人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

エッシェンバッハ+NHK交響楽団でブラームス「交響曲第2番,第3番」を聴く~N響第1868回定期演奏会(Cプロ)

2017年10月21日 08時06分37秒 | 日記

21日(土).風邪を引いたらしく喉が痛いので,昨日行きつけの内科で診てもらったら,喉が赤くなっているとのことで,大量の薬をもらってきました   体調最悪です

ということで,わが家に来てから今日で1116日目を迎え,ティラーソン米国務長官が19日,中国による南シナ海への進出は「度を過ぎている」と批判した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 まったくその通りだと思うよ 海を埋め立てて自国の領土にしちゃうんだから

 

                                           

 

昨日,夕食に「いり鶏」「生野菜と生ハムのサラダ」「肉団子スープ(中華味)を作りました   「いり鶏」は久しぶりですが,美味しく出来ました

 

     

 

                                           

 

昨夕,小雨降る中,体長最悪の中,原宿から代々木公園経由でNHKホールに向かいました N響第1868回定期演奏会(Cプロ)を聴きました   プログラムは①ブラームス「交響曲第3番ヘ長調」,②同「交響曲第2番ニ長調」です   指揮はクリストフ・エッシェンバッハです

エッシェンバッハは1940年ドイツ生まれで,今年77歳になりました   モーツアルトのピアノ・ソナタのLPレコードに載っていた紅顔の美青年もお歳を召されました   でも,指揮者の世界では「40,50は洟垂れ小僧」だそうですから,77歳なんて働き盛りの壮年期でしょう   ピアニストから指揮者に転向した世界的なアーティストと言えば,1974年のチャイコフスキー・コンクール(ピアノ部門)で見事に第2位入賞した韓国のチョン・ミョンフンを真っ先に頭に思い浮かべますが,知名度から言えばエッシェンバッハはその次くらいでしょう   指揮台に上がったエッシェンバッハは,ミトロプーロスか,スタインバークか,井上道義か,と見まがうばかりの見事なスキンヘッドです

オケは左奥にコントラバス,前に左から第1ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという対向配置をとります   コンマスはマロこと篠崎史紀氏です.相変わらずN響定期会員はマロが登場しても拍手をしません  N響の(聴衆の)伝統でしょうか

 

     

 

1曲目はブラームス「交響曲第3番ヘ長調」です   この曲はブラームス(1833-1897)が50歳の1883年の夏に保養地ウィースバーデンで過ごした時に作曲されました   第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」,第2楽章「アンダンテ」,第3楽章「ポーコ・アレグレット」,第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります

エッシェンバッハのタクトで第1楽章が開始されます   冒頭の下降動機はシューマンの「交響曲第3番”ライン”」第1楽章の動機とよく似ています   全楽章を聴いた感じでは,オーボエ,クラリネット,フルート,ファゴットといった木管楽器群,ホルンをはじめとする金管楽器が冴えており,何よりも弦楽器群が,もともとドイツの指揮者により培われた”ドイツもの”を得意とするN響の歴史と伝統を感じさせる重厚感のある演奏を展開していました

 

     

 

プログラム後半は,ブラームス「交響曲第2番ニ長調」です   この曲は1877年の夏,オーストリアの保養地ペルチャッハで作曲されました.どうやらブラームスの名曲の誕生は「夏」と「保養地」と切り離せないようです

この曲は第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」,第2楽章「アダージョ・ノン・トロッポ」,第3楽章「アレグレット・グラチオーソ」,第4楽章「アレグロ・コン・スピーリト」の4楽章から成ります   私は低弦から始まるこの曲が大好きです.この曲のことを,後の人がベートーヴェンの第6交響曲『田園』に倣ってブラームスの『田園交響曲』と呼びましたが,第1楽章の冒頭部分を聴いただけでもその雰囲気が十分伝わってきます   この曲でも木管楽器群が大活躍で,金管もホルンを中心に素晴らしい演奏を展開します   第4楽章のフィナーレでは,エッシェンバッハがオケを煽り立て,N響はそれに応えるべく熱演を繰り広げました

会場いっぱいの拍手とブラボーにカーテンコールが繰り返されましたが,N響メンバーからも拍手を受け,エッシェンバッハの嬉しそうな顔が印象的でした   今回がN響との初共演とのことですが,相性はピッタリです.N響はまた呼ぶかもしれません

ところで,エッシャンバッハのブラームスと言えば,確かCDで持っていたな,と思ってCD棚を探してみたら,ありました   ヴァージン・クラシック・レーベルから1997年(今から20年前)にリリースされた4枚組CDで,エッシェンバッハがヒューストン交響楽団を振ったブラームス「交響曲第1番~第4番」「大学祝典序曲」「ハイドンの主題による変奏曲」「アルト・ラプソディ」「悲劇的序曲」を収録しています   当時エッシェンバッハは同オケの音楽監督だったと思います   ジャケット表紙に「1897-1997 ブラームス」とあるので,ブラームス没後100年を記念して発売したCDでしょう   このCDは池袋にあったヴァージン・レコードが閉店する時に閉店セールで買ったのだと思います   それからさらに20年の歳月が流れたわけです    エッシェンバッハも 聴いているわれわれも 歳を取るわけです

 

     

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クァルテット・エクセルシオ「弦楽四重奏の旅 第5回『北の国から』」を聴く~ディーリアス,グリーグ,チャイコフスキーの弦楽四重奏曲

2017年10月20日 08時19分00秒 | 日記

20日(金).「バッハ・コレギウム・ジャパン」から次年度会費請求書が届いたので,さっそくB席:26,500円を銀行から振り込みました  

ということで,わが家に来てから今日で1115日目を迎え,衆院選の各党公約で,「改革」や「革命」といった言葉がちょっとした流行になっている というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      ぼくの場合は身体のあちこちが痒い!「痒い掻く」「掻くめい」のせめぎ合いだ

 

                                           

 

昨日,夕食に「ハッシュドビーフ」と「生野菜とサーモンのサラダ」を作りました   「ハッシュドビーフ」は玉ねぎを炒める前に5分間レンジでチンするのがコツです

 

     

 

                                           

 

昨夕,サントリーホール「ブルーローズ」でクァルテット・エクセルシオの「弦楽四重奏の旅  第5回『北の国から』」を聴きました   プログラムは①ディーリアス「弦楽四重奏曲第2番”去りゆくツバメ”」,②グリーグ「弦楽四重奏曲ト短調」,③チャイコフスキー「弦楽四重奏曲第1番ニ長調」です

全自由席です.ちょっと早めに会場に着いたので,センターブロック最前列の右端の席を押さえました   会場は後方の席の空きが目立ちます.もったいないです

 

     

 

1曲目はフレデリック・ディーリアスの「弦楽四重奏曲第2番『去り行くツバメ』」です   ディーリアス(1862-1934)は両親がドイツ人でイギリス生まれの作曲家です   この曲は1916年11月の初演時には全3楽章だったのを,翌17年にスケルツォを加えた全4楽章としたうえ,「去り行くツバメ」の楽章も改訂されています   第1楽章「動きをもって」,第2楽章「速く軽やかに」,第3楽章「『去り行くツバメ』ゆっくり,物思いに沈むように」,第4楽章「とても速く,溌剌と」の4楽章から成ります

エクセルシオの4人が登場します.女性3人は濃緑色の衣装で統一しています   この3人は春はピンク系,夏はブルー系といった具合に衣装で季節を演出します   常設の弦楽四重奏団ならではの粋な演出です

第3楽章「去り行くツバメ」を中心に全曲を通して聴いて感じるのは,どこか懐かしいような感覚です   ディーリアスの音楽は日本人の感性に合っているのではないか,と思います   私はディーリアスが好きで,LP時代にビーチャム等の指揮で「ブリッグの定期市」「丘を越えて遥かに」「春初めてカッコーを聴いて」「川の上の夏の夜」などを良く聴いていました(下の写真はCDです).その頃そのように感じたのですが,今回あらためてディーリアスを聴いてその感を強くしました

 

     

 

