四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

神明谷戸の花と昆虫

2011-05-08 07:00:00 | 南多摩
神明谷戸に咲く花(5月4日)



ゲンゲ(紫雲英、マメ科) 
普通レンゲ(蓮華)、レンゲソウ(蓮華草)と呼ばれています。レンゲは空気中の窒素を取り込み固定する能力に富んでいます。化学肥料が普及する前は、秋の田んぼに種蒔きし、翌春生長したレンゲを田んぼに鋤き込んで肥料としていました。



ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)キンポウゲ科
ムラサキサギゴケの白花が紫花と一緒に咲いていました。白花をサギゴケと呼ぶこともあります。



カキドウシ(籬通し) シソ科
カントリソウ(癇取草)とも呼ばれます。子供の夜泣きを抑えるなどの効能があるとして民間薬に用いられるそうです。



畔道がムラサキサギゴケや黄色い花に彩られきれいでした。白い花はハルジオン(春紫苑)。



シオヤトンボ(塩屋蜻蛉)♂
シオカラトンボ♂に似ていますが、体長が約1cm短く平べったく見えます。翅基部が褐色であることも特徴です。シオヤトンボは日本特産種。活動期間は4~7月で短い(シオカラトンボは10月まで活動)。



シオヤトンボ(塩屋蜻蛉)♀
ムギワラトンボ(シオカラトンボ♀)に似ていますが、翅基部が褐色であり縁紋(翅先端の縁にある紋)が金色なので区別できます。

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雑木林に咲く花

2011-05-07 07:00:00 | 南多摩
5月4日朝9時半の小山田緑地本園は人影も少く空気がヒンヤリとし、清々しい森の匂いが漂っていました。池の脇の木道ですれ違った男性が「カワセミが止まってますよ」と教えてくれましたが、その瞬間森の中へ飛んでいったようで残念でした。

奈良ばい谷戸から小野路城址辺りへの山道も歩きました。途中、コミスジが飛んでは止まっていたので撮影しようとしていたら、後ろに2組が追いついて渋滞に。「済みません」などと話しているうちに「この花はナルコユリ」「では、これは何でしょう?」などと会話が進みました。

あちこちの雑木林で見た花をまとめて載せようと思います。



ホウチャクソウ(宝鐸草) ユリ科チゴユリ属
ホウチャクソウ、ナルコユリ、アマドコロはいずれも雑木林の下で咲き、お互いに似ています。
ホウチャクソウの花は頂部1箇所にだけ咲きます。花被片は1枚1枚が離れています。茎が分岐しているのも特徴です。



直ぐ近くに斑入りの葉の植物があり、葉の裏を覗いてみたらナルコユリのような花が垂れ下がっていました。



ミヤマナルコユリ(深山鳴子百合) ユリ科ナルコユリ属
葉が大きい。それぞれの葉腋の下に花を1~5個付けます。
開花前です。



ナルコユリ(鳴子百合) ユリ科ナルコユリ属
葉腋の下に花を2~5個付けます。ナルコユリの茎の断面は丸い。
※アマドコロの花は1,2個。茎は角張っています。
開花前です。



ヤマツツジ(山躑躅) ツツジ科
花弁の1片に濃い斑点があります。
こ特徴に気が付き明瞭な斑点の花を探しました。



キンラン(金蘭) ラン科キンラン属
明るい雑木林に自生します。乱獲のため減少し絶滅危惧Ⅱ種に指定されています。ある種の樹木の根に着いた菌根菌と共生するランなので、持ち帰っても栽培することはできません。
4月24日に「あそこにもうじき開花するキンランの株がありますよ」と教えてもらったので楽しみにしていましたが、見事に開花していました。



ジュウニヒトエ(十二単) シソ科キランソウ属
本州・四国に分布します。何も生えていない斜面の立ち姿が目に付きました。



ミミガタテンナンショウ(耳形天南星) サトイモ科テンナンショウ属
岩手、宮城、関東、山梨、四国に分布します。仏炎苞(ぶつえんほう)は濃紫色、肉穂花序は褐色。
テンナンショウ属にはユキモチソウ、マムシグサ、ムサシアブミなど色々と面白い種類があり、ユキモチソウの肉穂花序は白色です。



