人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

バッハ・コレギウム・ジャパンでJ.S.バッハ:カンタータ第100番「神 なし給うは恵みの業なり」他を聴く / METライブビューイング,チャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」の指定を取る

2017年05月21日 08時01分17秒 | 日記

21日(日).わが家に来てから今日で963日目を迎え,22日で開業から5年を迎える東京スカイツリーが約2700万人訪れたというニュースを見て感想を述べるたモコタロです

 

       

          ご主人はスカイツリーの高さを入社試験の問題に出したって  答えはムサシ(634m)

 

                      

 

昨日,新宿ピカデリーで,METライブビューイング,チャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」の座席指定を取りました いつものように左サイド後方席です 主役のオネーギンをディミトリ・ホヴォロストフスキーが,ヒロインのタチヤーナをアンナ・ネトレプコが歌います この二人は最強のコンビです

 

       

 

                     

 

昨日午後3時から初台でバッハ・コレギウム・ジャパンの第123回定期演奏会を,午後6時からミューザ川崎で東京交響楽団の第650回定期演奏会をハシゴしました 今日はバッハ・コレギウム・ジャパンのコンサートについて書きます

プログラムは最初にオルガン独奏で①J.S.バッハ「ライプツィヒ・コラール集」より「来ませ,聖霊,主なる神」BWV651,②同「シュープラー・コラール集」より「目覚めよと我らに呼ばわる声は」BWV645,③同「ライプツィヒ・コラール集」より「装いせよ,おお愛する魂よ」BWV654が演奏され,次にオーケストラで④パッヘルベル:カンタータ「 神  なし給うは恵みの業なり」,⑤J.S.バッハ:カンタータ「神  なし給うは恵みの業なり」BWV100,⑥同:カンタータ「装いせよ,おお愛する魂よ」BWV180,⑦同:カンタータ「目覚めよと,我らに呼ばわる声は」BWV140が演奏されます

私はミューザ川崎でのコンサートに間に合わせるため前半(①から⑤まで)だけ聴きました

出演は,ソプラノ=ジョアン・ラン,カウンターテナー=青木洋也,テノール=櫻田亮,バス=シュテファン・フォック,オルガン独奏=鈴木優人,指揮=鈴木雅明です

 

       

 

最初に鈴木優人のオルガン独奏で①J.S.バッハ「ライプツィヒ・コラール集」より「来ませ,聖霊,主なる神」BWV651,②同「シュープラー・コラール集」より「目覚めよと我らに呼ばわる声は」BWV645,③同「ライプツィヒ・コラール集」より「装いせよ,おお愛する魂よ」BWV654の3曲が演奏されました このうち私が知っているのは②の「目覚めよと我らに呼ばわる声は」だけです 2階正面に据え付けられた神々しいパイプオルガンから降ってくる音の洪水に耳を傾けていると,いつもながら「にわかクリスチャン」になります

拍手の中,コンマスの寺神戸亮をはじめバッハ・コレギウム・ジャパンの精鋭8人が登場し配置に着きます 管楽器はファゴットのみで,コーラスはありません.4人の独唱者,次いで指揮の鈴木雅明が登場し,パッヘルベルのカンタータ「 神  なし給うは恵みの業なり」の演奏に入ります パッヘルベルというと,音楽知識の浅い私は「カノン」しか思い浮かべることが出来ません パッヘルベルのカンタータは初めて聴きましたが,どうも歌手陣は歌いにくそうです.声楽を伴う宗教曲はバッハにはとても敵わないということでしょうか

次にバッハのカンタータ「神  なし給うは恵みの業なり」BWV100の演奏に入ります オケの編成が拡大し合唱団も入ります 向かって右手にオーボエの三宮正満とフラウトトラヴェルソの女性がスタンバイしますが,いつもの前田りり子でも 菅きよみでもない小柄な女性です.初めて見る人のような気がしますが,あるいは前回の「マタイ受難曲」の第Ⅱ群で吹いていた人でしょうか 最近1,100円もするプログラムを買わないので分かりません

また,左手にホルン2人がスタンバイしますが,一人はN響首席の福川伸陽です B.C.Jデビューでしょうか? よく見ると,2人が持っているホルンはバルブが無いナチュラルホルンです

まず,曲の冒頭でホルンと,フラウトトラヴェルソの女性と,オーボエの三宮正満が冴えた演奏を展開します さらにフラウトトラヴェルソの女性はソプラノのジョアン・ランの伴奏者として素晴らしい演奏を展開しました  また,オーボエの三宮正満はカウンターテナーの青木洋也の伴奏者として完璧な演奏を披露しました

歌手陣では,カウンターテナーの青木洋也が歌うたびに実力を付けているように思いました テノールの櫻田亮はいつも通り安定しています ソプラノのジョアン・ランは最初のうちは不調かと思っていましたが,いつも通りのノンビブラートの美声を聴かせてくれました

 

       

 

プログラムの前半が終わったのは4時3分です.それから20分の休憩があり,2つのカンタータを演奏したら さらに40~45分はかかるでしょう 初台から川崎までは1時間弱かかるので,最後まで聴いていたら川崎着が6時過ぎになり間違いなく大幅遅刻です

私はコンサートを聴くにあたり「30分前までに会場に到着し,ロビーでプログラムを読み,5分前に自席に着席する」のを原則としています 開演時間ギリギリに会場に飛び込んで,汗びっしょりで1曲目を聴くといった余裕のない聴き方は,事故でもない限り極力しないようにしています なお,5分前に着席するというのは,私の場合 通路側席が多いので,奥の席の人が着席してから最後に席に着きたいという理由です 奥の席に入るのに「前を失礼します」の一言も言わずズカズカと足を入れてくる輩が老若男女問わず多くいるので,コンサートを聴く前から不愉快な気持ちになりたくないからです なお,通路側席が取れない場合は,10分前に着席するようにしています.通路側席の人に迷惑をかけたくないからです