2曲目はエドヴァ―ル・グリーグの「弦楽四重奏曲ト短調」です   グリーグ(1843-1907)は周知の通りノルウェー出身の作曲家ですが,今年が没後110周年に当たります   この曲は1877年に作曲に着手,翌78年に完成しました.第1楽章「ウン・ポコ・アンダンテ~アレグロ・モルト・エド・アジタート」,第2楽章「ロマンツェ:アンダンティーノ~アレグロ・アジタート」,第3楽章「インテルメッツォ:アレグロ・モルト・マルカート~アレグロ・アジタート」,第4楽章「フィナーレ:レント~プレスト・アル・サルタレロ」の4楽章から成ります

この曲は,予習しようと思ってCDを探したのですが,例によって 見つからなかったので,ほとんど初めてに等しい状態で聴きました

第1楽章の冒頭から衝撃的な音楽で,思わずグリーグの世界に引き込まれます   冒頭の音楽で聴く者の心を掴むという意味では,彼の「ピアノ協奏曲イ短調」に似ています   しかし,そのままでは終わらず,情緒豊かな旋律が展開します   第2楽章を経て,第3楽章では,中間部で舞曲風のリズミカルな音楽が展開しますが,緊張感が続く中でほっと一息つく場面です   第4楽章では速いテンポによるサルタレロ舞曲(民族舞曲)が疾走します   第1ヴァイオリンの西野ゆかさんはじめ4人はエネルギッシュな演奏を展開します

 

     

 

プログラム後半は,チャイコフスキー「弦楽四重奏曲第1番ニ長調」です   ピョートル・チャイコフスキー(1840-1893)は3つの弦楽四重奏曲を作曲していますが,これは作曲者が30歳の時,1871年3月の自作演奏会のために短期間で完成させた曲です   第1楽章「モデラート・エ・センプリーチェ」,第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」,第3楽章「スケルツォ:アレグロ・ノン・タント」,第4楽章「フィナーレ:アレグロ・ジュスト」の4楽章から成ります

第2楽章の「アンダンテ・カンタービレ」はもちろんのこと,全体を通して感じるのは「チャイコフスキーは稀代のメロディー・メーカーだな」ということです   交響曲でも協奏曲でもバレエ音楽でも,そしてこの弦楽四重奏曲でも,どの曲も美しいメロディーに満ちています   西野ゆかさんのリードで進めますが,この4人のアンサンブルは完璧です   常設の弦楽四重奏団の良い面がすべて生かされています   この4人の演奏で聴くと,次も是非聴いてみたいと思います

この曲を聴くに当たってエマーソン弦楽四重奏団によるCDで予習したのですが,第4楽章「フィナーレ:アレグロ・ジェスト」の曲想が,どこかで聴き憶えがあり,記憶を辿ってみたらベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲のどれかに似ていることに気が付きました

 

     

 

そこでイタリア弦楽四重奏団によるベートーヴェン「弦楽四重奏曲全集」のCDで,「第13番変ロ長調」から「第16番ヘ長調」までを片っ端から聴いていきました   すると,最後の最後,第16番の第4楽章「グラーヴェ,マ・ノン・トロッポ・トラット~アレグロ」であることが分かりました  ベートーヴェン以降,彼の影響を受けなかった作曲家は一人もいないということを考えると,チャイコフスキーもベートーヴェンの第16番を聴いて,そのメロディーが頭の中にあったのかも知れません

 

     

 

音楽評論家の山野雄大氏の「プログラム・ノート」によると,文豪ツルゲーネフも演奏会に来てチャイコフスキーの才能に賛辞を寄せたが,遅参のため弦楽四重奏曲の演奏には間に合わなかったそうです   また1876年に 文豪トルストイが「アンダンテ・カンタービレ」を涙ながらに聴いた,という思い出をチャイコフスキーは誇りとして抱き続けたとのことです  

芸術はジャンルを超える,ということでしょうか

 

     

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都民芸術フェスティバル~「オーケストラシリーズ8公演セット券」「室内楽シリーズ券」を取る / 新国立オペラ「ホフマン物語」日程振り替え

2017年10月19日 08時02分10秒 | 日記

19日(木).一昨日の夜,あまりにも寒かったので昨日,厚い掛布団を出しました   そこで「そういえば30年の風雪に耐えて来た掛布団カバーがボロボロになったので昨年捨てたんだっけな」と思い出し,わざわざ 娘が働いている池袋の某店に行って相談しながら購入しました.それは良いのですが,買うつもりがなかった台所用品まで買わされて閉口しました   こんなことなら西友で買えばよかった   とは言え,自分でも使うものだし,家族が働いていることろを見ることも大事だし,仕方ないですね

ということで,わが家に来てから今日で1114日目を迎え,第19回中国共産党大会が18日 北京の人民大会堂で開幕し,習近平総書記が,21世紀半ばまでに「現代化した社会主義の強国を建設する」「総合的な国力と国際影響力で世界をリードする国家になる」と述べた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       共産党支配で 社会主義国家で やってることは資本主義で 覇権主義  複雑な国だ 

 

                                           

 

昨日,夕食に「豚バラとチンゲン菜の重ね蒸し」と「生野菜と生ハムのサラダ」を作りました   「豚肉~」は初挑戦ですが,ばっちりです

 

     

 

                                          

 

昨日は「都民芸術フェスティバル」の「オーケストラ・シリーズ」と「室内楽シリーズ」のWEBでのチケット前売り開始日だったので,午前10時に日本演奏連盟のサイトにアクセスして8公演セット券と室内楽2公演のチケットを取りました

オーケストラ・シリーズの日程・プログラムは次の通りです   会場はいずれも池袋の東京芸術劇場コンサートホールです

1.1月19日(金)午後7時開演 太田弦 指揮 東京フィル

 ①グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲

 ②ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」(Vn:前橋汀子)

 ③ビゼー「アルルの女」組曲第2番

 ④ラヴェル「ボレロ」

Ⅱ.1月31日(水)午後7時開演 川瀬賢太郎 指揮 NHK交響楽団

 ①バーンスタイン「キャンディード」序曲

 ②ガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」(P:小川典子)

 ③ドヴォルザーク「交響曲第9番”新世界より”」

Ⅲ.2月8日(木)午後7時開演 高関健 指揮 東京シティ・フィル

 ①ドヴォルザーク:交響詩「真夏の魔女」

 ②ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」(P:桐榮哲也)

 ③ブラームス「交響曲第1番ハ短調」

Ⅳ.2月20日(火)午後2時開演 ロッセン・ゲルゴフ 指揮 東京交響楽団

 ①モーツアルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲

 ②  〃   「フルート,ハープと管弦楽のための協奏曲」(Fl:高木綾子,Hp:吉野直子)

 ③  〃   「交響曲第41番ハ長調”ジュピター”」

Ⅴ.2月28日(水)午後7時開演 井上道義 指揮 新日本フィル

 ①シベリウス:交響詩「フィンランディア」

 ②  〃  「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」(Vn:辻彩奈)

 ③  〃  :組曲「レンミンカイネン」より「トゥオネラの白鳥」

 ④  〃  「交響曲第7番ハ長調」

Ⅵ.3月5日(月)午後7時開演 小林研一郎 指揮 読売日響

 ①チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」より「ポロネーズ」

 ②グリーグ「ピアノ協奏曲イ短調」(P:仲道郁代)

 ③チャイコフスキー「交響曲第6番ロ短調”悲愴”」

Ⅶ.3月13日(火)午後7時開演 大井剛史 指揮 日本フィル

 ①メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」

 ②   〃    「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」(Vn:大谷康子)

 ③シューベルト「交響曲第8番ハ長調”ザ・グレート”」

Ⅷ.3月15日(木)午後7時開演 梅田俊明 指揮 東京都交響楽団

 ①ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」

 ②チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」(VN:パーヴェル・ミリューコフ)

 ③シューマン「交響曲第1番変ロ長調”春”」

なお,8枚セット券の前売りはA席300組限定(WEB及び電話)となっており,料金は26,000円です   電話予約は10月26日から受付開始となっており,一般発売は11月9日(木)受付開始とのことです   単券の料金はA席=3,800円,B席=2,800円,C席=1,800円ですが,学生は割引料金が適用されます

