人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ユベール・スダーン ✕ 東京交響楽団でモーツアルト「ディベルティメントK.136」、「交響曲第31番 ”パリ”」、「交響曲第35番 ”ハフナー”」を聴く ~ 第54回モーツアルト・マチネ

2023年10月02日 06時06分33秒 | 日記

2日(月)。わが家に来てから今日で3184日目を迎え、米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長の退任式が29日、ワシントン郊外の米軍基地で開かれ、ミリー氏はあいさつで「我々は独裁者になりたいと思う者に誓いを立てたりはしない」と発言し、大統領選の共和党候補者指名争いで支持率トップを走るトランプ前大統領との関係悪化ぶりを印象付けた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     よほどトランプの米軍の政治利用に 怒り心頭だったんだろう 後任者への遺言だね

 

         

 

昨日、午前11時からミューザ川崎シンフォニーホールで「モーツアルト・マチネ 第54回公演」を聴きました オール・モーツアルト・プログラムで、①「ディベルティメント  ニ長調 K.136」、②「交響曲第31番 ニ長調 K.297 ”パリ”」、③「交響曲第35番 ニ長調 K.385 ”ハフナー”」です。すべて「ニ長調」で揃えました   演奏は東京交響楽団、指揮=ユベール・スダーンです

ユベール・スダーンは1946年オランダ生まれ。ブザンソン国際指揮者コンクール優勝 フランス国立放送フィル、ザルツブルク・モーツアルテウム管の首席指揮者等を歴任。現在、東響桂冠指揮者、オーケストラ・アンサンブル金沢 名誉アーティスティック・アドヴァイザーを務める

 

     

 

弦楽器は10型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの東響の並び   コンマスは関朋岳(せき ともたか=2018年の第16回東京音楽コンクール弦楽部門第1位)の客演です

1曲目はモーツアルト「ディベルティメント  ニ長調 K.136」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1772年に「K.137」「K.138」とともにザルツブルクで作曲したため「ザルツブルク交響曲」とも呼ばれています 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「プレスト」の3楽章から成ります

スダーンの指揮で第1楽章に入ります。弦楽器だけによる透明感のある軽快な演奏が続きます これは第2楽章、第3楽章についても同様で、歯切れの良いテンポ感がスダーンらしさを表わしていました

 2曲目は「交響曲第31番 ニ長調 K.297 ”パリ”」です この曲はパリの宮廷で開かれていた演奏会シリーズ「コンセール・スピリチュエル」の支配人 ルグロの依頼により1778年(22歳)に作曲、同年パリで初演されました    モーツアルトの交響曲としては初めてクラリネットを用いています    第1楽章「アレグロ・アッサイ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグロ」の3楽章から成ります

管打楽器が加わり、スダーンの指揮で第1楽章が威勢よく開始され、1オクターブ急上昇します   この出だしでモーツアルトはパリの聴衆の心を一気に掴んだに違いありません   固いマレットで打ち込まれるティンパニの心地よいリズムとともに、スダーン ✕ 東響はこのワクワク感を見事に表現しました 次いで第2楽章に入りましたが、「えっ」と声を出しそうになりました 私がこれまでLPやCDで聴いてきた第2楽章のメロディーと全く違うのです いったいどうなっているのか、としばし呆然としましたが、何ともしようがないので、ただ音楽を楽しみました 第3楽章は愉悦感に満ち推進力に溢れた演奏でフィナーレを駆け抜けました

第2楽章については、家に帰っていくつかのCDを聴いた上で、Wikipediaで調べてみたら「第2楽章のアンダンテはル・グロの注文で書き直された稿も存在する」と書かれていました 鉢村優氏の「プログラム・ノート」には何の説明もありませんが、おそらくこの日の演奏は「書き直された稿」による演奏だったのではないかと推測します

 

     

 

最後の曲は「交響曲第35番 ニ長調 K.385 ”ハフナー”」です この曲はザルツブルクのハフナー家のために作曲したセレナード(K.250の「ハフナー・セレナード」とは別)を改変して1782年に作曲、同年ウィーンで初演されました 第1楽章「アレグロ・コン・スピーリト」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエットとトリオ」、第4楽章「フィナーレ:プレスト」の4楽章から成ります

スダーンの指揮で第1楽章が開始されます。メリハリをつけた生き生きとした音楽が展開します ファゴットをはじめ木管楽器が素晴らしい この曲でもティンパニが心地よいリズム感を醸し出しています 第2楽章では管楽器と弦楽器とのブレンドが素晴らしい 優雅な第3楽章に続いて、第4楽章が快速テンポで展開し、愉悦感に満ちた音楽が会場に響き渡ります

3曲が終わった時点で11時50分でした スダーンはコンマスとひそひそ話をしていましたが、「まだ1時間経ってないから アンコールやってみっか」とばかりに、”問題の”パリ交響曲の第2楽章「アンダンテ」をもう一度演奏、満場の拍手を浴びました

全曲聴き終わってあらためて思うのは、スダーンの指揮するモーツアルトは素晴らしいということです 言うまでもなく、スダーンは東響の第2代音楽監督ですが、「モーツアルト・マチネ」の創設者でもあります 音楽監督時代で忘れられないのは2008年シーズンの「シューベルト・チクルス」です 特に第6番までの交響曲の溌溂とした演奏は本当に素晴らしかった それと同じくらい素晴らしいのがモーツアルトです この日は久しぶりに温かみのあるスダーンのモーツアルトが聴けて幸せでした

 

     

コメント
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