さて,4時3分に前半が終わった後,さっそくヤフーの「乗換案内」で検索し,川崎までの交通手段を調べました その結果,新宿ー品川経由で京浜東北線を利用して川崎まで行くのが最短時間であることが分かりました その情報を利用してJR川崎駅に着いたのは4時55分でした.東京交響楽団のコンサートまで1時間強あります 余裕で夕食をとりました.この続きは明日のブログでご紹介します

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フェドセーエフ+N響でチャイコフスキー「交響曲第4番」,ボロディン「交響曲第2番」他を聴く~N響第1859回定期演奏会

2017年05月20日 08時07分28秒 | 日記

20日(土).昨日の朝日の看板コラム「天声人語」は次のような書き出しで始まります

「大統領は,捜査当局のやり方に我慢がならなかったようだ.『裏づけのない容疑の情報を使って,私の個人的な友人たちとスタッフを脅かし,おびえさせている』『私を破滅させようとしている』」

ここまで読んで,誰もが「ああ トランプ米大統領のことか」と思うところですが,コラムは次のように続けます

「米大統領だったニクソンの回顧録にある.1972年,民主党本部に盗聴器を仕掛けようとして,ニクソン陣営の関係者が逮捕されたウォーターゲート事件である」

あの時,ニクソン大統領は捜査が自分の周辺に迫ると,捜査の責任者を解任したのですが,それが裏目に出て世論の反発を受けて辞任に追い込まれたのです

今回のトランプ大統領のコミ―FBI長官解任劇は45年前の状況に非常によく似ています 今回はロシアがらみの事件であることから「ロシアゲート事件」と呼ばれています

「天声人語」は次のように結んでいます

「イスラム教徒を狙い撃ちするかのような入国規制は,司法に止められた.オバマケアの廃止は,議会とぶつかる.大統領の独走を許さない仕組みが機能している トランプの周辺への捜査も続けられる.トップの『ご意向』がまかり通ったり,部下たちが『忖度』したり.少なくともそんな風景は見られない

もちろん ここで言う「忖度」とは, 「森友学園事件」や 新たに加わった「加計学園事件」における官僚たちの行動を指しているわけですが,日米の違いを対照させた「天声人語」は久々のヒットだったのではないか,と思います

と思って教育面を見ると,「おやじのせなか」のコーナーに,昨年 週刊文春のスクープで 悪名の方で「時の人」となったベッキーのインタビュー記事が載っていました  これを見て「どうして こう芸能人には甘いんだろう やっぱり,朝日はダメだな」と思いました 5年くらい放っときゃいいんです

ということで,わが家に来てから今日で962日目を迎え,トランプ米大統領がホワイトハウスで記者会見し,昨年の大統領選に対するロシア介入疑惑を捜査する特別検察官が任命されたことについて,『魔女狩りだ.国を分断する』と反発した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

        「国を分断する」というのはイスラム教徒を入国規制する大統領令のことなのでは?

 

                       

 

昨日,夕食に「サバの塩焼き」「生野菜とサーモンのサラダ」「トマト,玉ねぎ,タケノコ,ウインナの中華スープ」「冷奴」を作りました サバは特大のやつだったので焼き時間が微妙に難しかったです

 

       

 

                       

 

昨夕,NHKホールでNHK交響楽団第1861回定期演奏会を聴きました プログラムは①グリンカ:幻想曲「カマリンスカヤ」,②ボロディン「交響曲第2番ロ短調」,③チャイコフスキー「交響曲第4番ヘ短調」です 指揮はウラディ―ミル・フェドセーエフです

 

       

 

指揮者のフェドセーエフは1932年 レニングラード(現サンクトペテルブルク)生まれ,今年85歳を迎えるロシアの巨匠です 1974年にモスクワ放送交響楽団(現チャイコフスキー交響楽団)の芸術監督・首席指揮者に就任し,以来40年以上の信頼関係を築いています

オケのメンバーが入場し 配置に着きます.弦は左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスという編成を採ります.コンマスはマロこと篠崎史紀です 相変わらず,コンマスが登場しても聴衆は拍手をしません.どうやらN響コンサートの伝統のようです 指揮者フェドセーエフはタクトを持ちません.両手で音楽を紡ぎ出す方法を取るようです

ロシア・プログラムの1曲目はグリンカの幻想曲「カマリンスカヤ」です グリンカと言うと 単純な私は,いかに速く演奏できるかを競う歌劇「ルスランとルドミューラ」序曲を思い出します.逆に言うとそれしか思い浮かびません 「カマリンスカヤ」の当初のタイトルは「婚礼歌と舞踏歌」とのことですが,フェドセーエフ+N響の演奏で聴いていると,なるほどロシアのお目出度い婚礼の踊りのようなメロディーに溢れています

2曲目はボロディンの「交響曲第2番ロ短調」です ボロディンと言えば,弦楽四重奏曲の「ノクターン」や歌劇「イーゴリ公」の「ダッタン人の踊り」を思い出します この曲は第1楽章「アレグロ」,第2楽章「スケルツォ:プレスティッシモ」,第3楽章「アンダンテ」,第4楽章「終曲:アレグロ」から成ります

この交響曲は どうやら「イーゴリ公」と同時並行して作曲が進められたようで,歌劇的な様相を帯びています この曲では,とくに第3楽章で,ハープをバックに抒情的なメロディーを奏でるホルンの演奏が印象に残りました フェドセーエフ+N響の演奏は,ボロディンは「ノクターン」と「ダッタン人の踊り」だけじゃないぞ,という意気込みを感じました

演奏が終わると,間髪を入れずに「ブラボー」がかかりました.はっきり言って「通ぶったバカ」のフライングです いかにも「おれはこの曲を知っているんだぞ」と言わんばかりのタイミングのブラボーでした  芥川也寸志氏の言葉を待つまでもなく,演奏を聴く極意は曲が終わった直後の一瞬の しじま にあるのです もしN響の会員だったら,すぐに会員を辞めて欲しいと思います