次に室内楽シリーズの日程・プログラムは次の通りです   会場はいずれも上野の東京文化会館小ホールです

Ⅰ.2月21日(水)午後7時開演 「クアルテットが紡ぐ極上の響き」

 ①ハイドン「弦楽四重奏曲第63番”日の出”」

 ②シューベルト「弦楽四重奏曲第13番”ロザムンデ”」

 ③ドビュッシー「弦楽四重奏曲ト短調」

  (ヴァイオリン:漆原啓子,漆原朝子,ヴィオラ=大島亮,チェロ=辻本玲)

Ⅱ.3月1日(木)午後7時開演  「変奏曲とソナタへの誘い」

   ①ベートーヴェン「マカべウスのユダの主題による12の変奏曲」

 ②ブラームス「チェロ・ソナタ第1番ホ短調」

 ③マルティヌー「ロッシーニの主題による変奏曲」

 ④ラフマニノフ「チェロ・ソナタ ト短調」

   (チェロ=堤剛,ピアノ=小山実稚恵)

いずれもチケット代は@3,000円(学生2,000円)となっています

普段コンサートを聴く機会のない方には格安料金で聴ける「都民芸術フェスティバル」は,生の演奏に接することが出来る絶好のチャンスです  

10枚のCDよりも1回のコンサートを

 

                                           

 

上記の10公演を手配したことに伴って,日程で2つダブりが出てきました(チケットを取る前から分かっていたことですが

1つは2月28日(水)夜の新国立オペラ「ホフマン物語」と新日本フィル「シベリウス・チクルス」です   これは,さっそく新国立劇場のエクスチェンジ・サービスを利用して3月6日(火)に振り替えました.同サービスはあと1回利用できます

 

     

 

2つ目は3月15日(木)夜の「ムン・ジョン ピアノ・リサイタル」(紀尾井 明日への扉)と東京都交響楽団「シューマン:交響曲第1番ほか」です   これはムン・ジョンを諦めるしかありません   当日までにチケットを何とかしなくっちゃ

 

     

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チャイコフスキー「ピアノ三重奏曲『偉大な芸術家の思い出に』」を聴く~清水和音+藤江扶紀+富岡廉太郎=芸劇ブランチコンサート

2017年10月18日 07時48分42秒 | 日記

18日(水).わが家に来てから今日で1113日目を迎え,衆院選投開票の22日を前に,当選祝いに使われるコチョウランの出荷準備が神奈川県座間市の「座間洋らんセンター」で大詰めを迎えている というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     出来もしない公約を掲げて選挙に臨む政党は 取りあえず 誇張乱 を自制しないと

 

                                           

 

昨日,夕食に「鶏肉とアスパラガスの中華炒め」と「生野菜とアボカドと生ハムのサラダ」を作りました   「鶏肉~」は久しぶりに作りましたが上手く出来ました

 

     

 

                                           

 

昨日,池袋の東京芸術劇場コンサートホールで,第10回芸劇ブランチコンサートを聴きました   プログラムは①ショパン「ノクターン第17番」,②チャイコフスキー「ピアノ三重奏曲イ短調『偉大な芸術家の思い出に』」です   演奏は,ヴァイオリン=藤江扶紀,チェロ=富岡廉太郎,ピアノ=清水和音です

 

     

 

今回から八塩圭子さんに代わってナビゲーターになった作曲家・加羽沢美濃さんが,上=イエロー,下=ホワイトの鮮やかな衣装で登場,元気な声で挨拶します   加羽沢美濃さんと言えば,NHKーEテレの「あらら ? クラシック」じゃなくて,「ららら ♪ クラシック」の総合司会者としてお馴染みですね

さっそく「和音・今月の1曲=ショパン『ノクターン第17番』」ということで,清水和音氏を呼んでトークに入ります   話によると,清水氏はショパンの曲の中では,「ノクターン第17番」と「スケルツォ第4番」が一番好きだそうです   加羽沢さんが,ノクターン第17番について「まるで涙が一粒一粒ゆっくりと落ちていくように,音が下降していきます」とピアノを弾きながら解説していましたが,清水氏のロマンティシズム溢れる演奏で実際に聴いてみると,確かにそんな感じがします   個人的には,ノクターンであれば第13番が一番好きです

次の曲に入る前に,清水氏が他の出演メンバーの最近の状況を説明しました   ヴァイオリンの藤江扶紀さんは,来年1月からトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団のコンサートマスターに就任するそうです   トゥールーズ・キャピトル菅と言えば,過去にアンドレ・クリュイタンスやミシェル・プラッソンが音楽監督を務め,現在はトゥガン・ソヒエフが音楽監督を務めている1737年設立のフランスの名門オーケストラです   これは快挙だと思います   また,チェロの富岡廉太郎氏は9月末まで読響の首席奏者(契約団員)でしたが,清水氏の話によると「現在,正団員になれるかどうかの結果待ちの状態ですが,間違いなく試用が解けて正団員になれるでしょう」とのことでした   私もそう思います

 

     

 

清水氏が藤江さんと富岡氏を迎え,チャイコフスキー「ピアノ三重奏曲イ短調『偉大な芸術家の思い出に』」の演奏に入ります   タイトルにある「偉大な芸術家」とは,偉大なピアニストであり,モスクワ音楽院の創設者であり,指揮者でもあったニコライ・ルビンシテインのことを指しています   彼はモスクワ音楽院にチャイコフスキーを招き,自宅に住まわせて公私ともに面倒をみたり,交響曲第1番~第4番など多くの作品の初演を行った大恩人です   ルビンシテインが1881年3月,腸結核のためパリで客死したことから,チャイコフスキーは彼を追悼するためにこの曲を作曲したのです

曲は全2楽章から成り,第1楽章「悲劇的楽章」はモデラート・アッサイですが,第2楽章は第1部「主題と変奏」=アンダンテ・コン・モートと第2部「変奏終曲とコーダ」=アレグロ・リソル―ト・エ・コン・フォーコに分かれています

第1楽章が,清水氏による教会の鐘を模したピアノで開始され,富岡氏の哀愁に満ちたチェロが入ってきます   そして藤江さんの美しいヴァイオリンが続きます   この部分を聴いただけでも50分にも及ぶ大曲の成功を確信させるものがあります   第1楽章はどちらかと言うと,3人のアンサンブルを楽しむ音楽ですが,第2楽章「主題と変奏」に入ると,個々の楽器のソロを聴く楽しみがあります   とにかく素晴らしいと思ったのは富岡廉太郎氏のチェロです   チェロの特性を生かした ふくよかで深みのある音楽を奏でます   そして藤江扶紀さんのヴァイオリンの音色の美しいこと   清水氏のピアノは ここぞというところでビシっと決めます.とくに第2楽章第2部の冒頭部分などは力強く決然としていました

最後に第1楽章「悲劇的楽章」の第1主題が再現される部分の3人の演奏は感動的でした

このブランチ・コンサートでピアノ三重奏を演奏してくれるなら,次はメンデルスゾーンの曲を是非取り上げて欲しいと思います   アンケートに書いて出しておけばよかったな   アンケート用紙はたいてい裏が白なのでいつもパソコン用紙として使っているのです   次の機会にはアンケートに「メンデルスゾーン『ピアノ三重奏曲第1番ニ短調』を希望」と書いて提出しようと思います

 

     

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日経ミューズサロン「ハンガリー国立ブダペストオペレッタ劇場専属歌手によるニューイヤーコンサート」のチケットを取る / 米澤穂信著「満願」を読む

2017年10月17日 08時04分55秒 | 日記

17日(火).今は昔,7月18日(火)の午後,都内で雹(ひょう)が降りましたが,その時マンションの各戸の網戸が破れたため,管理組合加入の保険で対応することとなりました  それに基づいて,昨日午前,業者が来て網戸の修理を行いましたが,2本で約1時間半かかりました   そんなこともあり,寒かったこともあり,逆にコンサートも映画も予定がなかったので,昨日は一日中 家で過ごしました

