人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京フィルでブラームス「交響曲第1番ハ短調」、ショパン「ピアノ協奏曲第1番」を聴く

2015年02月08日 07時33分20秒 | 日記

8日(日)。わが家に来てから134日目を迎え、背伸びしたい年頃のモコタロです 

 

          

           なんとか上にあがりたいんだけど むりだよな うさぎ跳びでもダメかな?

 

  閑話休題  

 

昨日午後、まず新宿ピカデリーに行きチケットを買い、その足で池袋に向かおうと、一番早く着く副都心線に乗ることにしました。新宿三丁目駅のホームに着くとちょうど「急行池袋行」電車が止まっていたので、グッド・タイミングということで乗り込みました。ところがこの電車、なかなか出発しません。社内放送が入り「車両点検のためダイヤが大幅に乱れております。この電車の出発のめどは立っておりません。池袋方面にお出での方は地下鉄丸の内線をご利用ください」と言い出すではありませんか 時刻は1時15分。2時から池袋の東京芸術劇場でコンサートがあるのでオロオロしているヒマはありません。丸の内線などに乗ろうものなら池袋まで17駅くらいあるので間違いなく遅刻です そこでJR新宿駅まで歩いて、山手線に乗ることにしました。これが正解で、劇場に到着したのは1時40分、開演20分前でした。スマホの乗り換え案内も見ずに直感で判断したのが功を奏しました

ということで、昨日東京芸術劇場で東京フィルのコンサートを聴きました これは「都民芸術フェスティバル2015」の一環として開かれた公演で、プログラムは①チャイコフスキー「歌劇”エフゲニ・オネーギン”から”ポロネーズ”」、②ショパン「ピアノ協奏曲第1番ホ短調」、③ブラームス「交響曲第1番ハ短調」で、指揮は1981年ブルガリア生まれのロッセン・ゲルコフ、②のピアノ・ソロは今年デビュー30周年を迎える小山実稚恵です

 

          

 

自席は3LBーD8番、3階の左ブロック左から2つ入った席です。会場は文字通り満席です この日のコンマス青木高志の合図でチューニングが行われ、指揮者を待ちます。背の高いガッチリタイプのゲルゴフが登場、1曲目のチャイコフスキーの歌劇「エフゲニ・オネーギン」から「ポロネーズ」の演奏が開始されます チャイコフスキーは、バレエ音楽とかこの曲のような舞曲は得意中の得意のジャンルですね ゲルゴフは華麗かつダイナミックに舞踏会のシーンを再現します

ピアノがステージ左サイドからセンターに移動し、2曲目のショパン「ピアノ協奏曲第1番ホ短調」に備えます。小山実稚恵が淡いグリーンと白を基調とするロングドレスで登場、ピアノに向かいます ゲルゴフのタクトで第1楽章が振幅の深い演奏で開始されます。そして小山のピアノが力強く入ってきてショパン・ワールドを展開します チャイコフスキー・コンクールとショパン・コンクールの両方に入賞した唯一の日本人ピアニストらしく、演奏は堂々たるものです 今年デビュー30年ですが、これまで何回このコンチェルトを演奏してきたのでしょうか。演奏するだけでなく、ショパン生誕200年に当たる2010年のショパン国際コンクールでは審査員を務めています

会場一杯の拍手 とブラボーに、ショパンの「マズルカ・イ短調作品67-4」をニュアンス豊かに演奏し、クールダウンを図りました

 

          

 

休憩後はブラームスの交響曲第1番ハ短調です。ハ短調というのはベートーヴェンの交響曲第5番”運命”と同じ調性です。ブラームスがこの曲を意識して覚悟の元に作曲したことが伺えます

第1楽章冒頭のティンパ二の連打から、ブラームスの世界です 私はこの曲が大好きです。第2楽章は穏やかで田園交響曲のようです。第4楽章でホルンが奏でる雄大なテーマは、密かに愛するクララ・シューマンへの愛の告白ですが、ここにくると背中がゾクゾクっとします

ゲルゴフはダイナミックな指揮で東京フィルの管と弦から分厚い音楽を引き出していました ティンパ二も良かったです。東京フィル、なかなかやります

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日聴いたCDはワーグナーの「歌劇・楽劇 序曲・前奏曲集」です 演奏はオットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団。今日ワーグナーの楽劇を映画で観るので、その予習です。クレンペラーの演奏はどっしりと大地に根差しています

 

          

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花房晴美「パリのアトリエ第9集・ポーランドからパリへ」、サラ・ルヴィオン「フルート・リサイタル」

2015年02月07日 09時28分04秒 | 日記

7日(土)。わが家に来てから133日目を迎えた”色男”モコタロです 

 

         

           どうだい 相変わらずドアップに耐えられるいい顔だろ

 

  閑話休題  

 