休憩後はチャイコフスキー「交響曲第4番ヘ短調」です この曲は1876年冬から約1年がかりで作曲されました.この時期 チャイコフスキーは,未亡人メック夫人から経済的な援助を受ける,アント二―ナ・ミリュコーヴァと結婚しながら20日後に別居する,という劇的な人生を送っています この曲は そうした激変する人生を反映しているかのような曲想に満ちています チャイコフスキーの「運命交響曲」と言っても良いかも知れません

この曲は4つの楽章から成ります.演奏を聴いていて一番印象に残ったのは,第1楽章冒頭の金管による「運命の動機」もさることながら,第2楽章「アンダンティーノ・イン・モード・ディ・カンツォーナ」です この楽章の中盤で,クラリネット,オーボエ,フルート,ファゴットがメランコリックなメロディーで会話するようなシーンがあるのですが,今回の演奏を聴いて「ああ,こういう曲だったんだな」と再認識しました

フェドセーエフはその第2楽章から第3楽章へ,間を空けずに演奏しました 第3楽章はスケルツォですが,冒頭から弦のピツィカートが楽章を支配します.このピツィカートが最弱音で開始されるので,聴く側は思わず耳を傾けます すると急に最強音のピツィカートが待っています.こういうところがフェドセーエフの一つの特徴かも知れません

間を空けて開始される第4楽章は,第1楽章冒頭の「運命の動機」を払拭するような喜びに満ちた「勝利の音楽」です フェドセーエフ+N響は最大限の力を発揮,圧倒的なフィナーレを飾りました

繰り返されるカーテンコールは,コンマス篠崎史紀による85歳を迎えるフェドセーエフに対する忖度によるものであることは疑いの余地がありませんでした しかし,この忖度は 会場にいた聴衆にとって極めて自然な行為に映りました

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プーランク「2台のピアノのための協奏曲」他を聴く:池内堯+宮里倫史+藝大フィルハーモニア~藝大モーニングコンサート

2017年05月19日 07時51分42秒 | 日記

19日(金).実家の妹夫婦から新茶が送られてきました 狭山茶の新茶は4~5月に摘んだ茶葉だけを通常よりも火入れ加工を抑えることによって お茶の風味を引き出しています  毎年 今頃送られてくるのですが,そのたびに「ああ新茶の季節になったんだなぁ  夏も近づいているんだなぁ」と感慨に耽っています

 

       

 

ということで,わが家に来てから今日で961日目を迎え,米司法省が,昨年の米大統領選にロシア政府が干渉した疑惑の捜査を指揮する特別検察官を設置し,ロバート・モラー元連邦捜査局(FBI)長官を任命した と発表したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

           特別軽率官じゃなくて特別賢察官と言うべき人選だな 僕みたいに後ろ向きじゃないな

 

                     

 

昨日は娘の仕事が休みだったので,夕食は焼肉にしました 牛カルビをタレで焼き,牛タンを塩焼きにしました.あとは「生野菜とアボガドのサラダ」「トマトと卵のスープ」です

 

       

 

 

                     

 

昨日,上野の東京藝大奏楽堂で「モーニング・コンサート」を聴きました プログラムは①Emergences - Resurgences(作曲:小林祥恵),②プーランク「2台のピアノのための協奏曲ニ短調」(P:池内曉,宮里倫史)です バックは東京音楽大学教授・広上淳一指揮藝大フィルハーモニア管弦楽団です

 

       

 

全自由席です.1階11列13番,センターブロック左通路側席を押さえました 入場整理番号が早いと有利です

1曲目は青山学院大学卒業後,東京藝大に入学し現在4年生の小林祥恵さん作曲の「Emergences - Resurgences」です 演奏前に本人がステージに登場して曲の解説をしました それによると,この曲は20世紀のフランスの画家で詩人だったアンリ・ミショーの「Emergences - Resurgences」(噴出するもの という意味)に感化されて作曲した作品とのことです ミショーはメスカリンという幻覚剤を服用して様々な言葉や墨汁によるドローイングなどを残しているそうです

藝大フィルハーモニアのメンバーが入場し配置に着きます.弦は左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,その後ろにコントラバスという編成を採ります.広上淳一が登場し早速演奏に入ります

本人の説明を聞いたせいか,曲を聴いていると,黒い墨で描いた「書」や「水墨画」が頭に浮かんできました 「絵画的ではあるがモノクロの音の世界」とでも言ったら良いでしょうか 現代音楽ですが,比較的聴き易い曲だと思いました

 

       

 

左右両サイドから2台のピアノが舞台中央に運ばれ,2曲目のプーランク「2台のピアノのための協奏曲ニ短調」の演奏に備えます

共に藝大4年生の池内堯君と宮里倫史君が登場,ピアノに向かいます.池内君が向かって左,宮里君が右です

プーランクの「2台のピアノのための協奏曲」は1932年,作曲者が33歳の時に ポリニャック大公妃の依頼を受け,ヴェネツィア音楽祭のために作曲されました  第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」,第2楽章「ラルゲット」,第3楽章「フィナーレ」から成ります

広上淳一の指揮で第1楽章が鋭い2つの和音で開始されます この楽章は目先がクルクル変わる分,とても楽しい音楽です 最後のパッセージはまるでラヴェルの「ピアノ協奏曲ト長調」第2楽章のようです 楽章全体として2人のピアニストのやり取り,オケとの駆け引きなど,魅力に満ちています

第2楽章はまるでモーツアルトの「ピアノ協奏曲第26番K.537」の第2楽章「ラルゲット」のようです プーランクは好きな作曲家としてバッハ,モーツアルト,サティ,ストラヴィンスキーの4人を挙げていますが,この楽章はモーツアルトへのオマージュと言えるでしょう

