県の救急医療の現状及び2024年12月2日(月曜日)からの救急搬送における選定療養費の徴収開始について
茨城県では重篤な救急患者の受入れなど、大病院が本来の役割を果たし、本県の救急医療体制を維持するため、令和6年12月2日(月曜日)午前8時30分から、救急車で搬送された方のうち、救急車要請時の緊急性が認められない場合は、一部の大病院において選定療養費を徴収いたします。
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1.本県の救急医療の現状
- 救急車の要請に対し、救急隊は原則搬送しなければならず、搬送を拒否することはできません。
- 一方で、救急搬送件数を見ると、近年、増加傾向にあり、令和5年(2023年)は14万件を超え、過去最多を更新しましたが、その6割以上が一般病床数200床以上の病院に集中し、うち約半数は軽症患者が占め、中には緊急性の低いケースも見受けられます。
- さらに、本年4月からの医師の時間外労働の上限規制強化の影響もあり、今後、救急医療現場の更なるひっ迫が懸念される状況となっております。
救急搬送件数の推移
2.救急医療体制を維持するために
- このままの状況が続くと、真に救急医療を必要とする緊急性の高い患者に医療を提供できず、救える命が救えなくなる事態が懸念されます。
- 茨城県では重篤な救急患者の受入れなど、大病院が本来の役割を果たし、本県の救急医療体制を維持するため、救急車で搬送された方のうち、救急車要請時の緊急性が認められない場合は、下記の対象病院において選定療養費を徴収いたします。
※救急車による搬送が必要な緊急性のある症状については、引き続き、選定療養費を徴収しませんので、緊急の場合は、これまで通りためらわずに救急車を要請してください。
3.選定療養費とは
医療機関はその機能・規模により地域で担う役割が異なりますが、「とりあえず大病院を受診」という傾向になりやすく、一部の大病院に外来患者が集中し、患者の待ち時間や勤務医の外来負担等の増加が課題となっていました。
- このため、平成28年度(2016年度)から、紹介状を持たずに大病院を受診する場合には、一定の負担(選定療養費)を患者に求めることが義務化されました。
4.対象病院等
開始時期 | 令和6年(2024年)12月2日(月曜日)午前8時30分から |
(22病院) |
【水戸市】総合病院水戸協同病院、水戸赤十字病院、水戸済生会総合病院 【笠間市】茨城県立中央病院 【茨城町】水戸医療センター 【日立市】日立総合病院 【ひたちなか市】ひたちなか総合病院 【東海村】茨城東病院 【神栖市】白十字総合病院 【土浦市】総合病院土浦協同病院、霞ヶ浦医療センター 【つくば市】筑波大学附属病院、筑波メディカルセンター病院、筑波記念病院、筑波学園病院 【龍ケ崎市】龍ケ崎済生会病院 【取手市】JAとりで総合医療センター 【牛久市】牛久愛和総合病院、つくばセントラル病院 【阿見町】東京医科大学茨城医療センター 【筑西市】茨城県西部メディカルセンター 【境町】茨城西南医療センター病院 |
対応 |
初診時に紹介状なしで上記病院を受診すると選定療養費の支払いが必要となります。 【徴収の対象外となる場合】 |
5.料金
※12月2日から徴収される料金
6.緊急性の目安
- 救急車で搬送された際の選定療養費は、入院の有無や軽症かどうかではなく、救急車要請時の緊急性が認められない場合に対象病院において徴収されます。
- 例えば、熱中症、小児の熱性けいれん、てんかん発作などの症状は、病院到着時に改善し、結果として「軽症」と診断された場合でも、救急車を呼んだ時点での緊急性が認められるケースに該当するため、徴収の対象とはなりません。
救急車要請時の緊急性が認められない可能性がある主な事例
次の症状で医療機関にかかるときは、「とりあえず救急車」でなく、かかりつけ医や地域の診療所などを、通常の診療時間に受診してください。急いで受診するべきか迷った場合は、下記の救急電話相談へご相談ください。
明らかに緊急性が認められない症状
- 軽い切り傷のみ
- 軽い擦り傷のみ
緊急性が低い症状
- 微熱のみ(37.4℃以下)
- 虫に刺されたり、かまれたりした部分が赤くなり、痛いのみで、全身のショック症状(じんましん等)は見られない
- 風邪の症状のみ
- 打撲のみ
- 慢性的なまたは数日前からの歯痛
- 慢性的なまたは数日前からの腰痛