先日、ラフォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日・音楽祭2015」のプレイベント「クラシックソムリエ・サロン」に参加申し込みしておいたのですが、昨夕、事務局からメールが入り、抽選の結果当選したという嬉しい知らせが書かれていました

今年のラ・フォル・ジュルネ(RFJ)のテーマは「PASSIONS」ですが、RFJの主宰者ルネ・マルタン氏が「恋」「祈り」「いのち」の3つの切り口でRFJ2015の聴きどころを音楽と映像とともに解説してくれます 2月12日(木)午後7時から東京国際フォーラム「展示ホール」で開かれます。今からとても楽しみです

 

  も一度、閑話休題   

 

チケットを2枚買いました 1枚目は4月17日(金)午後7時から東京文化会館小ホールで開かれる花房晴美の室内楽シリーズ「パリのアトリエ第9集 ポーランドからパリへ」です プログラムは①メシアン「世の終わりのための四重奏曲」、②ドビュッシー「練習曲第12番 和音のために」、③ショパン「ピアノ三重奏曲ト長調」です 演奏はピアノ=花房晴美、ヴァイオリン=漆原啓子、チェロ=藤原真理、クラリネット=遠藤文江です

 

          

 

2枚目は5月20日(水)午後6時半から日経ホールで開かれる「サラ・ルヴィオン フルート・リサイタル」です サラ・ルヴィオンはフランス生まれ。2002年からフランクフルト歌劇場管弦楽団の首席フルート奏者を務めています プログラムは①モーツアルト「フルート・ソナタ第9番K.14」、②ライネッケ「フルート・ソナタ ホ短調」、③ゴーベール「フルート・ソナタ第3番」、④プーランク「フルート・ソナタ」、⑤ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」、⑥ヴィドール「フルートとピアノのための組曲」です ピアノ伴奏は4日の日経ミューズサロン「シュッツ・フルート・リサイタル」で伴奏を務めた村田千佳です

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日聴いたCDは前日のシベリウス「交響曲第5番・第7番」に続いて、イギリスの巨匠ジョン・バルビローリの指揮によるCDです ベルリン・フィルを振ったマーラーの「交響曲第2番」。1965年6月3日、ベルリンのフィルハーモニーにおけるライブで、ソプラノをマリア・シュターダー、メゾ・ソプラノをジャネット・ベイカーが歌っています 残念ながらモノラル録音ですが、バルビローリはマーラーの交響曲に深い共感を持って感動的な演奏を展開しています

 

          

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三上延著「ビブリア古書堂の事件手帖〈6〉」を読む~今回は太宰治がテーマ

2015年02月06日 07時01分09秒 | 日記

6日(金)。今朝6時に起きて外を見ると雪が降った形跡がなかったので一安心しました 去年の今ごろは、ゆきずりの雪にしてはゆきすぎではないか、と思えるほど大雪が降り、除雪作業を強いられたビル管理関係者を泣かせました 午前6時現在の東京の気温は1度。オノオノ方、油断めさるな

さて、わが家に来てから132日目を迎え、娘のスリッパの上でくつろぐモコタロです  右に見えるこげ茶色をした丸い物体は何ですか? モコタロ君、尻ません、か 

 

          

          ぼくが乗っているのはおねーちゃんのスリッパだよ 雑巾兼用の

 

  閑話休題  

 

昨夕、当ビルすぐ近くの西新橋スクエア2階の「せいとう西新橋店」で、近隣ビルの集まり「特街懇話会」の新年会が開かれ、参加しました 大雪が危ぶまれたこの夜、明日を知らない5社15人のツワモノが参集しました 「せいとう」というのは青島(チンタオ)のことだというのが正答だそうです 国産牛の料理が自慢の店だけあって、出される料理がどれも美味しく、さすがはM地所が管理するビルのお店だ、肉いほどステーキだ!と感心しました

5人でひとつのグループとして料理がサービスされましたが、私は今回の幹事社M地所PM社の常務執行役員Mさん、有楽町営業管理部担当部長Kさん、同管理部副主査KさんとM物産不動産PMの支店長代理Tさんのグループに入れていただきました。「ここからこっちがうさぎさんチームの料理ね。たぬきさんチームのよい子はあっちのを食べてね」というように分かれて食事を取りました 皆さんのお陰で各ビルが抱える問題点や、ウサギを始めとするペットの飼い方につき情報を共有することができ有意義なひと時を過ごすことが出来ました ダジャレを飛ばして「ダジャレを言ってるのはダレジャ?」とヒンシュクを買っている者が約1名いましたが、牛肉は買っていませんでした あっと言う間に予定の2時間が過ぎ解散となりましたが、やはり、近隣ビル同士の情報交換は大切だ、ということを再認識しました。幹事社のMさんと二人のKさん、大変お世話になりありがとうございました 今度「M地所を見に行こう」と思います ご参加の皆さま、お疲れ様でした