第3楽章は,第1楽章と同じように鋭い和音がら開始されますが,この楽章も目先がクルクル変わり面白い曲想が続きます プーランクの音楽を聴くと楽しくなります

二人の演奏は広上+藝大フィルハーモニアのメリハリのあるサポートと相まって,溌剌としていて気持ちよく,楽しく聴くことができました

ところで,この曲は1度だけ生演奏で聴いたことがあります 80年代だったと思います.指揮者とオーケストラは思い出せませんが,ピアノはラベック姉妹,会場は三軒茶屋の昭和女子大学「人見記念講堂」でした あの時,演奏者のラベック姉妹も 聴く側の私も若かった とつくづく思います

 

       

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東陽一監督「沖縄列島」「やさしいにっぽん人」を観る~早稲田松竹 / 便利な「カットできちゃうバターケース」のご紹介

2017年05月18日 07時47分59秒 | 日記

18日(木).わが家に来てから今日で960日目を迎え,昨日 中日を2対1で下して4連勝,今季24勝12敗でセリーグ首位を走る   阪神タイガースの快進撃を仲間と祝うモコタロです

 

       

 ご主人はニュース以外のテレビは観ないとか言ってるけど  阪神戦は観てるよ ここだけの話だけどね

 

                     

 

昨日,夕食に「豚肉と大根の炒め煮」「ミックスビーンズのトマトスープ」「生野菜とタコのサラダ」「冷奴」を作りました スープは買ったばかりの本を参考に作りました 「豚肉~」の上に載っているのはスプラウト(ブロッコリーの芽)です

 

       

 

                     

 

娘が「カットできちゃうバターケース」を買ってきました   バターの固まりを上から押すと40個にスライスされたバターが下から出てくるというスグレものです バターをナイフや包丁で切るよりベターです ニトリで925円.すごく便利です ご家庭に一ついかがっすか

 

       

 

       

 

       

 

        

 

                     

 

現在 早稲田松竹では「沖縄返還から45年,映画のなかの沖縄」を特集しています 昨日,東陽一監督の「沖縄列島」と「やさしいにっぽん人」を観ました 「沖縄列島」は東陽一監督・脚本・編集による1969年製作のドキュメンタリー映画です

 

       

 

この映画は1968年6月から8月までの3か月間における返還前の沖縄の日常を描いています この映画を観て一番印象的だったのは,米軍基地からベトナムに向けて飛び立つB25戦略爆撃機の不気味な姿です.まるで羽根が生えた巨大な鮫が空を飛んでいるようでした

また,基地反対のデモが映し出される一方,基地の町コザでは,基地に生活を依存する住民たちによる基地撤去反対のデモが映し出されます こういうところは当時の沖縄が置かれた複雑な状況をよく捉えていると思いました

普天間基地問題をはじめ,沖縄がメディアで取り上げられるたびに,本当に沖縄は「本土並みに返還」されたのだろうか,という疑問が湧いてきます

 

                  

 

2本目の「やさしいにっぽん人」は東陽一監督・脚本による1970年製作映画(118分)です

 

       

 

昭和20年 沖縄の渡嘉敷島の集団自決を生き延びた赤ん坊で,今は何も記憶していないという運命を持つ青年・謝花治(河原崎長一郎)は「シャカ」と呼ばれている.彼は恋人ユメ(緑魔子)や友人たちと演劇などを通じて「言葉」の意味を求めていく ある者は言葉を機関銃のようにまくしたて,ある者はひたすら沈黙の中に言葉を探る.シャカは警官に殴られても怒りを感じず,国家や他人に対する自分自身の言葉を持たない.そんなシャカは本当にダメ人間なのか

この映画では,シャカの仲間たちが「言葉」に対する考えや演劇論を披露するシーンが何度かありますが,それを観ていて思ったのは,かつて学生運動が盛んだったころのリーダーたちのアジ演説です 早口でまくしたて,威勢のいいことを言っているように見えて,何を言っているのか意味不明という演説です 大学にもいたなぁ,ああいうタイプ と思いながら見ていました

 

       

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タリス・スコラーズのチケットをいただく / 相場英雄著「トラップ」を読む~新米刑事の成長物語

2017年05月17日 08時04分40秒 | 日記

17日(水).先日,当ブログの読者Nさんから「6月5日のタリス・スコラーズのコンサートに行けなくなったので,興味と時間があったら代わりに行ってくれませんか?」というメールがありました 幸い予定が無かったのでありがたくご好意をお受けすることにしました タリス・スコラーズが歌うのは古典派より前の時代の音楽なので,ほとんど聴く機会がありません.そういう意味では貴重な経験になります 昨日はそのチケットの受け渡しのため,新橋のS亭でランチしました この店自慢の「海鮮あんかけ焼きそば」をいただきながら音楽談議に花が咲きました

「タリス・スコラーズ」の会場は初台の東京オペラシティコンサートホールですが,Nさんはオペラシティの立ち上げ準備に携わっておられたそうで,当時 虎ノ門の特許庁跡地をはじめ数か所が新ホールの候補地として挙がっていたそうです 選定委員の一人だった小澤征爾氏は「欧米のコンサートホールには近くに必ずレストランがあるが,初台には何もない」と主張していたそうです そういう意見を考慮してか,オペラシティにはレストランを含め飲食店が複数入居しています

Nさんから「最近印象に残ったコンサートはありますか?直近ではラ・フォル・ジュルネはいかがでしたか?」と訊かれ,「最初の頃から比べると,印象に残るコンサートが少なくなってきているような気がする.10年くらい前は,基本的に1公演45分というタイムスケジュールが実際にはルーズで,時間通り終わらないコンサートが結構あって,私のように複数のコンサートをハシゴして聴く者にとっては次のコンサート会場まで走ることが少なくなかったが,逆に内容的には興味深いコンサートが多かった 最近は45分というタイムスケジュールは守られるようになってきたので,次の会場まで走ることがなくなった代わりに,これは絶対聴きたいというコンサートが少なくなった 考えようによっては,45分に納まるような曲しか選んでいないとも言える.それがつまらなくしている原因の一つかもしれない」と答えました

