ドレスデン逍遥―華麗な文化都市の破壊と再生の物語 | |
川口 マーン惠美 | |
草思社 |
読了。
読みやすく面白い本だった。
ドレスデンはこの夏2泊してきたが、全く予習しないで行ったのが悔やまれる。
でも印象深い町だったので、この本を読みながら、あそこがそうだったのか!!と、記憶はまだ鮮明だ。
読み物として面白い。
著者が取材で聞いた話と資料にあたった話とがミックスされ、分かりやすく臨場感たっぷりに語られる。特にドレスデン爆撃の話は体験者に話を聞いていて、自分もそこにいるかのように感じられた。また、フラウエン教会の再建についても、実際に活動している人に話を聞いたり、2005年の落成の際のレポートもあり感動的だ。
ドレスデンに行ってみたい人には特におすすめの本。
私もまたすぐにでも行きたい。
初ドイツが、ライプツィヒとドレスデンだったのはかなり特殊な体験だったのかも。と思い始めた。
ヨーロッパはイタリアと英国しか行ったことがないから、あのバロック建築の洪水を見てもあまりびっくりしなかった。ローマでさんざん見たから、ヨーロッパはこうなのかと思っていたのだが、甚だ勘違いだったようだ。
緑の丸天井の宝物。
アルテマイスターの傑作の数々。
呆れるほどの豪華感は、ある1人の君主のなせる技と知って驚いた。
あ、駆け足で見たアルテマイスターの傑作の中で私が一番心惹かれた画家「カナレット」について、この本の中で結構なページが割かれていたのがうれしかった。この著者と多少似た感性があるのかもしれないと思った。その画家の絵には、私が行った時は群がる人もなく、じっくりじっくり時間をかけてみることができた。警備に立ってる人に、いろいろ質問もした。英語で聞いたが答えは全てドイツ語でさっぱりわからなかったのも思い出だ。
カナレットの描いたノイマルクト広場。向こうにフラウエン教会が見える。