 

  も一度、閑話休題  

 

三上延著「ビブリア古書堂の事件手帖〈6〉」(メディアワークス文庫)を読み終わりました 著者の三上延はこの「ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ」でブレイクした人です

 

          

 

太宰治の「晩年」を奪うため、ビブリア古書堂の美人店主・篠川栞子を階段から突き落として大けがを負わせた田中敏雄が再び、彼女と店員・五浦大輔の前に現われる 今度は別の「晩年」を探してほしいという依頼を持ち込む。署名でなく太宰本人と分かる別の書き込みがある珍しい「晩年」だという 紆余曲折があってその本を目の前にした二人は驚愕する。太宰が自分で読むために書かれたと思われる「自家用」の真ん中の部分が、元々違う文字が書かれていたのに消されて「自家用」となっていたのだ 真ん中の文字とは何か? そして、この本を巡るやり取りの中で、田中敏雄と五浦大輔の祖父母が一連の事件に関わっていたことが分かる

いつも通り、思わぬどんでん返しが待ち受けています 著者は、このシリーズがあと1回か2回で完結すると書いています。多分、篠川栞子と五浦大輔との恋の行方に決着が着き、さらに篠川母子の関係にも何らかの結末が待っているのでしょう。ミステリーの本筋とともに楽しみにしたいと思います

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日聴いたCDは、今年生誕150年を迎えたシベリウスの「交響曲第5番・7番」です ジョン・バルビローリ指揮ハレ管弦楽団による演奏ですが、とくに第5番の最終楽章のフィナーレ、6つの和音が心の底にズン・ズンと響きます。名曲名演奏です

 

          

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カール=ハインツ・シュッツ「フルート・リサイタル」を聴く~ブラームスのフルート・ソナタ?

2015年02月05日 07時04分49秒 | 日記

5日(木)。わが家に来てから131日目を迎え、ローリング・ストーンズでノッテるモコタロです 

 

          

                           ペイント イット ブラック! 懐かしか~

           

  閑話休題  

 

昨日の日経・夕刊文化欄に山田和樹「マーラー・ツィクルス第1回」公演が取り上げられていました 山田和樹は3年がかりで日本フィルとマーラーの交響曲を番号順に9曲演奏しますが、すべて武満徹の作品と組み合わせとなっています 1回目は1月24日に渋谷のオーチャードホールで武満徹の「オリオンとプレアデス」とマーラーの「交響曲第1番」が演奏されました。音楽評論家・山浩太郎氏はこの日の演奏について次のように書いています

「(武満の曲は)演奏の抑制が効きすぎて、自然な流れを欠いたように感じた。(マーラーの第1番については)山田は若さにまかせてしまうタイプの音楽家ではないので、ていねいに細やかに、マーラーの青春の音楽を紡ぎ出していった」

私はこのコンサートを聴いていないので何とも言えませんが、もし聴いていたらどんな感想を持っただろうか?昨年、山田+日本フィルの「マーラー・ツィクルス」のチラシを見て、「聴くべきか、聴かざるべきか、それが問題だ」と悩みましたが、どうも食指が動かないのです 大きな理由は彼がまだ若すぎるからではないか、と思います 一言で言えば「あなた、マーラーやるの10年、いや20年早いよ」といった感覚です。極めて個人的な考えですが、マーラーやブルックナーはせめて50歳以上になってから指揮してほしいのです なぜそう思うのかと言えば、マーラーの音楽は人生の縮図であると同時に宇宙を語っているから、ブルックナーの音楽は究極の宗教に達しているからです それだけに、ある程度の人生経験を積んだ人でないと表現できない領域があるように思うからです。もちろん、これには「実力さえあれば、指揮者に年齢は関係ないだろう」という議論は当然あるでしょう。しかし、私にとって理屈ではないのです

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、大手町の日経ホールでカール=ハインツ・シュッツの「フルート・リサイタル」を聴きました これは「日経ミューズサロン」の一環として開かれたものです。プログラムは①ハイドン「フルート・ソナタ」、②ブラームス「フルート・ソナタ第2番」、③プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」、④ブラームス「フルート・ソナタ第1番」。ピアノ伴奏は東京藝大大学院、ウィーン国立音楽大学大学院修了の村田千佳です

 

          

 

シュッツはオーストリアのインスブルック生まれ。シュトゥットガルト・フィル、ウィーン交響楽団の首席フルートを歴任し、2012年からウィーン国立歌劇場管弦楽団とウィーン・フィルの首席ソロ・フルート奏者を務めています

自席はF20番、センターブロック右通路側です。会場は9割方埋まっている感じでしょうか ミューズサロンでウィーンの演奏家が出演するとこういう状態になります

シュッツと黒のシックなステージ衣装の村田千佳が登場します 最初のハイドンの「フルート・ソナタ ハ長調」は弦楽四重奏曲作品74-1を、ライプツィヒでフルート奏者として活躍していたミュラーがフルートのために編曲したものです。編曲にあたりメヌエット楽章を省き3楽章にしています