「印象に残る演奏家は誰ですか?」と質問されたので,ピアニストでは韓国のHJ.リム.ヴァイオリニストでは佐藤久也,岡本誠司を挙げておきました このほか多岐にわたり約2時間お話しましたが,とても書き切れないのでこの辺にしておきます 夜Nさんからメールがあり,帰りがけに 私が超個性的演奏家として推奨したHJリムのベートーヴェンのピアノ・ソナタのCDを買われたそうです Nさん,チケットと楽しいお話ありがとうございました

ということで,わが家に来てから今日で959日目を迎え 複数の米メディアが,トランプ米大統領が10日にホワイトハウスでロシアのラブロフ外相,キスリャク駐米大使と会談した際,過激派組織「イスラム国(IS)」に関する機密事項を漏らしたと報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

        トランプ大統領は後のことを考えないで発言するから後始末で周りの人が大変だろうな

        tora  「ところでモコタロ,うしろの段ボールは誰がかじったんだろうねぇ・・ ・ ・ ? 」

 

       

             何を隠そうボクでした メンゴメンゴ 後始末よろしくね!

 

                     

 

相場英雄著「トラップ」(双葉文庫)を読み終わりました 相場英雄は1967年新潟県生まれ.2005年に「デフォルト(債務不履行)」で第2回ダイヤモンド経済小説賞を受賞しています

 

       

 

この本は,警視庁捜査二課第3知能犯捜査係の警部補・西澤辰巳を主人公とする4つの物語から成ります 「土管」「手土産」「捨て犬」「トラップ」です

「土管」は,ある汚職事件を追っていた西澤が,捜査が難航する中,上司の清野から「土管」という操作方法を教えられる 「土管」とは「その昔,電話会社の通信記録がロール紙に印字されていたが,これが筒状だったことから土管という隠語が出来た」というもので,「被疑者の通信履歴を電話会社に任意で提出させ,情報を取る」という捜査方法だった 西澤はその「土管」を駆使し捜査対象者に迫るが,その裏で,警察官の捜査を監視する観察が動いていた 西澤は「土管」には通信会社との信頼関係がなければ捜査が上手くいかないということを学ぶ

「手土産」は公職選挙法違反の摘発をめぐる物語,「捨て犬」は戸塚署で飼うことになった捨て犬をめぐる物語,「トラップ」は贈収賄の摘発の物語です

この4つの物語に登場する西澤は,刑事としては新米で ちょっと頼りないけれど真面目で頑張り屋の若者として描かれています 横領や詐欺事件を担当していますが,これからの刑事としての成長が楽しみになる小説です

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チャップリン主演「独裁者」~ワーグナー「ローエングリン前奏曲」が流れる,カトリーヌ・ドヌーヴ主演「終電車」を観る

2017年05月16日 08時03分20秒 | 日記

16日(火).わが家に来てから今日で958日目を迎え,北朝鮮の新たな弾道ミサイル発射を受け,日本と米国,韓国の3か国が14日,国連安保理事会に緊急会合の開催を要請したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

        「対話」を求めたのに 面目を潰された韓国文大統領が叫んだ  コリァあかんわ!ってか 

 

                     

 

昨夕,さっそくスープ専門の料理本を参考にして「ミネストローネ」を作りました あとは「鮭のハラスのネギ塩焼き」「生野菜とワカメのサラダ」「冷奴」です 「ミネストローネ」は初挑戦ですが,子どもたちの評価は上々でした

 

       

 

                     

 

昨日,池袋の新文芸坐で「独裁者」と「終電車」の2本立てを観ました 「独裁者」はチャールズ・チャップリン製作・監督・脚本・主演(2役)の1940年アメリカ映画(125分)です この作品は無声映画で世界に名を轟かせたチャップリンの初のトーキー映画で,ヒトラーを皮肉ったコメディ映画です

 

       

 

時は第1次大戦末期.トメニア国の兵士として戦線に出ていたユダヤ人の床屋チャーリーは,戦傷によりすべての記憶を失ってしまう 戦後,トメニアはヒンケルが支配する独裁国家となりユダヤ人迫害を開始する そんな中,記憶喪失のため激変した世の中の状況を知らないチャーリーが退院しゲットー(ユダヤ人居住地域)に帰ってくる.つかの間の幸せの後,彼はユダヤ人として追われる身となる ひょんなことから,彼は顔が似ているヒンケルと間違えられ,大衆の前で大演説をぶつことになる

この映画は映画館で,あるいはテレビで何度か観たことがあるはずなのに,あまり内容は覚えていませんでした まして使われた音楽がどんなものだったかなどまったく覚えていませんでした

今回あらためて「独裁者」を観て,さすがはチャップリンと思ったのは音楽の使い方です まず,ヒンケルが地球儀の風船を弄ぶシーンではワーグナーの「ローエングリン」前奏曲が流れます この曲は,この映画のラストシーンで,ヒンケルに扮したチャーリーが民主主義の理想を訴える演説の後にも流れます.ヒットラーはワーグナーを崇拝していたので,チャップリンはワーグナーの音楽をヒットラーから民衆の手に取り戻したという意味を込めて使ったのでしょう

次に,床屋のチャーリーがラジオから流れるブラームスの「ハンガリー舞曲第5番」に合わせて男性客の髭を剃るシーンは最高のギャグです 男の顎にシェービングクリームを塗り,剃刀で髭をそっていくのですが,音楽に合わせて刃物を動かす手の動きに,観ている方はハラハラドキドキです 音楽が終わると同時に髭を剃り終わるのも最高のギャグです

この2曲のほかにも,例えばベートーヴェンの第九の合唱のテーマなどがアレンジされてごく短く流れてきたりして,油断が出来ません 逆に舞踏会のシーンではヨハン・シュトラウスのワルツなどは一切使わず,オリジナルの音楽を使っています.見識です

チャップリンの映画は思わず笑ってしまうコメディです.しかし,可笑しいだけでなくペーソスがあります いま日本のテレビはまるで吉本興業に乗っ取られたかのように,どのチャンネルをつけてもお笑い番組ばかりで,可笑しいだけでペーソスがありません だから私はニュース番組以外は観ないようにしています.これ以上バカになりたくないですから

