人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

日本で芽吹く室内楽の時代 ~ 日経の記事から / 阿川佐和子著「アガワ流 生きるピント」を読む ~ 家族・恋愛・仕事・生活不安などの悩みにアガワさんが答えます

2023年10月17日 02時31分01秒 | 日記

17日(火)。一昨日の日経朝刊「文化時評」欄に同社編集委員・瀬崎久見子さんが「日本で芽吹く室内楽の時代」という見出しの記事を書いています 記事では「葵トリオ」「クァルテット・インテグラ」「カルテット・アマービレ」「ほのカルテット」等が紹介されていますが、いずれも若手の俊英によるユニットで、国内外の室内楽コンクールで優秀な成績を収めています 今なぜ室内楽が活況を呈しているかについて、葵トリオの河井拓マネジャーが次のように語っています

「2010年に始まったサントリーホールの室内楽アカデミーと、13年に東京クァルテットが解散し、池田菊衛さんや磯村和英さんが日本で室内楽指導に通年でかかわるようになったことが、新しい時代に入るきっかけになったと感じている

これにはすごく共感を覚えます 「葵トリオ」(小川響子、伊東裕、秋元孝介)も、「クァルテット・インテグラ」(三澤響果、菊野凛太郎、山本一輝、築地杏里)も、「ほのカルテット」(岸本萌乃加、林周雅、長田健志、蟹江慶行)もサントリーホール室内楽アカデミー修了生です 先輩格では、現在 東京フィルのコンサートマスターを務めている依田真宣さんも同アカデミー修了生(当時はトリオを組んでいた)です

「磯村和英さんは、サントリーホールのアカデミーでの教え方の特徴について『室内楽演奏に豊富な経験のある複数の講師が、各自の意見を率直に伝えている』と説明する 一つの弾き方や解釈を押しつけず、たくさんの方法があることを伝えて受講者に自分たちで考えさせているという

「東京藝大の箕口一美教授は『室内楽はもともと、教会などで演奏して、近所の人が聴きに来るローカルなもの。日本にもそういう文化が芽生えつつあるように感じる 各地にコンサートホールや音楽祭が生まれて、たくさんの室内楽が演奏されている』と話す

私は毎年6月にサントリーホール「ブルーローズ」で開かれている「サントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデン」を楽しみにしていますが、この「室内楽の庭」が室内楽アカデミー受講生の日ごろの練習の成果を発表する場となっています 来年はどんな受講生がどんな曲を演奏してくれるのか、今から楽しみです

         

昨日、コンサート3件の振り替え手続きをしました 1件は東京フィルの11月公演で、10日(金)サントリー定期を12日(日)オーチャード定期に振り替えました 10日は2時から新日本フィル扉シリーズが、7時から東京フィル公演があるので、ハシゴを避けるため振り替えました 東京フィルの振り替えは今年3度目です あとの2件は新日本フィルの来年2月と3月の扉シリーズ公演です。2月16日(金)を17日(土)に、3月15日(金)を16日(土)にそれぞれ振り替えました。これらも1日2件のハシゴを避けるためです 新日本フィルの振り替えは今回が初めてです。東京フィルは11月公演のチケットを事前にチケットサービスに送付し、コンサート当日新しい座席指定券を受け取ることになります 新日本フィルの方は、各公演の1週間ほど前に新しい座席についてケータイに連絡をもらい、手元のチケットを当日持参し、新しい座席指定券を受け取ることになります

現在、N響(A、B)、読響(定期、名曲)、新日本フィル(扉。新シーズンからサントリーを追加)、都響(B)、東響(サントリー)、東京フィル(サントリー、響きの森)、シティ・フィル(オペラシティ、ティアラこうとう)、新国立オペラの定期会員ですが、団体の数が多いほど公演日時が重なるリスクが高くなります 現時点では、来年5月12日(日)14時がN響Aプロと東響定期が、再来年3月22日(土)15時が新日本フィル(サントリー)と東京フィル(響きの森)がダブっているだけですが、今後、読売日響とシティ・フィルが4月からの新シーズンのラインナップを発表し、さらにN響と新国立オペラが来秋からの新シーズンのラインアップを発表するとさらにダブりが増えるのではないか、と今から恐れています

ということで、わが家に来てから今日で3199日目を迎え、ロシア連邦植物検疫局は16日、中国による日本産海産物の輸入制限措置に参加すると表明した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     くれぐれも日本の領海を侵犯して魚を獲らないでちょ!中国の真似はしないように

     

         

 

昨日、夕食に「ビーフカレー」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました いつもはバラ肉を使っていますが、今回はブロック肉にしました。やっぱり食べ応えがありますね

 

     

 

         

 