ということで,わが家に来てから今日で1112日目を迎え,15日のオーストリア下院選で中道右派の国民党(クルツ党首)が第1党になり 右傾化が鮮明になった一方,同日のドイツ ニーダーザクセン州議会選挙で,メルケル氏が率いるキリスト教民主同盟がドイツ社会民主党に敗れ,メルケル氏への逆風がさらに強まった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       米国から始まった反移民・反難民主義がヨーロッパに蔓延してきた  困ったものだ

 

                                           

 

昨日,夕食に「クリームシチュー」と「生野菜とツナのサラダ」を作りました   寒い時はシチューが食べたくなります.ジャガイモと人参は皮付きのままなので煮崩れしていません

 

     

 

                                           

 

来年1月9日(火)午後6時半から大手町の日経ホールで開かれる「第468回日経ミューズサロン~ハンガリー国立ブダペストオペレッタ劇場専属歌手によるニューイヤーコンサート」のチケットを取りました   チケット代が3800円と手ごろな料金でコンサートが聴けることで人気のある日経ミューズサロンですが,当たり外れがあります   出演者の誰一人知りませんが,私の感では,このニューイヤーコンサートは”当たり”だと思います

 

     

 

                                           

 

米澤穂信著「満願」(新潮文庫)を読み終わりました   この作品は「このミステリーがすごい!」(2015年版),「週刊文春ミステリーベスト10」(2014年),「ミステリが読みたい!」(2015年版)でそれぞれ第1位となたった話題の本です

米澤穂信の作品はこのブログでも数多くご紹介してきました   簡単に経歴を紹介しておくと,1978年岐阜県生まれ,2001年「氷菓」で角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー,2011年に「折れた竜骨」で日本推理作家協会賞を,14年には「満願」で山本周五郎賞を受賞しています

 

     

 

この本は,「夜警」「死人宿」「柘榴」「万灯」「関守」「満願」の6つの短編から成ります

「夜警」は,ベテラン警察官のかつての部下が,男が刃物を持って暴れている現場に駆け付けたとき,部下が相手を射殺したものの,自らも切りつけられて殉職してしまった事件を振り返るもので,そもそも射殺する必然性があったのかと疑問に思うところから,隠された真相が浮き彫りになる物語です   「死人宿」は,別れた恋人との復縁を希望する主人公の心理と推理を,人里離れた山奥の一軒宿を舞台に描いたもの  「柘榴(ざくろ)」は,美しい中学生姉妹とその父親をめぐる,官能的で危険の匂いがする物語です   「万灯」は,バングラデシュの資源開発に携わるサラリーマンの生きるか死ぬかの危機的状況を描いた物語   「関守」は,伊豆半島のある峠にまつわる都市伝説を取材するため,峠の小さなドライブインを訪れるライターが危機に陥るというストーリーです   「満願」は,借金の取り立てを受けていた畳屋の夫人が貸金業者を殺した事件で,第1審では犯行の計画性が判決に盛り込まれなかったのに,夫人は第2審を前に控訴を取り下げてしまった.どうやら犯行現場にかけられていた掛け軸に飛び散った血液がその理由だと考えられたが,夫人はどうして取り下げたのか,と若き日に夫人に世話になった弁護士が振り返るというストーリーです

「満願」というのは,証拠品の写真に写された達磨の写真について語ったものです

「小さな達磨には目が片方だけ入れられている.するとこれは,鵜川妙子が私と買った達磨だったのかもしれない   私が買った達磨は満願成就して両目が入り,寺に供養してもらった.しかし,鵜川妙子の達磨がどうなったのか,聞いたことはなかった

ここで,「私が買った達磨は満願成就して両目が入り」とあるのは,ストーリーを語っている弁護士が,若き日に苦学の末,弁護士になることが出来たことから達磨に両目が入ったということです   「鵜川妙子の達磨がどうなったのか,聞いたことはなかった」というのは,被告人の女性が控訴して第2審で勝訴すれば両目を入れることが出来るであろうが,控訴を取り下げることによって,守るべきものを守り通せれば,隠したいことを隠し通せれば,両目を入れることが出来る,ということを暗示しています   弁護士は「彼女が守りたいこと,隠したいこと」を推理し,確信をもっています  しかし,すべては終わっています

この本に収録された6つの作品は連作短編とは異なり,それぞれがまったく趣向の異なった筆致で描かれ,著者のエンターティナーとしての才能を強く感じます   6つの中で一番印象が残ったのは「関守」でした   ライターと峠の小さな店のおばあさんとの のんびりした会話のやり取りだと思っていると,ライターが いつの間にか抜き差しならない怖い状況に追い詰められていることに気が付きます  

一気読み必至の短編集です.お薦めします

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ノット+イェンス=ペーター・マインツ+東響でハイドン「交響曲第86番,チェロ協奏曲第1番」,モーツアルト「交響曲第39番」を聴く / オペラシティコンサートホールの不可解なアナウンス改善される

2017年10月16日 08時01分52秒 | 日記

16日(月).わが家に来てから今日で1111日目を迎え,22日投開票の衆院選に関する各紙世論調査で 希望の党(代表:東京都知事 小池百合子)が伸び悩んでいる というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       「都民ファースト」は良かったけど  国政選挙じゃ小池ファーストが露呈してね?

 

                                           

 

昨日,初台の東京オペラシティコンサートホールで東京交響楽団のオペラシティシリーズ第100回演奏会を聴きました   プログラムは①ハイドン「交響曲第86番ニ長調」,②同「チェロ協奏曲第1番ハ長調」,③モーツアルト「交響曲第39番変ホ長調K.543」です   ②のチェロ独奏はイェンス=ペーター・マインツ,指揮はジョナサン・ノットです

昨日のブログをご覧になった方はお気づきと思いますが,②と③は前日 ミューザ川崎で聴いた「モーツアルト・マチネ」と同じプログラム・演奏者です   共にセット券で購入している関係でダブってしまいました  この結果, モーツアルトの「交響曲第39番K.543」に至っては「クラシカル・プレイヤーズ東京」の公演から3日連続で聴くことになりました

 

     

 

1曲目はハイドン「交響曲第86番ニ長調」です   ハイドンは長年務めたエステルハージ家の楽長を辞した後,1785年から86年にかけて6曲の交響曲を作曲しました   これはコンセール・ド・ラ・オランピクというパリの演奏会組織からの委嘱によって書かれたもので,第82番から第87番までの6曲セットで「パリ交響曲」と呼ばれています   6曲は,第82番 ハ長調「熊」,第83番 ト短調「めんどり」,第84番 変ホ長調,第85番 変ロ長調「王妃」,第86番 ニ長調,第87番 イ長調です

第86番 ニ長調は第1楽章「アダージョ~アレグロ・スピリトーソ」,第2楽章「カプリッチョ:ラルゴ」,第3楽章「メヌエット:アレグレット」,第4楽章「アレグロ・コン・スピリート」の4楽章から成ります

ノットのタクトで演奏が開始されますが,全体的に軽快なテンポで演奏を進めます   とくに第4楽章のアレグロは,高速スピードに裏打ちされた躍動感あふれる演奏で 聴衆の心を熱くしました   まるでロッシーニの喜歌劇の早口言葉によるアリアを聴いている時のようなワクワク感を感じました

全体を通して聴いて感じたのは,4つの楽章の作り方がモーツアルトの「交響曲第39番変ホ長調K.543」に似ているな,ということです   ちなみにK.543は第1楽章「アダージョ~アレグロ」,第2楽章「アンダンテ・コン・モート」,第3楽章「メヌエット:アレグレット」,第4楽章「フィナーレ:アレグロ」となっています 単なる偶然とは思えません

この曲はアンタル・ドラティ指揮フィルハーモニア・フンガリカのCD(1971年録音)で予習しておきました

 

     

 

2曲目はハイドン「チェロ協奏曲第1番ハ長調」です   ハンブルク生まれで,ダヴィド・ゲリンガスに師事したイェンス=ペーター・マインツが登場し,スタンバイします   前日のミューザでの演奏と同様に,軽快な演奏を展開しますが,楽器そのものの音色が素晴らしいので,プログラム冊子のプロフィール欄を見たら,使用楽器は1697年製のジョヴァンニ・グランチーノとのことです   また,第1楽章と第2楽章の終盤でカデンツァが演奏されますが,解説によると第1楽章はマインツの師匠ゲリンガスの,第2楽章はベンジャミン・ブリテンのものが用いられたようです   カデンツァともども素晴らしい演奏でした   前日のように演奏中にコンマス・水谷氏のヴァイオリンの弦が切れることもなく無事に終わったのが何よりでした