 

       

 

                     

 

2本目の「終電車」はフランソワ・トリュフォー監督による1981年フランス映画(131分)です ナチ占領下のパリを舞台に,劇場を守る一人の女優の愛を描いています

 

       

 

舞台は第二次世界大戦中,ナチ占領下のパリ.人々は夜間外出を禁止され,地下鉄の終電車に殺到する しかし,逆にそのためか,映画館や劇場は活況を呈していた そんな劇場の一つモンマルトル劇場の支配人であり演出家のルカ・シュタイナーは,ユダヤ人であるがために,南米に逃亡し劇場の経営を妻であり看板女優のマリオンに任せているように見せかけて,地下で極秘に生活していた マリオンはルカが翻訳したノルゥエーの戯曲「消えた女」の上演に向けてリハーサルを重ねる 彼女は次第に相手役のベルナールに心を奪われるようになる

この映画は,言うまでもなく「女優を演じる女優」のカトリーヌ・ドヌーヴに尽きます 監督のフランソワ・トリュフォーは好きで,「大人は分かってくれない」「突然炎のごとく」等の初期の作品から「隣の女」まで結構観ています どこかの映画館で特集を組んでくれないかなと思っています

 

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サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン「マルシェ ワンコイン・コンサート」のチケットを取る / 中川右介「ロマン派の音楽家たち」,佐藤優「悪魔の勉強術」他を買う

2017年05月15日 07時49分14秒 | 日記

15日(月).わが家で唯一の労働者である娘が毎晩帰宅が遅くなることから,スープのみの夕食をとるので,メニューを考えるのが大変です トマト味のスープが好きなので,いつも同じような内容になってしまいます もちろん,コンソメ味,中華味,和風味と毎日ベースを変え,トマト,玉ねぎ,キャベツ,人参,エノキダケ,タケノコなどをいろいろと組み合わせて作っているので,娘は同じようなスープでもいいと言っています そうは言っても飽きると思うので,何とか工夫したいと思い,池袋のJ書店でスープの本を2冊買ってきました 書店の料理コーナーを見てびっくりしたのは,スープだけでも多くの種類の本が出ていて選択に迷うことです 十数種類の書籍や雑誌をぱらぱらとめくり,野菜中心のスープが掲載されていて 自分にも作れそうなものを選びました 今日からさっそく試してみようと思います

 

       

 

       

 

ということで,わが家に来てから今日で957日目を迎え,中国がアジアや中東,欧州を陸路と海路で結ぶ「シルクロード経済圏構想(一帯一路)」に関する国際会議の開会を迎えた14日の午前5時半頃,北朝鮮が弾道ミサイルを1発発射,高度は2000キロを超え 約30分間飛行し 約800キロ飛んで日本海に落下した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

        顔に泥を塗られた中国はどう出るんだろうか?  もう遊んでやらないんだろうな  きっと

 

                     

 

9月23日(土・祝)12:30からサントリーホール「ブルーローズ」で開かれるチェンバーミュージック・ガーデンの「室内楽アカデミー  マルシェ  ワンコイン・コンサート」のチケットを取りました 全自由席500円です  せっかく「サントリーホール・メンバーズ・クラブ」の電話会員になったのに,電話するのが出遅れて一般発売開始日になってしまいました チェンバーミュージック・ガーデンのチケットは同クラブWEB会員としてすでに7公演手配済みですが,マルシェ公演はWEBでの手配ができない仕組みになっているのです

 

       

 

       

 

                     

 

本を5冊買いました 1冊目は中川右介著「ロマン派の音楽家たち~恋と友情と革命の青春譜」(ちくま新書)です 中川右介の本は当ブログで「怖いクラシック」(NHK出版新書),「現代の名演奏家50」(幻冬舎新書)を紹介しましたね

 

       

 

2冊目は中山七里著「テミスの剣」(文春文庫)です 中山七里の本もこのブログで何冊かご紹介しましたね.最近では「ヒポクラテスの誓い」をアップしました

 

       

 

3冊目は知念実希人著「屋上のテロリスト」(光文社文庫)です 知念実希人の本も何冊かご紹介しましたが,最近では「優しい死神の飼い方」(光文社文庫)をご紹介しましたね

 

       

 

4冊目は相場英雄著「トラップ」(双葉文庫)です 相場英雄の作品では,狂牛病を扱った「震える牛」が衝撃的な小説でした

 

       

 

5冊目は佐藤優著「悪魔の勉強術」(文春文庫)です これは私自身よりも現在就活中の息子のために買ってきた本です

 

       

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ジョナサン・ノット+東響でベートーヴェン「交響曲第8番」,ハーマン「タクシードライバー」他を聴く~東響オペラシティシリーズ

2017年05月14日 08時03分09秒 | 日記

14日(日).わが家に来てから今日で956日目を迎え,米マイクロソフトのOS「ウィンドウズ」を狙った大規模なサイバー攻撃が起き,被害は欧州を中心に世界約100か国・地域に広がっている というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

         ウィンドウズはどうしてウィルスに弱いんだろう? 窓は閉めておいた方が良さそうだ

 

                     

 

昨日,東京オペラシティコンサートホールで東京交響楽団のオペラシティシリーズ第97回演奏会を聴きました プログラムは①ハーマン/パーマー編「タクシードライバー」,②バードウィッスル「パニック」,③ベートーヴェン「交響曲第8番ヘ長調」です  ②のアルト・サクソフォン独奏は波多江史朗,ドラムスは菅谷亮一,指揮はジョナサン・ノットです

 

       

 

オケは,左奥にコントラバス,前左から第1ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという対向配置=ノット・シフトをとります コンマスはグレブ・二キティンです

1曲目は「タクシードライバー~オーケストラのために夜の調べ」です 「タクシードライバー」はマーティン・スコセッシ監督による映画のタイトルですが,この作品はバーナード・ハーマンが作曲した 映画のいくつかの場面の音楽をクリスファー・パーマーがまとめたものです