技巧的にはそれほど複雑とは思えない曲想ですが、それだけに”聴かせる”のは難しいかも知れません しかし、さすがはウィーン・フィルの首席です。黄金のフルートで明るく軽やかにハイドンを演奏します

2曲目はブラームスの「クラリネット・ソナタ第2番」をフルート用に編曲した版による「フルート・ソナタ」です ブラームスはこの曲を自らヴィオラのために編曲しましたが、フルートには編曲していません フルートは音色が明るすぎる、とか、それなりの理由があったのだと思います しかし、実際にシュッツの演奏で聴いてみると何の違和感もありません それは彼が揺るぎない自信を持って演奏しているからだと思います

休憩を挟んで、3曲目はプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」組曲です。この日のプログラムはハイドン、ブラームスというドイツ・オーストリア系の音楽が並びます ここで趣向を変えてロシアのプロコフィエフを持ってきたわけですが、プロコフィエフなら名曲「フルート・ソナタ」を選んでも良かったはず しかし、シュッツは目先を変えてバレエ組曲を持ってきてプログラムに多様性を持たせました それは見事に花咲きました。プロコフィエフは全52曲から3種類の組曲を作っていますが、シュッツは全曲の中から10曲ほど選んで演奏しました

速いパッセージの曲では、技巧を凝らしてたたみかける様に演奏し、遅いパッセージでは語りかけるように演奏します この曲は元々フルートで演奏するように作曲されたのではないか、と思われるほどしっくりときます 伴奏の村田千佳はしっかりとシュッツをサポートしていました

最後の曲はブラームスの「クラリネット・ソナタ第1番」をフルート用に編曲した版による「フルート・ソナタ」です クラリネットで聴くこの曲は、クラリネット特有のくぐもった音色を生かした名曲です これをシュッツによりフルートの演奏で聴くと、第2番と同様、違和感を感じません もちろんクラリネットで聴く方がしっくりきますが、フルートも良い演奏で聴くとなかなか説得力があります

会場一杯の拍手に、サン=サーンスの歌劇「アスカニオ」から「アダージョと変奏」を、次いでシューベルトの歌曲集「冬の旅」から「菩提樹」を演奏しクール・ダウンを図りました

 

          

 

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日本モーツアルト協会創立60周年記念演奏会について思う~なぜ軽井沢で公演か?

2015年02月04日 07時01分15秒 | 日記

4日(水)。わが家に来てから130日目を迎え、マガジン・ラックで暮らすモコタロです。

 

          

           久しぶりにマガジン・ラックに入ってみたよ グッド・ラック! 

 

  閑話休題  

 

昨日、会社帰りに新宿ピカデリーに寄って、7日(土)から始まるMETライブ、ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」のチケットを買おうと、窓口で8日(日)の午前10時からのチケットを注文したら、「まだ発売していません。明日からです」と言われました 確か新宿ピカデリーでは昨年まで上映初日(土曜日)の4日前(火曜日)が前売り開始日だったはずですが、どうも1日繰り下がったようです 仕方ないので今日以降7日までの間にもう一度、新宿ピカデリーに行かなければなりません 今日はコンサートがあるし、明日と明後日はタイミングが大幅に遅れた新年会があるし・・・いったいいつ行ったら良いのやら

ところで、新宿ピカデリーに行く途中、伊勢丹の脇を通りますが、館内から「グリーンスリーブス」のメロディーが流れてきました この曲には思い出があります。今からン十年前の独身時代のことですが、当時毎週木曜日の夕方、会社帰りに神保町にあった下倉楽器で開かれていた「ヤマハ・フルート教室」に通っていました 1年経ったところでクラス別の発表会があり、私たちのクラスは「グリーンスリーブス」を演奏することになりました 6人のメンバーなので、2名ずつメロディーパート、第1伴奏、第2伴奏に分かれて演奏した訳ですが、発表会当日、私とともにメロディーパートを吹くはずの女子が風邪で来られなくなってしまったのです したがって、私は一人でメロディーを吹くという暴挙に及んだわけですが、吹きながらハラハラドキドキの連続でした 後で自分たちの演奏をテープで聴かせてもらいましたが、とても人様に聴かせられるような代物ではありませんでした 当然、私のフルート人生は1年間をもって終わりを告げました。今となっては懐かしい思い出です

 

  も一度、閑話休題  

 

日本モーツアルト協会創立60周年記念コンサートが開かれます 最近のコンサートの時、やっとカラー・チラシが手に入りました 3月7日と8日に開かれる「交響曲全曲演奏会」のうち、私は8日の午前11時からと午後3時からの公演のチケットを購入したことは先日のプログで書いた通りです

