1 月 12 日(火)から朝日新聞夕刊に連載の“うめ婆行状記”は、 3 月 15 日(火) 4 5 回で終了となった。
物語の終末、うめ婆さんは、突然気を失って倒れてしまう。
一人暮らしだから、そのまま誰にも気づかれず死んでしまっても不思議ではない。しかし、まもなく甥の子どもである鉄蔵によって発見され、その後親族の手厚い看護で回復する。
“「普通のごはんが食べられるから、あたしの身体は治ったも同然ね」うめは、わざと元気のよい声で言った”と、ぷつんと切れたように物語は終わる。
未完の理由は、作者の宇江佐真理さんが、この物語の執筆中、昨年の 11 月 7 日にガンで亡くなられたからだ。
物語のうめ婆さんは生き残り、周りの人々に支えられ楽しく生き続けることが予測される。読者の一人である私の妻は、甥の鉄平の息子鉄蔵が気に入って、「もう一度登場させて欲しかった」などといっている。
私は、この物語を「口腔ケアの教材」として毎回音読した。幸い妻がお義理ではなく楽しんで聞いてくれたので、張り切って音読でき、私の呆け防止に役立ったと思っている。
作者の宇江佐真理さん、よい物語をありがとうございました。ご冥福をお祈りします。