19日(木)。やっと日中も暑さが和らぎ 過ごしやすい季節になったので、先週から朝の整骨院での右手の治療のあと池袋まで歩くようになりました 約3千歩で30分です。目白通りを真っすぐ池袋を目指して歩くのですが、途中に水泳の池江瑠璃子さんの出身校、〇〇〇〇中学高等学校があります
歩道側の看板に「〇〇学校のみなさん、おもいやりをもって歩道を歩きましょう」と書かれていました
これを見た私は「この学校の生徒は大変だなぁ
重い槍を持って歩道を歩かなければならないなんて
よほど強い敵が襲いかかってくるんだろうな
」と思いました
えっ、「思いやりをもって」だろうって? それなら そう書いてよ
昼食後 家に帰って、洗濯して8枚溜まった長袖シャツにアイロンがけをしました ただ黙々とかけるのはつまらないので、予習CD(ラフマニノフ「交響曲第2番」)を聴きながら、8枚のシャツを何分でかけ終わるかを計ることにしました
結果はジャスト18分。1枚当たり2分15秒です
これが速いのか遅いのか分かりませんが、だいたいいつものペースです
お宅ではどのくらい時間がかかりますか、奥さん? ちなみに私は、ここ30年近く シャツをクリーニングに出したことは1度もありません
アイロンとアイロン台があれば電気代だけで タダ同然です
ちょっとした運動にもなります
アイロン・ダイエット お薦めします
ということで、わが家に来てから今日で3201日目を迎え、ロシアのメドベージェフ前大統領(安全保障会議副議長)は18日、パレスチナ自治区ガザの病院爆発について「明らかに戦争犯罪だ」と非難した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
自国を棚に上げているが ロシアがウクライナでやってることこそ「戦争犯罪」だろ
昨日、夕食に「サーモンのムニエル」「生野菜とアボカドのサラダ」「キノコの味噌汁」を作りました サーモンは大きめだったので食べ甲斐がありました
原田ひ香著「古本食堂」(ハルキ文庫)を読み終わりました 原田ひ香は2005年「リトルプリンセス2号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞、07年「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞
著書に当ブログでもご紹介した「ランチ酒」「続・ランチ酒」「まずはこれ食べて」、ベストセラーとなった「三千円の使い方」など多数あります
鷹島珊瑚(たかしま さんご)は両親を看取り、北海道帯広市でのんびり暮らしていたが、東京の神田神保町で小さな古書店を営んでいた兄の滋郎が急逝してしまう 珊瑚がその店とビルを相続することになり、単身上京することになった
一方、珊瑚の親戚で国文科の大学院生・鷹島美希喜(みきき)は、生前 慈郎の店に通っていたことから、素人の珊瑚の手伝いをすることになる
カレーや中華など神保町のお店の美味しい料理と親切心溢れる人々に囲まれながら、本の魅力が語られていく
本書は次の6話から成る連作短編集です
第1話「お弁当作り ハッと驚く秘訣集」小林カツ代著と三百年のお寿司
第2話「極限の民族」本多勝一著と日本一のビーフカレー
第3話「十七歳の地図」樋口譲二著と揚げたてピロシキ
第4話「お伽草子」とあつあつカレーパン
第5話「馬車が買いたい!」鹿島茂著と池波正太郎が愛した焼きそば
最終話「輝く日の宮」丸谷才一著と文豪たちが愛したビール
最後に「特別対談」片桐はいり ✕ 原田ひ香 が収録されています
私が一番印象に残ったのは第5話「馬車が買いたい」です 鹿島茂著「馬車が買いたい」は珊瑚さんが同じビルに入居している辻堂書店の編集者・花村建文君にプレゼントした本です
珊瑚さんが建文君にその本を手渡す時に次のように話します
「それは、バルザックやヴィクトル・ユゴーの時代の青年たちの経済状態や当時の風俗を書いた本よ。とっても面白いの あの頃は、馬車がないと女性を・・・まあ、この場合は上流階級の女性、という意味だけど、誘うこともできなかったのよ
貴婦人に外を歩かせるわけにはいかなかったでしょう。こんなドレスを着て
」
珊瑚さんはこの本を通じて、美希喜に気がある建文君に恋の手ほどきをしようとしているように見えます
私がなぜこの本を扱った第5話が印象に残ったのかと言えば、青柳いづみこ著「パリの音楽サロン ~ ベルエポックから狂乱の時代まで」でもこの本が紹介されていたからです 青柳さんは「はじめに サロンという登竜門」の中で次のように書いています
「鹿島茂『馬車が買いたい!』(白水社)は、バルザックやフローベール、スタンダールらの小説の主人公に注目し、田舎からパリに上り、社交界で一旗あげようと目論む若者たちの算段を具体的に検証した書である タイトルにもあるように、社交界に乗り込むためには、何をおいても馬車が必要だった。馬車がなければ上流階級のサロンに行くことができず、サロンでデビューしなければ、文壇・楽壇の大立者や文芸の庇護者に出会うこともできなかった
少し時代はあとになるが、1831年、ワルシャワ動乱でパリに出て来たショパンも同じような努力をしている
」
上流階級って面倒くさいですね 青柳さんの本については今年8月21日付toraブログに書いていますので、興味のある方はご覧ください
ところで、第5話の中に神保町にあるバーでの会話が登場します
「神保町の喫茶店というと、やはり、ミロンガ、ラドリオでしょうね」
「ミロンガの前身、ランボオでは結婚前の武田百合子さんがアルバイトしてたそうですね」
「あの頃は、三島由紀夫、遠藤周作、吉行淳之介と錚々たるメンバーが通っていたんですよ」
上の会話の「ミロンガ」(音楽はタンゴ)、「ラドリオ」(ウィンナコーヒー発祥の店)はまだ神保町の路地裏に健在です 残念ながら私はまだ入ったことがありません
このほか、「さぼうる」「さぼうる2」という老舗の喫茶店もあり、昼食時には長蛇の列が出来ています
ところでなぜ、三島由紀夫ら著名な小説家が通うバーや喫茶店があったか(あるか)といえば、言うまでもなく、神保町には「小学館」「集英社」「岩波書店」の本社があり、三省堂や書泉などの大型書店をはじめ書店が軒を連ねていた(いる)からです 残念ながら三省堂はもう建物がありません
したがって本書「第4話」に出てくる三省堂書店地下の「放心亭」もありません
そういえば、第5話の中の「池波正太郎が愛した焼きそば」の話をご紹介していませんね それは読んでのお楽しみ、ということでご勘弁ください
本書は「本と食を巡る神保町礼賛の本」と言えるかもしれません 本書を読むと「この本読んでみたいな」と思う本が1冊や2冊出てくると思います
お薦めしておきます