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奈良ばい谷戸

2011-05-05 13:03:00 | 南多摩
5月4日午前、神明谷戸の北隣りにある奈良ばい谷戸を散策しました。



谷戸入り口付近の畑地ではエンドウなどが栽培されていました。



水路脇の菅にニホンカワトンボが止まりました。体は金属光沢のある緑色で尾の方が水色です。
カワトンボは微妙な差により、オオカワトンボ、ヒガシカワトンボ、ニシカワトンボに分類されていました。翅の色も褐色、黄褐色、無色のものがあって種類の特定が難しかったのですが、最近のDNA解析により、ニホンカワトンボ(ヒガシカワトンボ、オオカワトンボを統一。東日本に多い)とアサヒナカワトンボ(旧ニシカワトンボ、西日本に多い)の2種類に分類されたとのことです。
この個体は無色翅型で、翅の縁に赤色の縁紋があるので雄です(雌の縁紋は白色)。日本産トンボ標本箱を参照し、縁紋の長さよりニホンカワトンボとしました。この辺りではアサヒナカワトンボが稀であることも知られています。



少し奥に行くとボランティアの人達が草刈や枝払いの作業をしていました。奈良ばい谷戸は長年耕作放棄されていましたが、2005年に町田市がボランティアを募り、農家の人々の指導で里山の再生と保全を進め、少しづつ田んぼや畑が増えています。



再奥部の斜面に畑がありました。
「そば畑ですか?」近くの農作業姿の人に声をかけると「そうです。しろそばです」とのこと。その近くの木陰で弁当を食べようとしたといころ、「もう少し先を左に曲がって上った高台にベンチがありますよ。そこへ行けばヤマフジが目の前に見えますよ」と親切に教えてくれました。





ヤマフジやミズキの咲く山の谷あいの風景を楽しみながら昼食としました。



高台から奈良ばい谷戸を見下ろした風景です。



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神明谷戸

2011-05-04 19:59:00 | 南多摩
4月29日の午後、五反田谷戸の北隣りにある神明谷戸を散策しました。
午後になって晴れたり曇ったり。春の天気は、午前中晴れていても午後から曇ることが多いのに気が付いて、朝早くに行動開始していますが、この日は12時頃から太陽が雲に覆われがちになりました。



谷戸の中程から上流方面を見た風景です。田んぼの畦がきれいに整えられています。



谷戸が左右に分岐しますが、右奥の谷戸方面。



この辺りでムラサキサギゴケが群生していました。



右奥の谷戸の入り口に溜池があります。



金色のトンボがいました。これはシオヤトンボ(塩屋蜻蛉)の雌です。詳しいことは後日に説明したいと思います。



左奥の谷戸方面。



谷戸の草地には所々に木が植えられ、その間の日の当たるところをミヤマセセリが蝶道を作って飛行していました。



草地から外れて地面で休息するミヤマセセリ。
55~200mmズームレンズが故障したため急遽55~300mmズームレンズを購入しました。この写真が最初の1枚です。最短撮影距離が140cmなので、足元の蝶が何とか撮影できます。オートフォーカスの速さには特に問題を感じず、重さも今までとの違いが気になる程ではありませんでした。



草地でヒメウラナミジャノメが飛んでは止まる動作を繰り返していました。
ヒメウラナミジャノメは関東地方では4月下旬に発生します。


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五反田谷戸

2011-05-02 19:44:00 | 南多摩
4月29日、町田市の小山田緑地近くにある里山を散策しました。

ここ五反田谷戸は、東京都が指定した「図師小野路歴史環境保全地域」内にある4つの谷戸の1つです。



道路から谷戸に入って直ぐの田んぼには水が張られ、蛙の合唱が聞こえました。保護色なのか不慣れなせいか、蛙は見付けられませんでした。



谷戸を奥に進むと、藁ぼっちが2つ置かれた小さい丘が中央にあり、その奥は左右に谷戸が分かれています。



藁ぼっちの丘に上ったところです。とてものどかな気分でひと休みしました。藁ぼっちの向こうには桜の古木が1本あります。



左の谷戸には緩やかな棚田が続いていました。



溜池と右の谷戸です。



畔道にはタンポポや色々な花が咲いていました。



藁ぼっちの丘から谷戸の下流方向を振り返ったところです。
五反田谷戸は森に囲まれた静かな空間で、何とも言えず落ち着いた気持にさせられます。遠い先祖はこのような環境で暮らしていたのではと思わせるような所でした。


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