キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

「冒険の人生」ETV特集 移住 50年目の乗船名簿

2019年01月15日 | ☆記憶
半世紀かけて撮った人生 ついに放送 ETV特集「移住50年目の乗船名簿」



番組公式サイト

正月休みに撮りためたTV番組をいろいろ見て過ごした連休。
その中でもとても考えさせられた一本。昭和43年の南米移住船「あるぜんちな丸」の同乗取材から始まり、10年ごとに移住者のその後の姿を追い続け、10年後、20年後、31年後をドキュメンタリー番組として作り続け、なんと2018年に50年後を取材した作品。しかも同じ人が作り続けている。テレビ番組としてこういうものはなかなかないだろうし、題材も切り口も興味をひかれてやまない。

「あるぜんちな丸」で渡った南米移住者の50年後を取材したこの、番組はETV特集で4回シリーズ。すでに2回は放送されたが、あと2回はこれからの予定(でもまだスケジュールが発表になっていない)見逃せない。
過去の作品は、切れ切れだけれどもYoutubeで見ることができる。またYoutubeには担当ディレクターが語る取材秘話もいろいろあるので興味深い(昨日は一日それを見てしまった)

関連の動画は以下のリンクから視聴可能。

NHKスペシャル 南米移住シリーズ(2)『乗船名簿AR29』


番組は以下の通り
1年目『乗船名簿AR29』
10年後『移住〜あるぜんちな丸乗船者の10年〜』
20年後『移住20年目の乗船名簿』
31年後『移住31年目の乗船名簿』


昭和43年の「あるぜんちな丸」に乗って南米へ向かった人たちは実に様々。
一族で移住する大家族もあれば、10代の若者が単身わたるというのもあり、また共通の夢に向かって周到に準備して渡る若夫婦もあれば、会ったこともない相手と文通だけで結婚を決めて渡る移住花嫁もたくさんいたり。
その花嫁の言葉が印象深い。
「団地で奥様するのも安定してていいんでしょうけど、単純すぎるわ。私はもっと冒険の人生を送りたい。」
この写真花嫁(戦前の移民では頻繁に行われたが、昭和40年代でもあったというのは意外だった)の言葉にはハッとさせられた。むかしから漠然と海外移住するひとたちに興味があり、大学の卒論テーマにもブラジル移民を選んだものの、自分自身は非常に安全志向。「冒険」という文字は私の辞書にはなかった。
「冒険」かぁ・・・。
それは素敵なものなのだろうか?



私の祖父が台湾に渡り、さらに中国大陸に渡ったのは、「冒険」したい気持ちもあったのかな?
引き揚げた後、いろいろあって警察官としての生活を手に入れた祖父も、なにかのめぐり合わせによっては、南米に行こうと思ったかも?私もブラジル日系2世として生まれてたかも?!そんなことを思ったり。戦後の南米移住者の多くは、満州や南洋からの引揚者だったそうだから。


そうそう、この番組を撮り続けたNHKのディレクター相田洋さんは、今82歳だそうで、もちろんNHKはとうの昔に退職されているのだけど、すごいバイタリティー!!興味が湧いて調べてたら、この方も満州からの引揚げ者で、引き揚げ船での体験がこの番組を撮るところにつながっていたという話。そして、引き揚げた先は熊本で、私の高校の先輩にあたる方だった。
つながる・・・なぁ。



それと、一番上にあげた50年目の番組を紹介する「番宣番組」の動画、アップロードしているのはイトウゲンイチロウ氏!「あるぜんちな丸」でパラグアイに移住したそのご本人だ!

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