漆原将司は、性格の上で、団体行動を忌避していた。
そして、大学側の運営には常に違和感を抱いていたのである。
その一つが、ある日に行われた校歌の練習の大学側からの強要であった。
当時は、大学の下部組織として「学生会」が存在して、学生たちを監視していたのだ。
将司は、大学付属高校の出身であり、校歌は飽きるほど歌ってきた。
そこで、大学での校歌練習を軽視して、外出する。
ところが、大学の校門には「学生会」の数人が監視して、「お前、大事な校歌の練習を無視するのか」と立ちはだかるのだ。
当然、将司は無視して、強引に門外へ足を向ける。
とことが、二人の学生会の生徒が将司に掴みかかり、彼を羽交い絞めにするのだ。
だが、空手を高校生の時から習ってきた将司は、その二人を撃退した。
路上に倒された一人が「お前を歌舞伎町で見かけたけど、もしかして、高田組(仮称・右翼団体)の人間か」と問うのだ。
そこで、将司は大学の「学生会」と右翼団体の因果関係を初めて察知する。
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