「そのゴムボートで上陸したんですか?」
「そうですよ。手賀沼から蒸発する気体を調べているんですよ」
「・・・・?」
「CODの値は、高いほどいいんですか?」
「いいえ。反対です。低いほど、きれいな水ということです」
「釣れました?」
「1匹ね」
「どちらからいらっしゃったの?」
「鎌ヶ谷だよ。冬はここが一番」
誰かがバードウォッチングをしています。
「何がいました?」
「カンムリカイツブリ。昨日は市川市のじゅんさい池でミコアイサを見たよ」
「どちらの方ですか」
「白井市だよ」
「かっこいい走りですね。どちらの方ですか?」
「我孫子市だよ。76歳になるけれど、毎日走っているよ」
「すごいですね」
コガモがいました。
100羽は下らないでしょう。
北国からはるばる手賀沼にようこそ。暖かい春までゆっくり羽を休めて下さい。
わたしの言葉が通じたのか、コガモはピリッピリッと高い声で鳴きました。