阿川佐和子著「アガワ流  生きるピント」(文春文庫)を読み終わりました 阿川佐和子は1953年東京都生まれ。エッセイスト、作家。慶應義塾大学文学部西洋史学科卒。「ああ言えばこう食う」(檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、「ウメ子」で坪田譲治文学賞、「婚約のあとで」で島清恋愛文学賞を受賞 「聞く力」が2012年の年間ベストセラー総合1位となる テレビでは「ビートたけしのTVタックル」に出演中

 

     

 

本書は2021年7月に文藝春秋社から単行本として刊行されたものを2023年9月に文庫化したもので、37のお悩みに対する名(迷?)回答を収録しています

本書は悩みの内容に応じて「まえがき」と次の3章に分けて構成されています

第1章「仕事編」

第2章「恋愛編」

第3章「家族篇」

本書はアガワさんが直接回答を出すのではなく、担当編集者の向坊健氏がインタビューのように「合いの手を入れる形」でアガワさんから答えを引き出すという手法を取っています アガワさんは「まえがき」で向坊氏について次のように語っています

「20年以上の長きにわたり、ご家族ともども親密に付き合ううち、互いにズケズケとモノを言えるほどの仲に成り果てた まさに下心も恋愛感情もまったく湧くことのない、ボーイフレンドの一人である。彼のおかげで、ときおり私が問題の本質から脱線しそうになったり、つい大上段に構えてモノを言いそうになったりするのを避けることができた そう、こういう『人が真面目に話しているのに、どうして茶化すのよ!』と言いたくなるような友だちを持っておくのも、心のモヤモヤを取り去るためには、大事なことと思われますよ というわけで、少々ピントがずれているかとも思われますが、私のアドバイスが、読者の皆様のささやかなヒントになれば、こんな嬉しいことはございません あとはよしなに・・・」

この「あとはよしなに」がいいですね 思わず笑ってしまいました

お悩み相談はだいたい次のようなパターンで進みます 「仕事編」の最初に登場するケースをモデルにご紹介します

相談「社の方針で、私の部署はどんどん人員が減らされていて、8人いた部員が3人になってしまいました 当然のことながら、仕事の負担は増すばかりで、毎日ヘトヘト 上司はどんどん仕事を振ってくるし、ブラック企業にいるような気分です お陰で、ストレス性の胃腸炎になってしまいました(52歳、女性、会社員)

向坊「阿川さんも作家・エッセイストとしてのお仕事のほか、『週刊文春』の連載対談があり、『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)にもレギュラー出演されて、大忙しでしょう?最近は女優としても大活躍されているし

阿川「それは嫌味か?大活躍なんぞしておりませんよ。たしかに原稿書きや対談の資料読みなどに追われて、家でパニックになることは日常茶飯事ですけどね

向坊「そんな時はどうするんですか?  ご主人に当たるとか?」

阿川「そんなことするわけない、ことは、ないか 基本的にはまず、やらなきゃいけないことを箇条書きにしますね 近々に仕上げなければならない仕事が5つ溜まっているとしたら、それを〆切日順に書き出してボードに貼り付けるの。で、どこから手をつけるか考える 本当は〆切日順に片づけなきゃいけないんですが、いちばん切迫している仕事がすごく手間のかかるものだとしたら、それより〆切は先だけどササッと片づけられそうだと思う短い原稿なんかを先に書いちゃう で、書き上げたら線を引いて消す。そうすると5つあった仕事が4つに減るでしょ。すごい達成感ですよ その勢いに乗じて次に取りかかると、最後にはなんとかなるという・・・! もちろん〆切日との兼ね合いを考えながら順番を決めますけどね

という具合で、結構真面目に回答しています それからさらにアガワさんなりの解決策をいくつか紹介して、最後に結論を載せます

「結論=短い仕事から片づける。愚痴る。そして寝る」

仕事編ではこのほか、「部下を叱れません」「ビジネスで成功している人たちの共通点を教えてください」「上司から娘との縁談を持ち掛けられています」などのお悩みに回答しています

恋愛編では、「大学時代の彼氏と30年ぶりに再会しました」「近所の女子中学生が公園でイチャイチャしています」「近所のコンビニの店長に惚れていますが、フラれるのが怖くて」などのお悩みが取り上げられています

家族篇では、「定年退職した矢先、妻が認知症になりました」「妻の肥大化が止まりません」「溺愛していた高校生の娘が話してくれません」「大学生の娘が女優になりたいと言い出しました」などのお悩みにアドヴァイスをしています

生活編では、「SNSで友だちのグループから外されていて、疎外感があります」「何でもやりっ放しの癖がなおりません」「酔っぱらって旦那のパンツをはいて寝てました」「息子の婚約者の母親に違和感があります」などのお悩みに答えています ちなみに「酔っぱらって旦那のパンツをはいて寝てました」の悩みに対する”結論”は「もっと恥ずかしい経験を重ねましょう」です

お悩みがある人もない人も、読んでためになる生きるヒントが満載です お薦めします

コメント (2)
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