5月7日(水)めずらしくコブハクチョウが飛んでいる。いつも手賀沼の水面にいて、時々陸上にあがって路上をよちよち歩くハクチョウだが、羽のあることを思い出して空を飛ぶ日もあるのだ。
手賀沼の堤防に群生するタンポポに似た黄色の花はブタナと言うらしい。ヨーロッパからの帰化植物で、1933年、札幌で最初に発見されたそうだ。
ポピーは、堤防の下の花壇に育っている。
公園に雲と老人ポピー咲き 吉沼 等外
軽いタッチの句だけれど、公園でひとり没我の一刻を過ごす老人の哀愁が、ほのかにただよっている。その老人にポピーのはなやかさを添えたのは、作者のあたたかな心くばりである。(藤田 湘子)
この群生は、クローバー。ヨーロッパ原産で江戸時代に渡来し野生化したのだそうだ。コブハクチョウの好物で、ときどき陸上にあがってきて、盛んに食べている。
クローバーの挟まれしまま備忘録 柿本 英二
花を残して刈り込んであるのが奥ゆかしい堤防だ。
手賀沼水面では、枯れた葦の根元から新芽が勢いよく伸びて、ヨシキリが泣き声を響かせていた。