ソリストのアンコールはバッハの「無伴奏チェロ組曲第3番」から「サラバンド」でしたが,しみじみと良い演奏でした

 

     

 

プログラム後半は,モーツアルト「交響曲第39番変ホ長調K.543」です   昨日も書きましたが,後期三大交響曲(第39番~第41番)は1788年の夏に一気に作曲されました.この第39番は同年6月に完成しています   3曲の作曲の動機は不明ですが,同じ時期に書かれたハイドンの交響曲第82番~84番(1785~86年作曲)と調性が一致していることから,モーツアルトが師と仰ぐ(師事したということではないが)ハイドンを意識して作曲されたことはほぼ間違いないでしょう

    ハイドン 交響曲第82番 ハ長調   モーツアルト 交響曲第41番 ハ長調

     〃   交響曲第83番 ト短調      〃   交響曲第40番 ト短調

     〃   交響曲第84番 変ホ長調     〃   交響曲第39番 変ホ長調

演奏される第39番の大きな特徴はオーボエがない代わりにクラリネットが2本使われるところです   チューニングの要であるオーボエ不在のため,この日もクラリネットのエマニュエル・ヌヴ―氏が音頭を取りましたが,前日同様,その音が大きすぎて,主に楽団員の笑いを誘っていました 小さい音で良く聴こえないより 大きい音の方がベターだとは思いますが

ノットのタクトで演奏に入ります   テンポ設定など演奏スタイルは前日と変わるところはありませんでしたが,会場の違いからか,ミューザの時より直接的に音が迫ってくるように思いました   ミューザの場合はヴィンヤード方式のため客席がステージを囲むので,音が四方八方に分散し,マイルドなホールトーンになりますが,オペラシティの場合はオケの後方が壁なので1階正面の席で聴くと,壁に反射した音が直接的に跳ね返ってくるからだと思います

肝心の第3楽章「メヌエット:アレグレット」では,クラリネットのエマニュエル・ヌヴ―,フルートの甲藤さち,ファゴットの福士マリ子の演奏が楽しく聴けました   3日連続でK.543のメヌエットが聴けて幸せでした

ところで,東響音楽監督ジョナサン・ノットについては,現代音楽の演奏で有名な「アンサンブル・アンテルコンタンポラン」の音楽監督を歴任していることもあって,現代音楽が得意だと言われることが多いようですが,私は断然ベートーヴェンを中心とする古典派音楽が一番良いと思います.今回,ハイドンとモーツアルトを聴いて その感を強くしました   「ノット現代 バット古典」といったところですが,要するにノットはレパートリーが広いということでしょう

 

                                           

 

東京オペラシティコンサートホールで開かれるコンサートの休憩時のアナウンスについて,改善を要する箇所があったため,8月3日付で公益財団法人東京オペラシティ文化財団あて概略次のような手紙(当日付の当toraブログで紹介しています)を出しました

「東京オペラシティコンサートホールで開催されるコンサートの休憩時のアナウンスは,『開演中にケータイ電話の着信音が鳴りますと,他のお客様のご迷惑になる場合がございます.電源をお切りくださいますようお願いいたします』としているが,演奏中のケータイ電話の着信音ほど迷惑なものはない.『迷惑にならない場合』などないのだから,アナウンスは『他のお客様のご迷惑になります.電源をお切りください』と断言すべきである」

当方は「クレーマー」ではないので,住所・氏名・メルアドを明記して手紙を送付しました   しかし,現在に至るまでメールでも手紙でも一切反応がありませんでした   これについて,9月3日に当ブログ読者 みなみさん から,3日に東京フィルのコンサートを聴いたが,友人が「『ご迷惑になります~』とアナウンスしていたと思う」と言っていた とのコメントをいただきました   私も8月28日に「読響三大協奏曲」公演を聴いた時,そのようにアナウンスしていたように思いましたが,確信がもてなかったので,次の機会を待っていたのです

そういう経緯があったので,昨日は 休憩時のアナウンスに耳を傾けていたのですが,「ご迷惑に~」のフレーズはなく,「アラーム付時計,ケータイ電話等の電源はお切りください.補聴器の取り扱いには十分ご注意ください」とアナウンスしていました

同財団から何の反応もないので,私の指摘に応じてアナウンス内容を変えたのかどうかは分かりません   しかし,指摘した当人のことは無視して,シレっと変えたということは想像に難くありません   まるで「誰かから指摘されるまでもなく,われわれは以前からそのように変えるように検討していたのです」とでも言うように   もしそうであるとすれば,同じ財団法人でも東京交響楽団の対応とは天と地ほどの違いがある,と思います

東京交響楽団のプログラム冊子「Symphony」の中で,演奏曲目の前半と後半の間に「休憩」の表示がないことに関し,公益財団法人東京交響楽団あて「休憩」を表示して欲しい旨の手紙を書き,その結果,同財団が速やかな対応を図り9月号から休憩表示に踏み切ったことについては7月22日付の当toraブログ(7月17日,9月17日も参照)に経緯を書きました

同じ公益財団法人であっても,一般聴衆からの要望に対して こうも対応が違うのは,東京交響楽団の場合は全収入に占めるチケット売上収入の占める割合が高い関係で,一般聴衆からの要望に対しては 出来ることは実行しないと定期会員を中心とするリピーターを失う恐れがあるという事情があり,それがコンプライアンスに繋がっているのではないかと思います

一方,東京オペラシティ文化財団の方は,コンサートホールを主催者側に貸しているに過ぎず,コンサートを聴きにくる聴衆とは直接的な利害関係がないので,誰が何を言おうが自分たちの都合で何もかも決めてやっているのだと思われます   「なに,アナウンスの内容について要望がきた?言葉を変えるだけの簡単なことなら変更しておけばいい.要望者にいちいち返事する必要などない.われわれの仕事じゃない」といった具合に   コンプライアンスはどこに

今回の件は,「他のお客様のご迷惑になる場合がございます」といった不可解なアナウンスを二度と聴かないで済むようになったので,精神的に良かったと思います   その点では公益財団法人東京オペラシティ文化財団にお礼を言わなければなりません   さらに,今回 同じ公益財団法人でもコンプライアンスがしっかりしている法人と,まったく出来ていない法人があることが分かった点でも勉強になりました   両公益財団法人にお礼を申し上げます

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東京交響楽団モーツアルト・マチネでモーツアルト「交響曲第39番」,ハイドン「チェロ協奏曲第1番」を聴く~イェンス=ペーター・マインツ(Vc)

2017年10月15日 08時10分08秒 | 日記

15日(日).わが家に来てから今日で1110日目を迎え,米ワシントンで開かれていた主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が13日閉幕したが,会議で財政健全化目標の先送りを表明した日本の取り組みの遅れが浮き彫りになった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     日本は 政府と日銀が結託して 財政再建を先送りしてるから 無責任極まりない!