短い「プレリュード」から始まり,アルト・サクソフォンによる「ブルース」,「夜の徘徊」,主人公トラヴィスが裏社会のワルどもを射殺する「大虐殺」,そして「フィナーレ」へと続きます この作品では,何と言ってもアルト・サクソフォンにより奏でられるブルース調の音楽が,ロバート・デ・ニーロ演じるトラヴィスの横顔を思い出させます

パリ国立高等音楽院で1等賞を受賞した波多江史朗のアルトサックスは,ニューヨークの夜の気怠い雰囲気を醸し出していました

2曲目はハリソン・バートウィッスル(1934~)の「パニック~アルト・サクソフォン,ジャズ・ドラムと管打楽器のための酒神讃歌」です 独奏者のアルトサックスは,神話に登場する牧羊神(パン)とのことで,そもそも「パニック」という言葉は牧羊神が突然現れて人間に恐怖を引き起こすことから生まれたものだということです.知らなかった

弦楽器が全員退場して管楽器だけ残り,アルトサックスの波多江とドラムスの萱谷亮一がステージ左サイドにスタンバイします

ノットのタクトで曲が開始されますが,「看板に偽りなし」・・・最初から「パニック」です 曲の途中でドラムの萱谷が右に移動し,そこで演奏して,また左サイドに戻って演奏しますが,これは楽章の区切りのような意味合いがあったのでしょうか.不明です いずれにしても,アルト・サクソフォン,ドラムス,管楽器群はノットの指揮下に置かれ整然と演奏していたわけで,「統率された混沌」「カオス・アンダー・コントロール」とでも言いたくなるような曲でした 私の理解の範疇から遠く外れている音楽です

 

       

 

休憩後はベートーヴェン「交響曲第8番ヘ長調」です ベートーヴェンの9つの交響曲の中で一番短く,楽器編成も一番小規模な作品です 交響曲第7番とともに1812年に完成されています.第1楽章「アレグロ・ヴィヴァ―チェ・エ・コン・ブリオ」,第2楽章「アレグレット・スケルツァンド」,第3楽章「テンポ・ディ・メヌエット」,第4楽章「アレグロ・ヴィヴァ―チェ」の4楽章から成ります

ノットのタクトで第1楽章が開始されます.冒頭の 躍動感はどうでしょう キビキビした指揮により生き生きした音楽が表出されます 第2楽章はハイドン的なユーモラスな主題による音楽です.私はてっきり,この主題はベートーヴェンがメトロノームを発明したメルツェルのために書いたものだとばかり思っていましたが,最近の研究によると事実ではないようです とにかく楽しい楽章です

第3楽章を経て最後の第4楽章に移りますが,ノットは楽章間を空けないで演奏するよう求めます ノットは軽快なテンポで曲を進めますが,圧倒されるのはフィナーレです.テンポ感よく引き締まった音楽が奏でられ,力強く曲を閉じます

会場は拍手とブラボーの嵐です ノットは何度もカーテンコールに呼び戻されました

ジョナサン・ノットは,アンサンブル・アンテルコンタンポランの音楽監督を歴任したこともあるせいか,「現代音楽を得意としている」と言われることが多いですが,私はむしろベートーヴェンやモーツアルト,あるいはブラームスといった典型的な古典・ロマン派の音楽の方が断然いいと思います ベートーヴェンでは「第5交響曲」の渾身の名演を思い出しますし,モーツアルトでは自らハンマーフリューゲルを演奏しながら指揮をした「コジ・ファン・トゥッテ」の楽しい演奏を思い出します ノットにはもっと古典を取り上げて欲しいと思います

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東京藝大主催のコンサート・チケットを3枚購入する~「ショスタコーヴィチの肖像」「藝大シンフォニーオケ定期」「フックスを迎えて」 / 映画 「ブルーに生まれついて」を観る~チェット・ベイカーの半生

2017年05月13日 08時18分53秒 | 日記

13日(土).わが家に来てから今日で955日目を迎え,情報セキュリティーソフト大手の米シマンテックの幹部が「北朝鮮に拠点を持つグループがバングラデシュ中央銀行にサイバー攻撃を仕掛け,8100万ドル(約92億円)を奪った」と証言した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

        中国や米国がいくら経済制裁を課しても これじゃあ意味がないよねぇ 白ウサちゃん

 

                     

 

昨日,夕食に「豚肉のスペアリブ」と「生野菜とワカメのサラダ」「冷奴」を作りました 「豚肉~」は見た目通りボリュームたっぷりです 「冷奴」には とろろ,みょうが,鰹削り節を載せています

 

       

 

                     

 

昨日,神楽坂のギンレイホールで,ロバート・バドロ―監督による2015年アメリカ・カナダ・イギリス合作映画「ブルーに生まれついて」(97分)を観ました この映画は1950年代に一世を風靡したジャズ・トランペット奏者でボーカリストとしても活躍したチェット・ベイカーの半生を描いた作品です

 

       

  

マイルス・ディヴィス,ディジー・ガレスピーら黒人ミュージシャンが主流だった1950年代のモダン・ジャズ界で,甘いマスクとソフトな歌声で女性ファンを魅了し一世を風靡したチェット・ベイカー(イーサン・ホーク)だったが,やがて麻薬に溺れ,どん底の生活を送ることになる しかし,ベイカーの自伝映画の撮影で黒人女性ジェーン(カルメン・イジョゴ)と知り合ったことから,彼は麻薬を絶ち再生の道を歩むことになる 麻薬がらみで昔の仲間からひどく殴られて歯を折られ顎を砕かれるが,持ち前の根性で克服し,ついにジャズの名門,ニューヨークの「バードランド」で,マイルス・デイヴィスらの前でトランペットを吹くまでになる

チェット・ベイカーといえば代表作「マイ・ファニー・バレンタイン」を思い出しますが,劇中イーサン・フォークがトランペットを演奏し歌っています 彼は半年間に及ぶトランペットの特訓を受けたそうです ジャズ好きにはたまらない映画です