- 便秘のみ
- 何日も症状が続いていて、特に悪化したわけではない
- 何となく体調が悪い、頭が重い、イライラするといった症状のみ
- 眠れないのみ
救急車要請時の緊急性があると判断される可能性が高い主な事例
次の症状が見られたときは、ためらわずに救急車を呼んでください
15歳以上
- 物を喉に詰まらせて、呼吸が苦しい
- 急な息切れ、呼吸困難
- 顔色が明らかに悪い
- 急に便に血が混ざりだした、急に真っ黒い便が出た
- 意識の障害(返事がない、様子がおかしい、もうろうとしている)
- けいれんが止まらない
- 支え無しで立てないぐらいに、ふらつく
- 突然、周りが二重に見える
- ろれつが回りにくく、うまく話せない
- 顔半分が動きにくい
- 突然の顔や手足のしびれ
- 大量の出血を伴うけが
- 広範囲のやけど
- 虫に刺されて、全身にじんましんが出て、顔色が悪い
- 転んだり転落、交通事故で強い衝撃を受けた
- 血を吐く
- 突然の高熱
- 突然の激しい頭痛
- 胸や背中の突然の激痛
- 突然の激しい腹痛
15歳未満
- 物を喉に詰まらせて、呼吸が苦しい
- 激しいせき、ゼーゼーして呼吸が苦しそう
- 15秒以上の無呼吸がある
- 唇の色が紫、顔色が青白い
- 全身が青くなっている
- 頭を強くぶつけて、出血が止まらない、吐いている、顔色が悪い
- 急に便に血が混ざりだした、急に真っ黒い便が出た
- 意識の障害(返事がない、様子がおかしい、もうろうとしている)
- けいれんが止まらない、一度止まっても24時間以内に2回繰り返す
- 手足が硬直している
- 刺激しても反応が鈍い、眠ってばかりいる
- 意味不明の言動がある、異様に興奮している
- 大量の出血を伴うけが
- 広範囲のやけど
- 虫に刺されて全身にじんましんが出て、顔色が悪い
- 転んだり転落、交通事故で強い衝撃を受けた
- 突然の激しい腹痛
- 繰り返し吐く
- 保護者から見て、いつもと違う、様子がおかしい
7.Q&A
Q1:茨城県の救急医療の現状を教えてください。
A1:近年、救急搬送件数は増加傾向にあり、その6割以上が大病院に集中し、うち約半数は軽症患者が占め、中には緊急性の低いケースも見受けられます。今後、救急医療現場の更なるひっ迫が進めば、真に救急医療を必要とする方へ医療を提供できなくなる事態も懸念されます。
Q2:緊急性が低いと思われる場合は、どのように医療機関を受診すべきですか?
A2:とりあえず救急車を呼ぶのではなく、まずはかかりつけ医や地域の診療所等の一般外来を通常の診療時間に受診してください。必要な場合には、かかりつけ医等が大きな病院を紹介します。医療機関の役割に応じた適正受診にご理解・ご協力をお願いします。
Q3:緊急性が低い場合は、救急車で搬送してもらえないのですか?
A3:救急隊は、患者から搬送を拒否された場合を除き、搬送することとされています。
Q4:救急車を呼ぶべきか判断に迷う場合は、どうしたらよいですか?
A4:判断に迷う場合は「茨城県救急電話相談」へご相談ください。おとな(15歳以上)の相談は#7119に、子ども(15歳未満)の相談は#8000に電話をお掛けください。
Q5:救急車を有料化するということですか?
A5:救急車の有料化ではありません。既存の選定療養費制度の運用を見直し、救急車で搬送された方のうち、救急車要請時の緊急性が認められない場合には、対象病院において選定療養費をお支払いいただくものです。
Q6:どうして選定療養費を払うのですか?
A6:紹介状を持たずに大病院を受診する場合には、選定療養費の支払いを求められることが国の法律等に基づき定められています。
本県では、令和6年(2024年)12月2日から、救急車で搬送された方についても、救急車要請時の緊急性が認められない場合には、これと同様に選定療養費をお支払いいただきます。
Q7:選定療養費がかからない医療機関へ搬送するよう救急隊に頼むことはできますか?
A7:できません。一刻を争う救急の現場では、救急隊は、患者の症状とそれに対応可能な医療機関の受入状況に応じて、搬送先を適切に選定することとなります。
Q8:茨城県民でなくても徴収対象になりますか?
A8:茨城県内の対象病院に救急車で搬送され、救急車要請時の緊急性が認められない場合には、徴収の対象になります。
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