 

                                           

 

昨日,ミューザ川崎シンフォニーホールで,東京交響楽団の第31回モーツアルト・マチネ公演を聴きました   プログラムは①ハイドン「チェロ協奏曲第1番ハ長調」,②モーツアルト「交響曲第39番変ホ長調K.543」です   ①のチェロ独奏はイェンス=ペーター・マインツ,指揮はジョナサン・ノットです

開演30分前に会場に着いてトイレに行ったら,偶然,昔の仕事の上司 K氏にバッタリ出会いました   新聞関係団体で新聞広告の活性化のために働いていた頃の上司です   話によると 自宅が隣の蒲田にあり 奥さまが東響の定期会員とのことでした   これだから いつ どこで 誰が見ているか分かったものではありません.ヘタなことは出来ませんね

 

     

 

1曲目はハイドンの「チェロ協奏曲第1番ハ長調」です   この曲はハイドン(1732-1809)がハンガリーの貴族エステルハージ家で副楽長を務めていた時期,おそらく1761~65年の間(ハイドン29~33歳)に作曲されたと考えられています   第1楽章「モデラート」,第2楽章「アダージョ」,第3楽章「アレグロ・モルト」の3楽章から成ります

チェロの独奏者イェンス=ペーター・マインツはドイツ出身で,1994年にミュンヘン国際音楽コンクールのチェロ部門で17年ぶりの優勝者となり一躍脚光を浴びました   2006年から世界の実力者が集結するルツェルン祝祭管弦楽団のソロ・チェリストを務めています

オケはいつもの東響の配置をとりますが,管楽器はホルンとオーボエが各2本のみです.コンマスは水谷晃です

ノットと共に長身のイェンス=ペーター・マインツが颯爽と登場します   さっそくノットのタクトで第1楽章が開始されます.冒頭の第1ヴァイオリンの演奏は軽やかで優雅です   独奏チェロが入ってきますが軽快です.なかなか良い感じだな,と思って聴いていたら コンマス水谷氏の弦がプツンと音を立てて切れてしまいました   ”お約束”通り,彼のヴァイオリンは隣のフォアシュピーラー廣岡氏のそれと交換され,すぐ後ろの女性奏者の楽器が廣岡氏に渡され,故障したヴァイオリンを持った女性奏者が舞台袖に引き上げました   そして,第1楽章が終わったところで修理後のヴァイオリンが本人に戻されました   たまにこういう”事故”がありますが,演奏者は慣れたものです.それにしても,演奏が始まったばかりなのにどうして弦が切れるのでしょうか? 午前中の川崎の天気は霧雨でしたが,ホール内の湿度なども関係あるのかも知れませんね   いずれにしても,コンサートは何が起こるか分かりません

第2楽章は,ほとんど独奏チェロの独壇場です   終始穏やかなメロディーを気持ちよさそうに奏でます   一方,この楽章では管楽器は暇そうです.まったく出番がありません   一転 第3楽章は冒頭から速いテンポの小気味の良い演奏が展開します   もしモーツアルトがチェロ協奏曲を作曲していたら,こんな感じの曲を作っていたかも知れないな,と想像しました

会場いっぱいの拍手にイェンス=ペーター・マインツはバッハの「無伴奏チェロ組曲第3番」から「ブーレ」を穏やかに演奏し,聴衆のクールダウンを図りました

 

     

 

プログラム後半は,モーツアルト「交響曲第39番変ホ長調K.543」です   この曲は前日 「クラリカル・プレイヤーズ東京」の演奏で聴いたばかりです   第1楽章「アダージョ ー アレグロ」,第2楽章「アンダンテ・コン・モート」,第3楽章「メヌエット:アレグレット」,第4楽章「フィナーレ:アレグロ」の4楽章から成ります

オーボエ奏者が退席し,代わりにクラリネット,フルート,ファゴット,トランペット,ティンパニなどが入ります   オーボエがいないので,クラリネットがチューニングの音頭をとりますが,エマニュエル・ヌヴ―の音があまりにも大きく 他の楽員が苦笑していました

ノットのタクトで第1楽章が荘重な序奏で開始されます   そして活気のある曲想に転じ躍動感あふれる演奏が展開します   テンポ設定は,前日聴いた「クラシカル・プレイヤーズ東京」とほとんど変わらない小気味の良いものですが,オーケストラから出てくる音や音色は,前者が古楽器特有の18世紀的色彩の強いものだったとすれば,後者は最新の機能的な楽器による豊かなボリュームと現代的な明快な音色が特徴だと言えるでしょう

前日のブログにも書きましたが,私が注目するのは第3楽章「メヌエット:アレグレット」をどのように演奏するか,です   ノットらしいやや速めのテンポでグイグイ進めます   中間部のトリオはクラリネット,フルートに優美に歌わせていましたが,やはり,現代のモーツアルトを感じました

第4楽章「アレグロ」は,1つのテーマが多様に変形しながら展開していきます   小林秀雄はエッセイ『モオツァルト』の中で,このテーマについて,楽譜を紹介しながら,次のように書いています

「今,これを書いている部屋の窓から,明け方の空に,赤く染まった小さな雲のきれぎれが,動いているのが見える.まるで,【※テーマの楽譜】の様な形をしている,とふと思った.三十九番シンフォ二イの最後の全楽章が,このささやかな十六分音符の不安定な集まりを支点とした梃子(てこ)の上で,奇跡のようにゆらめく様は,モオツァルトが好きな人なら誰もが知っている」

このテーマについて,これ以上の表現は不可能です   ノット+東響の演奏を聴きながら,小林秀雄のこのエッセイを思い出していました

 

     

 

実は,今日も「東響オペラシティシリーズ」で同じ曲を聴きます   3曲のうち2曲が「モーツアルト・マチネ」とダブっているのです   どちらもセットで買っているのでダブりはやむを得ない面もあります   今回はモーツアルトの大好きな第39番なので,同じ演奏者でも喜んで聴きたいと思いますが,主催者側には,出来るだけダブらないプログラミングを心がけて欲しいと思います

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「クラシカル・プレイヤーズ東京」最終公演を聴く~モーツアルト「交響曲第39番,第41番」「ピアノ協奏曲第27番」(P:仲道郁代)

2017年10月14日 08時05分50秒 | 日記

14日(土).昨日,予約した時間に行きつけの歯医者に行き,歯石を除去してもらいました   健康保険適用で初診料含めて2600円って高くね 歯医者 おぬしも悪よのう

話は180度変わりますが,昨夜10時過ぎに仕事から帰ってきた娘が,誕生祝いに花をプレゼントしてくれました   秋らしいきれいな花です.家族が一番です.とても嬉しいです

 

     

 

ということで,わが家に来てから今日で1109日目を迎え,TOTOが13日までに,トイレにまつわるエピソードを詠んだ第13回「トイレ川柳」の入選作40作を発表し,最優秀賞が「間に合った  こんな幸せ  ありますか?」に決まったというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     誰でも経験のありそうなこの川柳を水洗,もとい推薦します 感動でチビリそう 

 

                                           

 

昨日,夕食に「鶏肉のマヨポン炒め」と「生野菜サラダ」を作りました   「鶏肉~」はマヨネーズを2回に分けて使用するのがコツです

 

     

 

                                             

 

昨夕,池袋の東京芸術劇場コンサートホールで「クラシカル・プレイヤーズ東京」の最終公演を聴きました   オール・モーツアルト・プログラムで①交響曲第39番変ホ長調K.543,②ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595,③交響曲第41番ハ長調K.551”ジュピター”です.②のピアノ独奏は仲道郁代,指揮は有田正広です

「クラシカル・プレイヤーズ東京」は,フルーティスト有田正広を中心に1989年に創設された「東京バッハ・モーツアルト・オーケストラ」が母体となり,2009年に現在の名前に改称して活動を継続してきた団体です   「クラシカル」の名前の通り,作曲された当時使用されていた楽器(オリジナル楽器=ピリオド楽器)を使用し,その楽器に合った演奏をするという方針で活動してきた「古楽器演奏集団」です

 

     

 

自席は1階M列12番,左ブロック右通路側です.会場は9割方埋まっているでしょうか   良く入りました

オケのメンバーが入場し,配置に着きます   弦の配置は左奥にコントラバス,前に左から第1ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという対向配置をとります   コンミスはバッハ・コレギウム・ジャパン(B.C.J)のヴァイオリニストでお馴染みの荒木優子さんです   オケを見渡すと,ヴィオラの成田寛,チェロの山本徹,フルートの前田りり子,ファゴットの堂阪清高といったB.C.Jの主要メンバーが揃っているのが分かります   金管楽器を見ると,ナチュナル・ホルン,ナチュナル・トランペットといったバルブのない古楽器が使われています

全く性格の異なるモーツアルトの交響曲第39番,第40番,第41番の3曲は,よく知られているように,モーツアルトが1788年の6月から8月までの3か月の間に一気に作曲されました  ここにもモーツアルトの天才性が表れています   参考までに,奇才アーノンクールはこの3曲を一つの大きなオラトリオとして捉え,そのように演奏しているCDがあります

 

     

 

