21日(土)その2.モコタロは「その1」に出演しています 是非ご訪問ください
昨日午後7時からサントリーホールで東京都交響楽団「第984回定期演奏会Bシリーズ」を聴きました プログラムは①ブラームス「ハイドンの主題による変奏曲 作品56a」、②ブルックナー「交響曲第2番 ハ短調 WAB102(ノヴァーク:1877年版)」です
指揮は都響終身名誉指揮者・小泉和裕です
オケは16型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの都響の並び。コンマスは山本友重です 「葵トリオ」の伊東裕君はチェロ首席が板についてきました
1曲目はブラームス「ハイドンの主題による変奏曲 作品56a」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1873年に作曲、同年11月2日にウィーンで初演されました
「主題と8つの変奏とフィナーレ」から構成されています
主題はハイドンの「ディヴェルティメント集」第6番の第2楽章「聖アントーニの讃美歌」から採られていると言われてきましたが、舩木篤也氏のプログラムノートによると、原曲はハイドン作ではないことは間違いないようです
しかし、ブラームスにとっては、原曲がハイドンだろうが誰だろうが良かったのだと思います
小泉和裕が指揮台に上り演奏に入ります 「まったく変わってないなあ
」と思ったのは、足から根が生えたように指揮台に両足を固定し、上半身だけで指揮をする文字通り「不動の指揮スタイル」をとるのです
これは他の誰とも違う小泉氏だけの個性です
全体的に、ブラームスらしい渋さのある正攻法の演奏が展開しました
プログラム後半はブルックナー「交響曲第2番 ハ短調 WAB102」(ノヴァーク:1877年版)です この曲はアントン・ブルックナー(1824-1896)が1871年から翌72年にかけて作曲、1873年10月26日にウィーンで初演され、その後改訂されました
第1楽章「モデラート」、第2楽章「アンダンテ:荘厳に、いくぶん動きをもって」、第3楽章「スケルツォ:適度に速く」、第4楽章「フィナーレ:より速く」の4楽章から成ります
この曲は昨年10月23日にジョナサン・ノット ✕ 東京交響楽団で聴く予定だったのが、風邪を引いたため聴けなかった作品です したがって今回初めて聴くことになりました
この曲は、作曲者が何度か改訂を加えているせいか、分かりにくい作品です 全体的にみると、第2楽章と第3楽章が比較的分かりやすい音楽である一方、第1楽章と第4楽章がどちらかというと捉えどころのない音楽です
しかし、どの楽章もこの時すでにブルックナーのDNAとでも言うべき性格を表わしています
素晴らしいと思ったのは第2楽章「アンダンテ」における弦楽セクションを中心に演奏された宗教的ともいえる美しい音楽です
それに続く第3楽章「スケルツォ」は冒頭から弦楽器により激しいキザミが演奏され、第2楽章で心地よく眠っていた人は眼が覚めたのではないかと思います
小泉和裕はこの曲でも一貫して足を指揮台に固定し、最後まで動かしませんでした 彼は暗譜で指揮をとりましたが、よくもこんな難しい曲を暗譜で振れるものだと感心しました
全体的に奇をてらったところのない正攻法のアプローチで、円熟味を増した小泉氏のブルックナーは素晴らしいと思いました
満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました 小泉氏の指揮する交響曲では3大B(ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー)が特に素晴らしいと思ったコンサートでした
都響でもカーテンコール時のスマホ撮影が許可されているので、初めて写メしました