レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

まだここにある低気圧

2018-02-25 05:00:00 | 日記
前回は、この冬アイスランドが見舞われている荒天、ミニ台風に関して書きました。実は先週も引き続きこのミニ台風に悩まされました。特に水曜日は、レイキャビクを含む、南西部及び南部にオレンジ·警報が出され、午前7時くらいから午後1時くらいにかけて、猛烈な風が時折雪やみぞれを交えて吹き荒びました。

運の悪いことに、午前8時くらいから10時くらいが、ミニ台風のピークになり、通勤時間にまったく被ってしまいました。このところ息子が私の古アパートに居候しているのですが、彼も8時半くらいに車で出勤。帰宅してから「運転がしんどかったし、スボンが雨でびしょびしょになった」とぼやいていました。

私自身は自宅勤務でラッキー。冬の朝が暗い期間は、私は午前中にはなるべくアポを入れずに、デスクワークの時間に当てています。朝が暗いと体調がすぐれなくなることが多くなってきたので、その対策です。デスクワークのほとんどは自宅でもできるものが多いのです。

今回のミニ台風は、水曜日を含めて、その前の二日間くらいは気温が上がり、かなり寒さが和らいでいたこともあり、大量の雪解け水を巻き込んで相当な交通障害を引き起こしました。




道路が川化して怖いのは、どこが道かわからないこと
Myndin er ur Visir.is


レイキャビク近郊の幹線を含む道路のあちこちが「川」と化し、車が動けなくなったり、道路封鎖されたりしました。除雪車が雪ではなく、水を押し出している映像がニュースで流れました。道路だけではなく、なんとケフラビク国際空港でもご同様。

このところのミニ台風というか、低気圧群の疲れるところは、「台風一過」の晴天ということがなく、ミニ台風が過ぎた後も、低気圧の一部がはびこったまんまで、相変わらず風が強いことです。もちろん警報は引っ込みますが、この風、例えばデンマークだったら絶対「強風!」とみなされる強さでしょう。

ところで、この水曜日のように、オレンジ警報が出されるような場合には、当然警察、レスキュー隊、消防関係などはスタンバイして出動に備えます。今回は平日の朝にかかっていましたので、学校関係者なども休校にするかどうか、という決断をしなければなりません。

学校に関していうと、ちょうど登校時間にもぶつかっていましたので、前夜のうちから「子供をひとりで登校させないで」という呼びかけが警察関係からだされていました。それだけではなく、実際に休校にするかしないかは、それぞれの学校の判断にまかされます。相当数の学校がやすみになったのではないかと思います。

ちなみに、休校になるとして、その旨を各生徒の家庭に伝達しなければならないのですが、最近外国人家庭の子供も増えているため、アイスランド語だけでは伝達しきれない、という事態が起こっています。ある時、荒天で休校になった時、外国人の子供たちだけは何も知らずに登校してきてしまった、というような珍事?が実際に起こりました。珍事と言ってはいけませんね。当の子供とその家庭にとっては怒り心頭もんです。

私自身は、午後に空港の街ケフラビクでの祈りの会があったのですが、これは前夜のうちに当然「お休み」宣言を出しました。実際、朝から道路は封鎖されたとのこと。

他のいくつかの教会関係の会議や集会も、前夜のうちからキャンセルされていました。さすがアイスランド人。手馴れています。




これは国際空港で水を押し出そうという懸命の作業
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金曜日には、再びイエロー警報が一日中出されました。北西部ではまたしてもオレンジ警報。これだけひっきりなしだと、さすがに疲れてきます。

という、惨めな天候と道路事情を強いられているレイキャビク市民ですが、救いはすでに夕方6時半くらいまで完璧に明るくなっていることで、「冬は永遠ではない」と励ましてくれることです。

日の長さ、は絶対に後戻りせず進んでいく頼もしい自然現象です。青空はまったく当てにならないアイスランドでも、日の長さの変化は「鉄板」です。まあ、逆に暗くなっていく時も同じですけどね。

私はなぜか、周りが明るくなると嬉しくなってきます。かつては陽が落ちて、赤提灯の微笑みが目に染みるようになると嬉しがっていたのですが、人も変わる部分は変わるようです。

荒天の話しばかりで退屈させていることと思います。すみません。今のところ、他にあまり話題がないのです。ユダヤ教徒が男の赤ちゃんにする「割礼」という儀式があるのですが、これをアイスランドでは禁止にしよう、という法案が今、熱い議論を呼んでいます。

「割礼」というのは男性の大切な部分の包皮をちょっと切る施術です。詳しいことはネットで調べてください。表現に気を使いますので。

もともとは赤ちゃんを病気から守る意味があったと理解していますが、ここアイスランドではこれを「赤ちゃんの身体に危害を与える反人権行為」と考える人が多いようです。私はこの法案には反対ですが、きちんと書かないと誤解を呼ぶので、またの機会に書きます。

それから、日本では感動を呼んでいた平昌冬季オリンピックですが、こちらではあまり身が入っていません。もともとアイスランドからは有力な選手が出ていないのが最大の理由と思います。

その他にも、アルペンスキーやアイスホッケー、カーリング等、あまり馴染みがない競技が多いからではないかと想像します。意外と思われるでしょうが、アルペンスキーはこちらの人はあまりやりません。っていうか、する場所がないのです。

ニュースの中のスポーツコーナーで扱われるのも、むしろスキー距離。逆にスキー距離というか、スキーを履いての長距離散歩をする人はあちこちにいるようです。こっちの方が馴染みがあるとか。

羽生結弦選手が金メダルを獲った時は、号外がでたそうですね。日本ではさぞかし湧いたことだろうと思います。多少、残念な気がします、一緒に興奮できないで。

小平奈緒さんと女子追い抜きの金メダルもよかったですね。小平さんのレースはバイキングで一度観れましたし、追い抜きの方のレースもようやく見れました。スポーツは権利問題がシビアで、なかなかネットでも観られないのです。追い抜きのレースは感激しました。涙が出てきましたよ。こういう感動はスポーツならではですね。

そして雨後の竹の子族ですが、私も結構小平選手のファンになりました。なんか、全部が素敵なひとですね、小平選手。坂上忍さんもそう言っていましたが、その点は同感です。って、要するにおじさんたちの意見か?(^-^;

というわけで、悪天候を愚痴るだけのブログになってしまいましたが、ご容赦。そういう時もあります。度々。

今週は何か紹介するのを楽しみにできるような出来事が起こってくれますように。

****

と、書き終わっていたところに、高木菜那選手のマススタートでの金メダル、さらに女子カーリングの銅メダル獲得のニュースが入ってきました。当然、両者とも観れていないのは残念ですが、嬉しいニュースです。頑張っているのはみんなでしょうが、カーリングのチーム、特におめでとう!です。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is


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