荒木さんの合図でチューニングに入りますが,オーボエがいません   よく考えてみたら,1曲目の「交響曲第39番K.543」はオーボエが使用されないことを思い出しました   その代わりというか,クラリネットが2本入ります   これが第3楽章「メヌエット:アレグレット」で生きてきます

指揮者の有田正広氏が指揮台に上がり,第1楽章「アダージョ ー アレグロ」に入ります   小気味の良いテンポは有田氏の理想とするモーツアルトでしょう   私は晩年の3つの交響曲の中ではこの第39番が一番好きですが,とくに好きなのは第3楽章「メヌエット:アレグレット」です   極端なことを言えば,この楽章の良し悪しで演奏全体の良し悪しを判断するほど この楽章をどう演奏するかに注意を傾けます   その意味では,彼らの演奏はテンポ設定といい,クラリネットとフルートとファゴットの演奏といい,理想的なモーツアルトでした   とくにクラリネットとフルートは古楽器特有の音色で,両者が木管楽器であるという原点を思い出させる素晴らしい演奏でした

これが,先に紹介したアーノンクールのような超高速演奏だったら,「モーツアルトに対する冒涜だ」と叫んで,その場で席を蹴って退席していたことでしょう

2曲目はモーツアルトの最後の年,1791年1月5日に完成した「ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595」です   ハープシコードくらいの大きさのフォルテピアノ(古楽器)が舞台中央に運ばれ,クラリネットの代わりにオーボエが2本加わります.一人はB.C.Jでお馴染みの尾崎温子さんです   臙脂色の衣装を身に着けた仲道郁代さんが登場,フォルテピアノに向かいます

この曲は第1楽章「アレグロ」,第2楽章「ラルゲット」,第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります

有田氏の指揮で第1楽章の長い序奏が演奏されます   この間,ソリストの仲道さんは曲に合わせてアドリブで鍵盤に指を置き,音を出さずに演奏に加わります   いよいよピアノの出番になると軽快に演奏を始めますが,フォルテピアノの性格上,音が小さいのは仕方ありません   古楽器特有の柔らかく優しい音色が会場に響き渡ります

心地よい気持ちで聴いていましたが,第1楽章中盤あたりで,「このフレーズはこんなに繰り返しが多かったかな?」と思うような演奏が聴かれました   はっきり言うと「演奏が迷走しているのではないか」と思いました   過去に彼女のリサイタルでモーツアルトを弾いた時に同じようなことがあったので,気になりました   私だけの勘違いであれば良いのですが

第3楽章はK596の歌曲「春への憧れ」と同じメロディーが使われています   作曲順から言うと,ピアノ協奏曲K.595の方が先で,歌曲はそのメロディーに詩を付けたのでしょう   いつも弾いているグランド・ピアノとフォルテピアノとでは弾き方も変わってくるでしょうから,弾きにくい面も多々あると思われますが,仲道さんは何とかフィナーレまで弾き切りました

 

     

 

プログラム後半は,交響曲第41番ハ長調「ジュピター」K.551です   この曲ではオーボエが2本入った代わりにクラリネットがありません   この曲は第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」,第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」,第3楽章「メヌエット:アレグレット」,第4楽章「モルト・アレグロ」の4楽章から成りますが,わずか2週間で書かれたと考えられています

第1楽章が力強い総奏で開始されます   この曲でも有田氏は歯切れの良いメリハリのある演奏を展開します   全体を通じて尾崎温子さんのオーボエと前田りり子さんのフルートが冴えわたっていました

会場いっぱいの拍手に,弦楽器セクションによりJ.S.バッハの「G線上のアリア」がアンコールに演奏されました   この時点ではクラリネット奏者がステージにいません   と思っていたら,クラリネット奏者が舞台袖からブーケの花束を持って登場し,指揮台の有田氏に手向け,急いで演奏の準備にかかりました   2曲目のアンコールとして,モーツアルト「交響曲第35番ニ長調”ハフナー”K.385」の第1楽章「アレグロ・コン・スピリト」を躍動感あふれる演奏で展開しコンサートを締めくくりました

古楽器のプロ集団「クラシカル・プレイヤーズ東京」の活動が今回をもって終了するのは寂しい限りです   世界に誇るバッハ・コレギウム・ジャパンはほとんどバッハしか演奏しないし,名の通った古楽器演奏集団で残るのは鈴木秀美氏率いる「オーケストラ・リベラ・クラシカ」くらいしかありません   有田氏のことですから,また新しい古楽器演奏集団を結成するのではないかと期待することにしましょう

 

     

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ジュディ・ガーランド主演「オズの魔法使」「スタア誕生」を観る~ミュージカル映画の傑作:新文芸坐

2017年10月13日 08時02分35秒 | 日記

13日(金).昨夕は1日前倒しの誕生祝に娘がピザを取ってくれたので料理はお休みしました たまにはいいよね

 

     

     

 

ということで,わが家に来てから今日で1108日目を迎え,米国のティラーソン国務長官がトランプ大統領を「バカ」と呼んだという報道を受けて,トランプ大統領が「IQ比べをやったら どちらが勝つかはわかっている」と語った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

      

      本当にIQが高い人はそういうコメントをしないと思う  アメリカ国民が可哀そう

 

                                           

昨日,池袋の新文芸坐で「オズの魔法使」と「スタア誕生」の2本立てを観ました

「オズの魔法使」はヴィクター・フレミング監督による1939年アメリカ映画(カラー,102分)です

 

     

 

カンザス州でエム叔母らと暮らす少女ドロシー(ジュディ・ガーランド)は飼い犬トトと共に大竜巻に巻き上げらたが,下りた所は夢の国オズだった   北の良い魔女グリンダから故郷のカンザスに帰るためには,エメラルド・シティにいる「オズの魔法使い」に頼むことだと聞いて,ドロシーはエメラルド・シティを目指して出発する.途中で臆病者のライオンのジーク(バート・ラー),脳のないカカシのハンク(レイ・ボルジャー),心のないブリキの木こりティンマン(ヘイリー)に出逢い,彼らを仲間に引き入れながら前に進む 途中で西の悪い魔女の邪魔が入り危ない目にあうが,北の良い魔女が助けてくれる.ドロシーたちはやっとオズの魔法使いに会うことが出来るが,その正体は機械を操る詐欺師だった   北の良い魔女から「家に帰りたいと念じて 銀の靴のかかとを3回合わせる」ように言われ,目をつぶって念じると,ドロシーはカンザスの自宅のベッドの上で目を覚ます

 

     

 

この作品は,子どもたちが小さい時によく観ました   たしか,テレビで放映していたのをVHSで録画しておいたのだと思います.大人の今になって観ても,良く出来た作品だと思います    ジュディ・ガーランドは当時16歳でした

この映画はモノトーン画面から始まりますが,ドロシーがオズの国に着いてドアを開けると,外は鮮やかなカラーの世界が広がっています   この演出は見事です   そしてドロシーがエメラルド・シティを目指して出発する時,空にかかった虹を見ながら「オーバー・ザ・レインボウ」が歌われます   そう,この作品はミュージカル映画だったことを思い出しました

子供向けの映画じゃないか,と思ったら大きな間違いで,例えば,脳のないカカシは「僕の身体は藁で出来ているから,脳がなくて頭が空っぽなんだよ.でも,よくしゃべる人ほど頭は空っぽだって言うからね」と鋭い見解を述べたりするので,油断ができません

途中で出逢うキャラクターの中では勇気のないライオンが一番可笑しかったです   第一 あの顔付きでは誰も怖がらないだろうという優しい顔をしています

驚くべきは子犬のトトです   もし動物にアカデミー賞があるならトトは確実に最有力候補にノミネートされるでしょう   よく訓練されていて,人間顔負けの演技力を発揮しています

就学前,あるいは小学校低学年の子どもをお持ちの方には是非お薦めしたい映画です

 

                                           

「スタア誕生」はジョージ・キューカー監督による1954年アメリカ映画(カラー,175分)です

 

     

 