 

          

 

さて、チラシの裏を見て初めてモーツアルトの「ピアノ・ソナタ全曲演奏会」も開かれることを知りました 7月4日と5日の2日間で4公演(各11時からと16時から)、演奏者は横山幸雄と仲道郁代です びっくりしたのは場所が何と軽井沢大賀ホールとなっていることです

 

          

 

交響曲は東京の会場でやるのに、なぜピアノ・ソナタは軽井沢でやるのか?頭が悪いなりに考えてみました

このチラシでは「新規会員募集中」の文字が踊っています。聞くところによれば日本モーツアルト協会は、入会するとケッヘル番号のどれかが振られるとのこと。周知のとおり、ケッヘル番号とは後のモーツアルト研究家・ケッヘルがモーツアルトの作品を作曲年代順に並べて番号を振ったものです 最後の作品番号はK.626の「レクイエム」です。つまり同協会の会員はK.1からK.626までの626人居るはずで、現在会員募集中ということは、素直に考えれば欠番があるということです 言い換えれば現在会員は626人もいないということです

ホームページによると、軽井沢大賀ホールの収容人数は約750人です。だれがコンサート会場を決めているのか知りませんが、頭の良い会員がこう考えたのでしょう

「いつも東京文化会館では変わり映えしない。創立60周年の年なのだからたまには遠出して楽しみたい 会員を中心に考えれば600人+アルファは収容できる会場が良い。しかし、ピアノ・ソナタなので大ホールよりもこじんまりしたホールの方が望ましい。初夏という季節を考えれば軽井沢大賀ホールは人数的にもちょうど良いのではないか ついでに万平ホテルに泊まっちゃおうか

どうでしょう?勘繰り過ぎでしょうか

チケット代は全指定席で@5,000円。2日間の全4公演を聴くと20,000円です。さらに4日夜には軽井沢万平ホテルでソリスト2人と三枝成彰理事長を迎えての「モーツアルトを語る夜学」(食事つき。15,000円)があるとのこと

どうですか、あなた行きますか?日帰りで。泊まると高くつきますよ もし、モーツアルトの「ピアノ・ソナタ全曲演奏会」を都内で開いたら、間違いなく聴きに行きますが、「軽井沢」と聞くと二の足を踏みます 交通の手配、宿泊の手配・・・・それら諸々を考えたら行く気が失せます クラシック音楽好きな人の中でもモーツアルト好きはとりわけ人口が多いのではないか、「会員募集中」であればなおさらより多くの人にコンサートに来てもらう方向で考えるべきではないか、それには都内で開いた方が多くの聴衆が集まるのではないか、と思うのですが、モーツアルト協会の人はどうお考えなのでしょうか

 

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橋本武著「解説 百人一首」を読む~たまには古典に親しもう!

2015年02月03日 07時01分17秒 | 日記

3日(火)。わが家に来てから129日目を迎え、常に下を向いて歩いているモコタロです 

 

          

           上を向いて歩こう いや 食べ物は下に・・・ 下を向いて歩こう

 

  閑話休題   

 

昨日の夕刊各紙はピアニスト、アルド・チッコリー二氏の死去を伝えていました 1日、パリ郊外の自宅で89歳の生涯を閉じたとのことです。イタリア生まれですが、パリに移住し活躍していました 数年前、すみだトりフォニーホールで新日本フィルとシューマンのピアノ協奏曲を演奏した時に聴きに行きました 当時すでに80歳を超えていましたが、かくしゃくたる演奏で、指がもつれることもなく、最後までシューマンのロマンティシズムを奏でていました 昨年だったと思いますが、チッコリー二の演奏する「ワルツ集」のCDが発売になったというニュースがあったので、新宿タワーレコードに行ったら、すでに売切れでした それから今だに捜し歩いています。あらためてチッコリー二氏のご冥福をお祈りいたします

 

  も一度、閑話休題  

 

1月31日(日)の朝日朝刊・別冊「be」がコンサートホールの音響設計家・豊田泰久氏を取り上げていました 豊田氏は1986年に完成したサントリーホールの音響設計の主担当者を30代前半で務めた人です ラトル、ヤンソンス、バレンボイム、メータら現代の巨匠たちから新ホール造りや音響改修を頼まれ、とくに指揮者のゲルギエフやピアニストのツィメルマンからの信頼が厚いといいます

興味深いのは「21世紀の音響や音楽ホールはどうなっていくでしょう?」という質問に対する答えです

「今は、レコードの時代からCD、さらに高音質なハイレゾ音源の時代に向かう過渡期です 極端なことを言えば、もう、音響がどうこうではなくて、コンサートホールなんていらないという議論もありうる でも、たぶんそうはならないと思います。希望、願望を含めると、演奏家と観客が時間を共有する芸術というのは余計、必要になってくるんじゃないか。すばらしいパフォーミングアーツ(生演奏)はむしろ、なくならないんじゃないかと思います

