人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジョナサン・ノット ✕ 東京交響楽団 ✕ 東響コーラスでドビュッシー(ノット編)「交響的組曲『ペレアスとメリザンド』」、ヤナーチェク「グラゴル・ミサ」を聴く

2023年10月16日 00時01分12秒 | 日記

16日(月)。わが家に来てから今日で3198日目を迎え、中国が17,18日に開く巨大経済計画構想「一帯一路」の国際会議に合わせて訪中予定のロシアのプーチン大統領は、中国国営中央テレビが15日に報じたインタビューで「各国の力を結集し、共通の発展を実現している」と一帯一路を称賛した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     一帯一路が 経済援助を餌に他国を支配下に置く政策であることは 事実が証明してる

 

         

 

昨日、サントリーホールで東京交響楽団「第715回定期演奏会」を聴きました プログラムは①ドビュッシー(ノット編)「交響的組曲『ペレアスとメリザンド』」、②ヤナーチェク「グラゴル・ミサ」(Paul  Wingfield によるユニヴァーサル版)です 演奏は②のソプラノ独唱=カテジナ・クネジコヴァ、メゾソプラノ独唱=ステファニー・イラーニ、テノール独唱=マグヌス・ヴィギリウス、バス独唱=ヤン・マルティニーク、合唱=東響コーラス。指揮=東響音楽監督ジョナサン・ノットです

 

     

 

オケは16型で、左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置をとります ステージ上手奥にはハープが2台スタンバイします。コンマスは小林壱成です

1曲目はドビュッシー(ノット編)「交響的組曲『ペレアスとメリザンド』」です この曲はクロード・ドビュッシー(1862-1918)がメーテルランクの同名劇をもとに1893年から95年にかけて作曲したオペラ「ペレアスとメリザンド」の全曲から、ジョナサン・ノットが15曲を抜粋し、自身のアイディアで一部を加筆した交響組曲版を編作し、2020年にスイス・ロマンド管弦楽団と世界初演したものです

「ペレアスとメリザンド」の物語は「老王アルケルの孫で王太子のゴローは森で素性の分からない美しい娘メリザンドを見つけ、城へ連れてきて妻とするが、彼女はゴローの異父弟ペレアスと恋に落ち、ペレアスはゴローに殺され、メリザンドも出産後に息絶える」という内容です

ノットの指揮で演奏に入ります 弦楽器を中心にしなやかで美しい演奏が繰り広げられ、ホルン、オーボエ、フルートなどの管楽器が繊細な演奏を展開します なかでも最上峰行のイングリッシュホルンの抒情的な演奏が素晴らしかった しかし、オリジナルの曲自体が起伏の小さい作品である上に、声楽を伴わないオペラの組曲ということで、今いったいどこを聴いているのかが分からないという状態に陥ります いかに流麗で美しい演奏でも50分弱の演奏時間には辛いものがあります

話はそれますが、私が初めてナマのオペラを鑑賞したのはモーツアルトでもヴェルディでもない、ドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」でした 20代後半のころ、中高同級生の2歳上のお姉さん(M音大を卒業して藤原歌劇団に入ったばかり)に誘われて2人で東京文化会館に聴きに行きました 今となっては歌手は誰で、オーケストラはどこだったのかなど全く思い出せません 彼女は聡明で美人でしたが、あの頃の私は年上の女性に若干抵抗を感じていたので積極的に交際しようとは思いませんでした もしその気になっていたら、今頃は あったかもしれない別の人生を送っていたかもしれません 「ペレアスとメリザンド」というと、若さだけが取り柄の阿保なあの頃を思い出します

 

     

 

プログラム後半はヤナーチェク「グラゴル・ミサ」(Paul  Wingfield によるユニヴァーサル版)です この曲はレオシュ・ヤナーチェク(1854-1928)が1926年に作曲、1927年12月5日にブルノで初演されました 第1曲「イントラーダ」、第2曲「序奏」、第3曲「キリエ」、第4曲「グロリア」、第5曲「クレド」、第6曲「サンクトゥス」、第7曲「アニュス・デイ」、第8曲(オルガン・ソロ)、第9曲「イントラーダ」の9曲から成ります

東響コーラスの男女混声合唱100数名がP席にスタンバイします 男声1 対 女声2の割合で、男声陣を女声陣が挟む形で待機します パイプオルガンは大木麻理さんだと思います

次いでソリストの4人がノットとともに入場し、スタンバイします ソプラノ独唱のカテジナ・クネジコヴァはチェコ出身、メゾソプラノ独唱=ステファニー・イラーニはドイツ出身、テノール独唱のマグヌス・ヴィギリウスはデンマーク出身、バス独唱のヤン・マルティニークチェコ出身と国際色豊かです

ノットの指揮で第1曲「イントラーダ」がティンパニと金管楽器、そして弦楽器によって開始されます 第1ヴァイオリンのグルーヴ感のある演奏を聴いて、昨年4月に初めてこの曲を聴いて感激した大野和士 ✕ 都響の演奏を思い出しました 第2曲「序奏」の金管のファンファーレは、村上春樹が小説「1Q84」で取り上げたヤナーチェクの「シンフォニエッタ」を想起させます 第3曲「キリエ」と第4曲「グロリア」ではソプラノ独唱が入りますが、カテジナ・クネジコヴァの美しくもよく通る強靭な歌唱が印象に残りました 他の3人のソリストも大健闘でしたが、彼女が突出していました 第5曲「クレド」ではオルガンとオケとの掛け合いが見事でした また東響コーラスの暗譜による合唱が全曲を通して迫力に満ちていて素晴らしかった 第8曲のパイプオルガン独奏は大ホールを震わせ、大迫力で迫ってきました そして最後に第9曲「イントラーダ」が回帰して、全曲を華やかに締めくくりました

全体的な印象としては、民俗性を排した 洗練されたスタイリッシュな演奏だったと思います

カーテンコールが繰り返され、ノットと4人のソリストがステージに呼び戻されます そしてP席の東響コーラスの面々に惜しみない拍手が送られました

この曲は1972年にコシュラー指揮東京交響楽団により日本初演されました 今回は半世紀ぶりの演奏となりましたが、オーケストラも合唱も当時から各段の進化を遂げていることでしょう

 

     

     

コメント (2)
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