 

                     

 

東京藝大主催によるコンサート・チケットを3枚購入しました 1枚目は5月21日(日)午後3時から開かれる「ショスタコーヴィチの肖像」です.プログラムはショスタコーヴィチの①弦楽八重奏曲のための2つの小品,②弦楽四重奏曲第8番ハ短調,③ピアノ五重奏曲ト短調です 演奏は,ヴァイオリン=玉井菜採,漆原朝子,ヴィオラ=川崎和憲,チェロ=河野文昭,ピアノ=秋場敬浩ほかです 全席自由で2,000円です なお,会場は3枚とも上野の東京藝大奏楽堂です 

 

       

       

 

2枚目は,6月29日(木)午後7時から開かれる東京藝大シンフォニーオーケストラ第56回定期演奏会です プログラムは①武満徹「ア・ウェイ・ア・ローンⅡ」,②シマノフスキ「ヴァイオリン協奏曲第1番」,③チャイコフスキー「交響曲第4番」です ②のヴァイオリン独奏は澤亜樹,高関健指揮東京藝大シンフォニーオーケストラです 全席自由で1,500円は安い

 

       

       

 

3枚目は7月9日(日)午後3時から開かれる「ベルリン・フィル首席クラリネット奏者ヴェンツェル・フックスを迎えて」です プログラムは①ダンツィ「フルートとクラリネットのための協奏交響曲」,②クロンマー「2本のクラリネットのための協奏曲」,③モーツアルト「クラリネット協奏曲」です ①のフルート独奏は高木綾子,クラリネット独奏はヴェンツェル・フックス,②のクラリネット独奏はフックスと山本正治,③のクラリネット独奏はフックス,バックを務めるのは山本正治指揮東京藝大チェンバーオーケストラです  ベルリン・フィルの首席の演奏が聴けて全席自由で2,000円は格安です

 

       

       

 

もう一つおまけに,5月27日(土)午後6時半から東京藝大奏楽堂で「第63回五芸祭合同コンサート」があるので行こうと思います これは愛知県立芸術大学,沖縄県立芸術大学,金沢美術工芸大学,京都市立芸術大学,東京藝術大学の学生有志によるコンサートです 第1部が吹奏楽,第2部がオーケストラとなっており,第2部ではシューマン①歌劇「ゲノフェーファ」序曲,②交響曲第1番が山下一史の指揮で演奏されます 入場無料・全席自由です

 

          

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ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調」(P:三好朝香)他を聴く~東京藝大モーニング・コンサート

2017年05月12日 07時51分23秒 | 日記

12日(金),わが家に来てから今日で954日目を迎え,小池東京都知事が2020年東京五輪・パラリンピックについて,計500億円と試算される都外会場の仮設施設整備費を都が負担する方針を明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

            この辺で妥協しないと都議選で「都民ファーストの会」が不利になるという計算かな?

  

                     

 

昨日,夕食に「鶏もも肉のソテー」と「生野菜とアボガドのサラダ」「冷奴」を作りました 「鶏もも肉~」は肉に塩を振ってから皮を下にして弱火で18分ほったらかしにして,火を消して5分放置.その後 塩コショーするだけ  外パリパリ中ジューシーです シンプル・イズ・ベストの典型のような料理です

 

       

 

                     

 

昨日,上野の東京藝大奏楽堂で「第2回 モーニング・コンサート」を聴きました プログラムは①Nodes for Orchestra(作曲:中橋祐紀),②ラブマニノフ「ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調」です 演奏は②のピアノ独奏=三好朝香,現田茂夫指揮藝大フィルハーモニア管弦楽団です

 

       

 

全自由席ですが,開場時間の10分前に着いたので1階11列13番,センターブロック左通路側が取れました 何しろチケットの入場整理番号が32番なので断然有利です

藝大フィルハーモニアのメンバーが配置に着きます.弦楽器は左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスという編成を採ります

1曲目は,富山県出身の藝大4年生,中橋祐紀君の作曲による「Nodes for  Orchestra」です 演奏に先立ち本人がステージに登場し,作品の解説をしました.それによると,Nodesというのは「結び目,節」のことで,この曲は2つの音高を選び 掛け合わせることで多様な和音を得るという手法により,それによって得られた響きが別の響きと出会うという内容を持つ作品とのことです  私には意味不明ですが

現田の合図で演奏が開始されます.出だしは典型的な「現代音楽」の趣ですが,室内楽的な部分あり,オーケストラ的な部分ありと,響きが多様に変化して飽きませんでした

     

       

 

2曲目はラフマニノフ「ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調作品1」です この曲は元々,ラフマニノフがモスクワ音楽院在学中に卒業試験のために作曲した作品(作品番号1)ですが,初稿の出来に満足できなかった彼は20年以上たった1917年に全面的な改訂を加えました その結果,まったく別の作品と言って良いほどのスケールの大きな作品に変貌しました

岡山県出身の藝大4年生・三好朝香が白地に赤いバラの模様を配した鮮やかなドレスで登場し,ピアノに向かいます まるでシンデレラ城のお姫様です おいおい大丈夫か?第1番と言えどもラフマニノフだよ・・・・と思っていると,第1楽章が管楽器のファンファーレにより華々しく開始され,三好の強烈なピアノが容赦なく入ってきて,その迫力に圧倒されました お姫様どころではありません 終盤のモノローグのようなカデンツァは見事でした 第2楽章はホルンから入りますが,このホルンが実に素晴らしい演奏を展開しました 全体的には幻想的と言える曲想です.そして,第3楽章に入ると再度,激しく活気のある音楽に転換し,最後は躍動感に満ちた演奏で力強く弾き切りました

現田茂夫+藝大フィルハーモニアの力強いサポートのもと,三好は終始 集中力に満ちた演奏を展開しました  これからが楽しみです

なお,この曲を聴くにあたりペーター・レーゼルのピアノ,クルト・ザンデルリンク指揮ベルリン交響楽団によるCDで予習しておきました

       

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