私もまったく同感です。かつて私は家でLPレコードやCDを聴くのを習慣としていました。コンサートは年に数回しか行きませんでした LPやCDは「物」であり、いつまでも残るので繰り返し聴くことが出来ます。その結果がLP=2000枚(現在1500枚)、CD=4000枚という財産です

その点、コンサートは1発勝負 その場限りで音は消えていきます。しかし、”一期一会”という言葉があります。生演奏でなければ得られない感動があります そのことに気が付いてから、コンサート中心主義に転換しました。コンサートは何が起こるか分からない。だから面白い。わざわざコンサートを聴きに行くことに意味があるのです これは映画でも同じで、私の場合「映画を観る」というのは映画館に行って観ることを意味します。同じ映画でも家でDVDを見るのは映画を観たことになりません。わざわざ映画館に出かけて観るのが私の流儀です

 

  さらに、閑話休題  

 

橋本武著「解説 百人一首」(ちくま学芸文庫)を読み終わりました 著者の橋本武氏は名門・灘校の名物教師として有名です。「銀の匙」1冊を中学3年間をかけて読むというスローリーディングの先駆といえる試みを成し遂げた人です 先日、このブログでも同氏の「解説 徒然草」をご紹介したばかりです

 

          

 

灘中(今の灘校)で1年間、橋本先生に習ったという遠藤周作氏が「序」を書いています。「色黒く、大きな眼鏡をかけておられて、ワルさをすると、挙でコツンと叩かれる。そのコツンが、非常に痛かったのである」と。相当怖かったのでしょうね

お正月のカルタでお馴染みの「百人一首」をまとめて読んだのは今回が初めてです あらためて100首の歌に触れてみると、知っている歌が極端に少なく、知らない歌ばかりであることに気が付きました しかも、知っていると言っても、意味を正確に理解しているとは限らないのです

中学生や高校生の時に出会い、今でも覚えているのは次のような歌です

春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の家具山 (持統天皇)

花の色は うつりにけりな いたづらに わが身よにふる ながめせしまに (小野小町)

これやこの 行くも帰るも わかれては 知るも知らぬも あふ坂の関 (蝉丸)

ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花のちるらむ (紀友則)

しのぶれど 色にでにけり わが恋は 物や思ふと 人のとふまで (平兼盛)

いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな (伊勢大輔)


橋本氏の歌の紹介の仕方は、まず歌を掲げ、次に「歌意」(歌の意味)を、そして「解説」を加えています 普通の解説本ならばそれで終わりでしょうが、橋本氏の場合は、次に「余禄」があって、その歌が詠まれた背景や他の人の歌の引用があったりして、その歌をより深く理解できるように工夫が施されています

こういう”難い”本の読み方のコツは、とにかく分からない所があっても読み飛ばして、最後までひと通り目を通すことです 意味が分からないと言って途中で引っかかっていると嫌気がさしてきて途中で”試合放棄”になってしまうからです

たまには「古典」も良いものです。古典に触れて学生時代に戻ってみてはいかがでしょう

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日聴いたCDはハイドンの「弦楽四重奏曲作品64-5”ひばり”」です。演奏は大好きなイタリア弦楽四重奏団です これは前日、クァルテット・エクセルシオのコンサートで第2楽章「アダージョ」がアンコールとして演奏されたので、その復習です。名曲です

 

          

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クアルテット・エクセルシオの「弦楽四重奏の旅」を聴く~ハイドン、モーツアルト、シューベルト

2015年02月02日 07時01分13秒 | 日記

2日(月)。わが家に来てから128日目を迎え、箱入り息子を気取るモコタロです 

 

          

              箱に入ったと思ったら 反対側から出ちゃったよ

 

  閑話休題  

 

昨日、津田ホールでクアルテット・エクセルシオのコンサートを聴きました プログラムは①ハイドン「弦楽四重奏曲第77番ハ長調”皇帝”」、②モーツアルト「同第19番ハ長調K.465”不協和音”」、③シューベルト「同第14番ニ短調”死と乙女”」です

 

          

 

午後2時からの開演ということで、ちょっと早めの1時20分頃会場に着くと、すでに十数メートルの列が出来ていました 何で並んでいるんだろうと思ってあらためてチケットを見ると「自由席」となっていました。早く並んだのが幸いしてG7、前から7列目のセンターブロック左通路側席が押さえられました 会場は8割方埋まっている感じです。日本の弦楽四重奏団でこれだけの聴衆を集めることが出来るのはエクセルシオだけでしょう

