11日(木).最近 テレビのニュースを見ていて とことん呆れたのは,8日の衆院予算委員会で,安倍首相が憲法改正の見解を聞かれて「読売新聞を熟読して」などと述べていたことです 当人は「自民党総裁として言った」と述べているようですが,当該の読売新聞には「首相インタビュー」と大見出しで書いてあるとのこと 国家の将来を左右する最も大事な問題に対する首相の見解が なぜ読売新聞に出ていて,国会で説明されないのか,誰がどう考えたって大きな疑問です このニュースを聞いた時に頭をかすめたのは,数年前に読者数1,000万部を標ぼうしていた読売新聞社のナベツネ会長の顔でした 読売新聞は安倍首相のプロパガンダの手段なのか? のようなもの,か? 個人的には,新聞にはそれぞれ異なる主張がある方が民主主義社会にとっては良いことだと思いますが,一国の首相が特定の新聞を取り上げて「熟読するよう」促すのはいかがなものか
ということで,わが家に来てから今日で953日目を迎え,トランプ米大統領が連邦捜査局(FBI)のコミ―長官を解任したというニュースを見て感想を述べるモコタロです
トランプとロシアとの関係を捜査するFBI長官を解任する理由の解明は朝刊ネタだな
昨日,夕食に「豚バラ,甘酢ネギ胡麻だれ」「生野菜とツナのサラダ」「エノキダケと野菜とベーコンのスープ」を作りました ご飯がご飯がすすむ君です
昨日,新宿ピカデリーでMETライブビューイング,モーツアルト「イドメネオ」を観ました これは今年3月25日に米メトロポリタン歌劇場で上演された公演のライブ録画映像です 出演は,イドメネオ=マシュー・ポレンザーニ(テノール),エレットラ=エルザ・ヴァン・デン・ヒ―ヴァ―(ソプラノ),イダマンテ=アリス・クート(メゾソプラノ),イリア=ネイディーン・シエラ(ソプラノ)です 指揮はジェイムズ・レヴァイン,管弦楽はメトロポリタン歌劇場管弦楽団,演出はジャン=ピエール・ポネルです
舞台はトロイア戦争終結後のギリシャのクレタ島.戦争に出陣した国王イドメネオは,帰路の海で嵐に巻き込まれ,命と引き換えに,上陸して初めて出会った人間を生贄に捧げると海神ネプチューンに約束する クレタ島に帰り着いたイドメネオが最初に出会ったのは,あろうことか息子のイダマンテだった イダマンテは捕虜となっているトロイの王女イリヤと愛し合っている.一方,イダマンテを愛するアルゴスの女王エレットラは面白くない.イドメネオはイダマンテをエレットラとともに亡命させようとするが,イドメネオの裏切りに激怒した海神は怪物を送り込む.次々と襲う天災にイドメネオは窮地に立たされる 人々を救うためイドメネオは息子イダマンテを生贄にするしかないと決断し剣を振り上げるが,イリヤが駆け込んできて自分が生贄になると訴える.その時,海神の声が轟き,イドメネオの退位と,新しい王としてイダマンテの即位,そしてイダマンテとイリヤの結婚を勧告する 人々が喜びに沸く中,エレットラだけが怒りのあまり失神してしまう
ジャン・ピエール・ポネル(1988年没)の演出は極めてオーソドックスです.オペラ・セリア(シリアスなオペラのこと.ギリシャ神話や英雄などを題材とした格調高いイタリア・オペラ)ではオーソドックスなのが一番です METが初めて「イドメネオ」を上演したのは今から35年前の1982年,その時タイトルロールを歌ったのはルチアーノ・パバロッティ,指揮はジェイムズ・レヴァインとのことです
この映像を観て,あらためて気が付いたのは,全3幕とも,最初に歌うのはトロイの王女イリヤだということです その意味では,モーツアルトはイリヤに重要な役割を与えていると思います そのイリヤを歌ったネイディーン・シエラはフロリダ出身の若いソプラノですが,第1幕冒頭の長いアリアをはじめ,よく伸びる美しい声で,歌唱力抜群でした.これからの活躍が楽しみな歌手です
その恋敵エレットラを歌ったエルザ・ヴァン・デン・ヒ―ヴァ―は南アフリカ出身のソプラノですが,2012年のMETライブ「マリア・ストゥアルダ」でエリザベスを歌い,圧倒的な存在感を示したことが思い出されます この「イドメネオ」でも,ドラマティックな歌声で聴衆の圧倒的な共感と支持を得ました
イドメネオを歌ったマシュー・ポレンザーニはMETの看板テノールの一人ですが,ソフトな美声で悩める主人公を歌い演じました
イダマンテを歌ったアリス・クートは今回も得意のズボン役(女性が男性の役割で歌う)として登場し,理由も分からず父親から拒否される息子の苦悩を見事に歌い演じました
「イドメネオ」は正味3時間くらいの歌劇ですが,今回のMETライブはトータルで4時間25分もかかっています その理由は,通常の上映における休憩時間(10分✖2回)と歌手へのインタビューに加え,今シーズンはMETリンカーンセンター移転50周年記念ドキュメンタリーの一部が紹介されているからです 今回は,METを中心に一世を風靡したジェシー・ノーマンやキャスリーン・バトルの歌唱指導をするレヴァインの姿が紹介されています レヴァインはピアノを弾きながら歌手に歌わせ,歌手と対話しつつ褒めながら改善を求める方法を取っています メトロポリタン歌劇場管弦楽団のアソシエイト・コンサートマスターの女性二人が,インタビューに応えて「レヴァインはオーケストラよりも歌手に寄り添って指揮をしている」と語っていますが,ノーマンとバトルのレッスン映像を観るとよく理解できます METの看板歌手たちが,手放しでレヴァインを褒めたたえるのも無理のないことだと分かります
「METライブビューイング2016-17」も残すところチャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」とリヒャルト・シュトラウス「ばらの騎士」のみとなりましたが,この度,来シーズンのラインナップが以下のように決定しました
個人的に一番嬉しいのは第1作にベッリーニ「ノルマ」がリストアップされていることです あとは,モーツアルトの「魔笛」と「コジ・ファン・トゥッテ」,プッチーニの「トスカ」と「ラ・ボエーム」の各2曲が,いわゆる”名曲路線”といったところです あまり上演される機会がないヴェルディの「ルイザ・ミラー」と,ロッシーニの「セミラーミデ」が入っているのも嬉しいところです