コーラス・ガールのエスター(ジュディ・ガーランド)はハリウッドの大スター,ノーマン(ジェームズ・メイソン)に実力を見い出される   ノーマンの口利きによって,エスターは次第にスターの階段を登っていく   そして,エスターはノーマンに対する深い愛情を覚え結婚する   しかし,彼女がオスカーを手にするまでに登り詰めたとき,酒で身を崩したノーマンは落ちぶれて自殺してしまう   失意のあまりエスターは一度は引退を決意するが,苦楽を共にしたかつての同僚に説得され再び舞台に立つ決意をする

 

     

 

「オズの魔法使い」から15年後(32歳)のジュディ・ガーランド主演映画です   正直言って,最初に見た時どれがジュディ・ガーランドか分かりませんでした.あまりにも若き日の「オズ~」のイメージが強かったからです この15年の間の彼女の人生は文字通り波乱万丈だったようです.3度の結婚,薬物中毒,自殺未遂など,私生活では相当荒れていたようです   この「スタア誕生」の撮影中も,遅刻常習者として映画会社を困らせていたと言われています

そうは言うものの,彼女は歌は抜群に上手いし,踊りも完璧です   ドラマの中盤で,新居の中で夫を前にエスターが世界の音楽に合わせて一人で歌い踊るシーンがありますが,あれだけでも いかに彼女が優れたエンターティナーであるかが分かります

最後にエスターが復帰の舞台に立って挨拶をしますが,満場の観衆を前に「エスターです」と言わずに「ミセス・ノーマンです」と名乗るところは感動的です   あくまでもノーマンに見い出され育てられた結果,今の自分があるのだということを名前に込めたからです

映画監督で2番目の夫ヴィンセント・ミネリとの間に生まれたのが「キャバレー」の大ヒットで一世を風靡したライザ・ミネリですが,まさに第2の「スタア誕生」だったと言えるでしょう

  

     

     

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ヴィクター・フレミング監督「風と共に去りぬ」を観る~不滅のヴィヴィアン・リー&クラーク・ゲーブル,そしてタラのテーマ

2017年10月12日 07時56分44秒 | 日記

12日(木).わが家に来てから今日で1107日目を迎え,スペインのカタルーニャ自治州のプッチダモン州首相が10日,強行した住民投票で独立派が多数を占めたことを踏まえ,「独立宣言」に署名した一方で,議会演説では「スペイン政府との対話のため,独立宣言の効力をいったん凍結するよう提案する」と表明した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       独立したいの? したくないの? 考えるのカッタル―イャなの? Petit だも~んさん

 

                                           

 

昨日,夕食に「豚バラなす」と「生野菜とサーモンのサラダ」を作りました   新しいフライパンが大活躍です

 

     

 

                                           

 

昨日,池袋の新文芸坐でヴィクター・フレミング監督「風と共に去りぬ」を観ました   これはマーガレット・ミッチェル原作による1939年アメリカ映画(カラー,233分)です

 

     

 

時は1861年.アメリカの南北戦争が始まろうとしていた   ジョージア州タラの大地主ジェラルド・オハラ(トーマス・ミッチェル)の長女スカーレット(ヴィヴィアン・リー)は,もう一軒の大地主ウィルクス家の息子で彼女の幼馴染みのアシュリー(レスリー・ハワード)と,彼の従妹メラニー(オリヴィア・デ・ハヴィランド)の婚約が明日の野外宴会で発表されると聞いて心穏やかではなかった   美しいが気性が激しいスカーレットは青年たちの憧れの的だったが,彼女の心はアシュリーだけに傾いていた.宴会当日,スカーレットは想いのたけをアシュリーに告白したが,彼の心は気立ての優しいメラニーに向けられていた.スカーレットは,チャールズトン生まれの船長で気性の荒いレッド・バトラー(クラーク・ゲーブル)に会い,彼の臆面のない態度に激しい憎しみを抱きながらも,どこか惹きつけられていた   突然,戦争の開始が伝えられ,スカーレットは失恋の自業からメラニーの兄チャールズの求婚を受け入れ結婚してしまう   メラニーと結婚したアシュリーもチャールズも志願して戦争に赴いたが,チャールズは戦争で病を得て死んでしまう   スカーレットは喪に服す味気ない生活から逃れるためアトランタのメラニーの元へ行き,陸軍病院のバザーでレットと再会する.レットは強引に彼女に接近してくる   スカーレットとメラニーは看護婦として働いていたが,戦況は南軍に不利になり,やがてアトランタは北軍の接近に怯えるようになる   スカーレットと生まれたばかりの子供を抱えたメラニーは,レットの馬車で故郷タラへ向かう   レットは途中ひとり戦線へ向かい,残された2人はやっとの思いでタラの地に着くが,すでの北軍に蹂躙された後で廃墟になっていた(以上,前編)

戦争は南軍の敗北に終わった.捕虜になっていたアシュリーが帰り メラニーを喜ばせたが,スカーレットは再び彼に愛を告白して撥ねつけられる   タラの土地は重税が課されることになった   土地を守る決意を固めたスカーレットは,その頃北軍の営巣に捕らえられていたレットに金策を頼みに行ったが断られる   彼女は妹スーレン(イヴリン・キース)の許婚フランクが事業に成功しているのを見て,欺いて妹から彼を奪い結婚し,事業を自分の手中に収め アシュリーを仲間に引き入れ,ただ金儲けだけに生きるようになる   フランクが死んで,スカーレットはレットと結婚し,娘ボニーを生んだが,まだアシュリーへの想いが断ち切れなかったため,レットはもっぱらボニーへ愛情を注いだ   こうした結婚生活の不和から,レットはボニーを連れロンドンへ行ったが,ボニーが母を想うので再び戻ってくる.ところがボニーが落馬して死に,メラニーも病死してしまう   このためレットとスカーレットの結婚生活はついに破綻してしまい,レットはチャールズトンへと去っていく   スカーレットはこの時初めてレットを愛していると気づくが,一番愛しているのはやはりタラの土地だった   彼女はタラに帰ってすべてを考え直そうと決心する(以上,後編)

 

     

 

この映画は初めて観ましたが,映画が始まると真っ黒の画面に音楽だけが流れ,字幕で「序曲」と表示が出ます   その後に鮮やかなカラーとともに 「Gone with the Wind」 のタイトルが出て主なキャストが紹介されます.まるでオペラ仕立てです

4時間弱の映画のほぼ中ほどで前編が終わり,休憩に入りますが,15分の休憩後 後編に入る時,やはり画面が真っ黒の状態で音楽が流れ,字幕で「間奏曲」と表示が出ます.ますますオペラ仕立てです

そして,映画が終わり「 The End」 の表示が出た後で,やはり画面が真っ黒になり,音楽が流れ,字幕で「終曲」と表示が出ます.これはオペラでは出ません   やはり映画は映画です

美人ではあるけれど勝気で積極的なスカーレット役の人選は最後まで難航したようですが,「なぜアメリカ人でなくイギリス人を採用したのか」という批判もあったものの,ヴィヴィアン・リーほど相応しい女性はいないでしょう

一方,すべてを自分の利益を基準に考えて行動するものの,スカーレットを愛する心は誰にも負けないレット・バトラーに,ニヒルなクラーク・ゲーブルは最適です

この映画で一番有名なシーンは前編の最後の,アトランタ市街で炎上して崩れ落ちる建物の前を馬車が通り抜けるシーンですが,あのタイミングは絶妙です   1秒でも遅かったら巻き添えを食っていたかも知れません   まさに危機一髪といった名シーンです

ところで,映画のタイトル「風と共に去りぬ」は,アーネスト・ダウスンの恋愛詩「シナラ」から採られたものです

「かつて在りし騎士道と綿畑の地 人はその地を古き良き南部と呼んだ・・・(途中略)・・・今は歴史に記されるだけの儚い思い出となった 大いなる文化は 風と共に去りぬ」

つまり,アメリカ南部の一つの文化が南北戦争の烈風と共に消え去ったことを意味しているのです

もしスカーレットが北部の生まれという設定だったら,まったく別のヒロインが誕生していたことでしょう   いまこのブログを書いている最中,頭の中で「タラのテーマ」が鳴り続けています   「風と共に去りぬ」と聞くと,ヴィヴィアン・リー,クラーク・ゲーブルとともに「タラのテーマ」を思い出すことになるでしょう

 

     

     

 

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