エクセルシオのメンバーが黒と白を基調とする衣装で登場します 1曲目はハイドンの弦楽四重奏曲第77番「皇帝」です。第2楽章はオーストリア国家として知られる有名なメロディーです ハイドンはエステルハージ公爵家に30年近く仕えた訳ですが、その間に「弦楽四重奏曲」というジャンルを確立したのですね。もちろん、交響曲というジャンルも彼が確立しました

クァルテット・エクセルシオは第1ヴァイオリン=西野ゆか、第2ヴァイオリン=山田百子、ヴィオラ=吉田有紀子、チェロ=大友肇の4人のメンバーから成ります。今年が結成20周年を迎えます

 

          

 

西野ゆかを中心に演奏を展開する訳ですが、いつ聴いても素晴らしいアンサンブルです 隣の吉田有紀子が西野ゆかに寄り添うように演奏しているのが印象的です

2曲目のモーツアルト「弦楽四重奏曲第19番ハ長調K.465」は”不協和音”という愛称が付いています。これは第1楽章冒頭のアダージョが不安定な曲想であることから付けられたものです 当時の作曲理論から見て”常識はずれ”の和声法を使って聴く者を挑発しています。しかし、アレグロに移ると、まるで深い霧が晴れわたるような明るい世界が切り開かれます エクの演奏はこの切り替えが見事です。この曲を聴きながら、生きてモーツアルトの弦楽四重奏曲を聴ける幸せを感じていました。素晴らしい演奏でした

最後はシューベルトの弦楽四重奏曲第14番ニ短調「死と乙女」です。この曲はシューベルトが27歳になった翌1824年に作曲しました 第1楽章冒頭の激しいテーマは歌曲「死と乙女」の動機から取られたものですが、まさに死神との対話を聞いているようです エクは究極の集中力でシューベルトの世界に切り込みます。第2楽章では大友の素晴らしい独奏が聴かれます

この日のコンサートはハイドン、モーツアルト、シューベルトの代表的な曲を取り上げた「名曲コンサート」でしたが、3曲とも素晴らしい演奏で、この3月で閉館する、エクにとっても思い出深い「津田ホール」に別れを告げるコンサートとして相応しい公演でした

 

          

 

 

ところで、この日配られたプログラムが充実しています 結成20周年記念コンサートシリーズ共通のプログラムということで、東京、札幌、京都の各公演の演奏曲目の解説のほか、エクセルシオの20年の歩みも収録されています そう言えば、いま都響の第2ヴァイオリン首席を弾いているエンカナ(遠藤香奈子)さんは、山田百子さんの前のメンバーだったんだよな、とあらためて思い出しました

プログラムの中で一つだけ気になることがあります。「20周年へのメッセージ」と題してチェリストでサントリーホール館長の堤剛氏があいさつ文を書いていますが、その中に「クァルテット・エクセルシオは我が国唯一の常設弦楽四重奏団です」という記述があります

これは果たして正しい表現なのか?古典四重奏団も常設の弦楽四重奏団のはず もちろん、古典四重奏団の場合は、ヴァイオリンの川原千真とチェロの田崎瑞穂が「音楽三昧」のメンバーを、花崎淳生が「エルディーティ弦楽四重奏団」のメンバーを兼務しているので、純粋に1つのグループに所属する4人の集まりということで言えば、クァルテット・エクセルシオだけが常設の弦楽四重奏団と言えるでしょう そうしたことを踏まえても、堤氏のように断言するのはどうでしょうか

堤剛氏は言わずと知れた桐朋学園の出身で桐朋学園大学の学長も務めた人。そしてクァルテット・エクセルシオのメンバーも全員桐朋学園大学出身者。一方、古典四重奏団は全員が東京藝術大学出身者。堤氏が同じ出身大学の後輩たちを贔屓目に見るのは無理ないことでしょうか?考えすぎかも知れませんが、クラシックの世界はどうも桐朋学園卒対東京藝大卒の構図があるのではないか、と思ってしまいます もちろん他の音楽大学も無視するものではありませんが。私はクァルテット・エクセルシオも古典四重奏団も大好きです。したがってどちらかに組するつもりはありません。素晴らしい演奏をしてくれればそれで良いのですから

 

  閑話休題  

 

エクセルシオのチェリスト・大友肇氏が齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞したことを記念してコンサートが開かれます 「東京・春・音楽祭」の一環として4月1日(水)午後7時から上野学園石橋メモリアルホールで開かれます プログラムは①ベートーヴェン「ヘンデル”ユダ・マカベウス”の主題による12の変奏曲」、②バッハ「無伴奏チェロ組曲第1番」、③ラフマニノフ「チェロ・ソナタ ト短調」、④シューベルト「弦楽四重奏曲第14番”死と乙女”」です。もちろんエクセルシオのメンバーも出演します

入場料金はS席=3,600円、A席=2,600円、U25=1,500円です。私は当日、新日本フィルの室内楽シリーズを聴きに行く予定があるので残念ながら行けません 超お薦め公演です。是非お出かけください

