柏市亀甲台町2-8-3にある花屋さん“F・Dきむら”の店先にシクラメンが並べてありました。
一鉢求めようと、店内に入りました。
一級フラワー装飾技能士の肩書きを持つ木村さち子さんが迎えてくれました。とてもきさくで親切な方です。
(私が求めた一鉢)
(週刊朝日の一ページ)
昔の週刊朝日が連載した“季に寄せる”の“2月「シクラメン」”は、安住敦と「春燈」の人々です。
「春燈」のHPの「あゆみと師系」には次のように書かれています。
「春燈」は、安住敦(あずみ・あつし)と大町糺(おおまち・ただす)が久保田万太郎(くぼた・まんたろう)を擁立し、戦後の混乱のさなかの昭和21年1月1日に創刊されました。
窪田万太郎、安住敦、成瀬櫻桃子(なるせ・おうとうし)、鈴木榮子(すずき・えいこ)を経て現在5代目の主宰は、足立公彦(あだち・きみひこ)。
現在の盛況が感じられるとても立派なHPです。
さて、以下は、週刊朝日の引用です。
シクラメン無尽の蕾(コジ)すべし 安住 敦
私の句は、シクラメンがあとからあとと文字通り無尽蔵に咲き続ける姿をいった。
生き死にの手術のあとやシクラメン 石田 小(ハ)
大きな手術のあと生命の助かったよろこびを、さりげなく病室に置かれたシクラメンの鉢に託している。
暫時留守の受付を守るシクラメン 小畑 蘭
子の家の留守をあづかりシクラメン 佐藤 信子
ともにシクラメンが留守番をしている。シクラメンという花は留守番の似合う花と言っていいかもしれない。
シクラメン夕空雪を降らせけり 嶺 治雄
ウインドのそと風荒ぶシクラメン 渡辺 鶴来
おりから変わる冬の天候の下のシクラメンをとらえている。前者は雪を降らせた夕空、後者は風の吹きすさぶウインド。
よく動くうさぎの耳やシクラメン 桑原 白帆
シクラメンを兎小屋と並べて童話的な明るさを出した。
汝の敵愛す由なしシクラメン 永作 火童
作者をして突如「愛す由なし」と嘆かしめたものは何か。
シクラメン四十を女ざかりとよ 西嶋 あさ子
私は作者をしてこの言をつぶやかしたのは何かと問いたい。
日の射して母の在ればのシクラメン 波羅 綾子
日当たりのいい縁側にシクラメンとその老いた母親を並べている。冬日の射した縁側には、ときどき遊びにやってくる老いた母 親がもっとも似合うかも知れない。母親はシクラメンの鉢に丹念に水をやり日に当てる。(敦)