで、世界に通用する若手のオペラ歌手を育成するには国家・民間を問わず中期的な経済的・人的サポートが必要だということが良く分かりました
ということで、わが家に来てから今日で3188日目を迎え、ロシア国営テレビRTのシモニャン編集長が2日の番組中、ウクライナ侵攻で対立する西側諸国を威嚇するため「シベリアのどこかで熱核爆発(核実験)を起こせばいい」と発言し、国内のSNSで炎上している というニュースを見て感想を述べるモコタロです
どうせ核実験やるならモスクワのクレムリンでやれば? 実験で留まれば良いけど
昨日、夕食に「肉じゃが」と「大根の味噌汁」を作り、「鯵の刺身」と一緒に食べました 肉じゃがは若干煮過ぎてジャガイモが半分近く溶けてしまいました 次回の反省材料にします
早稲田松竹でロバート・アルトマン監督による1973年製作アメリカ映画「ロング・グッドバイ」(111分)を観ました
私立探偵マーロウ(エリオット・グールド)の家に、親友テリー(ジム・バウトン)が突然訪ねて来る テリーは妻とケンカをしたと話し、メキシコに連れて行ってほしいとマーロウに頼む。テリーを車で送り帰宅したマーロウは、テリーの妻が殺されたことを知る テリーを匿っていると疑われたマーロウは留置場に入れられるが、テリーがメキシコで自殺したとの知らせを受けて釈放される そんな中、マーロウは有名作家の妻から、行方不明になった夫の捜索を依頼される
原作は言うまでもなく、1953年に刊行されたアメリカの作家レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説「ロング・グッドバイ(長いお別れ)」です かなり前に読んだ記憶がありますが、内容はほとんど忘却の彼方に消え去っています 最後の結末は、テリーは浮気がバレたため妻を殺害したが、自殺はせず生きており、マーロウは彼にまんまと騙されて利用されていたことが分かります 原作では最後にテリーに酒を飲もうと誘われるが、マーロウは拒否して去っていくというストーリーですが、この映画では、マーロウは利用されたことに怒り、銃でテリーを撃ち殺してしまいます チャンドラー風のハードボイルドの観点からみれば、行き過ぎのような気がします
冒頭シーンは飼い猫のキャットフードが切れてしまい、真夜中にスーパーに行きますが、いつもの品物がないので代わりに別のを買ってきます 猫を騙そうとそのキャットフードをいつもの缶に入れ替えて、そこから取り出して猫に与えるのですが、猫は「これは違うぞ」と見向きもしません。そしてとうとう家出をしてしまいます 名探偵と言えども人は騙せても猫は騙せないようで、思わず笑ってしまいました また、「この映画は現代に置き換えて撮ることはできないな」と思いました というのは、マーロウは いつどこにいても煙草を吸っているからです 原作はどうだっただろうか?と考えてしまいました