 

           

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沼尻竜典+パヴェル・シュポルツル+読売日響でドヴォルザーク「ヴァイオリン協奏曲」を聴く

2015年02月01日 09時10分31秒 | 日記

2月1日(日)。油断していた訳ではないのに2月になってしまいました わが家に来てから127日目を迎えたモコタロです 

 

          

          う~ん この竹 固くて食べにくいな~ 竹の子なら良かったのに

 

  閑話休題  

 

昨日、池袋の東京芸術劇場で読売日本交響楽団のコンサートを聴きました これは「都民芸術フェスティバル2015」の一環として開かれたもので、プログラムは①スメタナ「交響詩”モルダウ”」、②ドヴォルザーク「ヴァイオリン協奏曲イ短調」、③同「交響曲第8番ト長調」です。指揮は沼尻竜典、②のヴァイオリン独奏はパヴェル・シュポルツルです

 

          

 

自席は3階D-61番、右ブロック右から一つ入った席です。さすがに3階席は舞台が遠いです。会場は9割方入っている感じです

コンマスは小森谷巧が務めますが、隣には同じコンマスの長原幸太も控えます。オケはいつもの通り左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスというオーソドックスな態勢をとります 拍手に迎えられ指揮者・沼尻竜典が登場します

1曲目のスメタナ「モルダウ」は、6曲から成る連作交響詩「我が祖国」の第2曲目に当たります スメタナはこの曲について次のように解説しています

「2つの水源があり、ひとつ(フルートと弦のピッツィカート)は冷たく、もう一つ(クラリネットが加わる)は暖かい それが1本に合流し、森や牧場、婚礼が開かれている田舎などを流れる様子を描写している やがてモルダウはプラハ、ヴィシェフラトを通り過ぎながら彼方へと去って行く」

オケはスメタナの解説のとおり1本の川の物語を奏でていきます 自然を描写した音楽の極致と言っても良いでしょう

第1ヴァイオリンの位置が後ろにずらされ、指揮台の左サイドにヴァイオリン独奏者のスペースが確保されます。ソリストのパヴェル・シュポルツルが沼尻とともに登場します 読響の常任指揮者・カンブルランのように髪を後ろで束ね精悍な顔をした彼の第一印象は、”技巧派タイプの実力者”です プラハ音楽院で学び、アメリカに渡ってイツァーク・パールマンやドロシー・ディレイらに師事したという経歴の持ち主なので相当な実力者であることが予見されます

沼尻のタクトによりドヴォルザークの「ヴァイオリン協奏曲イ短調」が開始されます。その堂々たる冒頭部から感じるのは、まるでブラームスのコンチェルトのようだ、ということです シュポルツルは青色のヴァイオリン(2005年製ヤン・シュピードレン)を駆使し力強い音楽を展開します まるでブラームスのよう、というのは第2楽章の抒情的な曲想でも同様です。しかし、第3楽章ロンド・フィナーレになると、間違いなくドヴォルザーク特有の民族舞曲を生かした曲想になります シュポルツルは軽快に美しい音楽を奏でていきます

シュポルツルの素晴らしい演奏が可能だったのは、間違いなく沼尻竜典+読響の確実なサポートがあったからです いま中堅の指揮者の中でも沼尻の活躍は目覚ましいものがあります

鳴り止まない拍手に、シュポルツルは流暢な日本語で「ありがとうございました」と言って拍手を受け、英語で「このホールは素晴らしいです」と言って、アンコールにパガニーニの超絶技巧曲「カプリース第5番」をスポーツカー並みの速さで弾き切りました。第一印象は当たったようです

 

          

 

休憩時間の後は、ドヴォルザークの「交響曲第8番ト長調」です。この曲は「イギリス」というニックネームが付いていますが、いつもは楽譜をジムロック社から出版していたのを、この曲についてはイギリスのノヴェロ社から出版したことからこの愛称が付いているに過ぎません

この曲は第9番「新世界より」の人気の陰であまり目立ちませんが、私はこの8番の方が好きです 特に第1楽章冒頭のエレジーのような曲想、第3楽章の哀愁が忘れがたい音楽ですが、どの楽章も魅力に満ちています

読響の面々は沼尻竜典と信頼関係が確立している様子が窺えます 管楽奏者も弦楽奏者も打楽器奏者も、沼尻の期待に応え渾身の演奏を展開しました

アンコールにドヴォルザークの「スラブ舞曲集」から作品72の第2番を演奏しました これも哀愁に満ちた名曲です

 

  閑話休題  

 

昨日聴いたCDは前日に続いてウィーン・コンツェルトハウス四重奏団によるシューベルト「弦楽四重奏曲第14番”死と乙女”」です 今日の午後、クァルテット・エクセルシオのコンサートで聴くので、予習です

 

          

 

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