四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

キンランとギンラン

2012-05-10 15:03:00 | 南多摩
5月8日、キンランとギンランを見に多摩丘陵の雑木林へ出かけました。



キンランの咲く林内。保護されているので、比較的多く自生しています。



ちょうど見頃で、また今年もたくさんのキンランを見られて満足です。いくつかのグループも来ていました。



キンランの葉の上でお休み中のきれいな蛾。がってん蛾展を開催した春野蝶多さんが「この色白の御婦人はフタホシシロエダシャクのようですね」と教えて下さいました。



ギンランは数が少なく、僕が低い姿勢で撮影していると、植物指導員のご一行も集まり「今日見たのは2つ目です」と言われていました。



その指導員が「ここにタマノカンアオイがあります。目立ちませんがこれが花です」と説明。写真の左下に紫がかった焦げ茶色の花が地面に張り付くようにありました。タマノカンアオイは、名前の通り多摩丘陵とその周辺にしか自生しない珍しい植物。葉には斑入りのものなど変化が見られるようです。

雑木林の中では、ヒカゲチョウの仲間が現れ始めました。



車を下りて一番最初に迎えてくれたのがこのクロヒカゲです。撮影後、木陰の草の間で飛び跳ねるように飛んでいました。まだ数が少ないので、出現間もないと思われます。近縁の"ヒカゲチョウ"の羽化はもう少し先になります。


コジャノメ♂

コジャノメも何頭か見かけました。写真の個体は、前翅の中央下に明るい斑紋(性標)があるので雄です。



別個体の翅裏。後翅の基部寄りにある黒い線が内側に折れているのでこれも雄です。
コジャノメに近縁のヒメジャノメの出現ももう少し先です。

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黒いアゲハたち(2)

2012-05-10 12:05:00 | 
多摩丘陵でも黒いアゲハの仲間を見掛けるようになりました。


ナガサキアゲハ♂(5月8日、9:29)

黒いアゲハが谷戸の高いところをゆっくりと飛翔し、枝先の若葉に止まり休憩に入りました。ナガサキアゲハ♂でした。5月4日、大磯では、黒いアゲハのうちナガサキアゲハだけは目撃できませんでしたが、ようやく初見できました。



ジャコウアゲハ♂(10:20)



ヤマツツジにジャコウアゲハ♂がやってきて、花から花へと移りながら吸蜜しています。動きが悠然としているので助かります。



ナガサキアゲハ♀(11:03)



道路沿いを歩いていると、ツツジにナガサキアゲハ♀が来て、しばらく吸蜜を続けていました。



キアゲハ♀

谷戸の湿地にはセリが多く、キアゲハ♀が産卵行動する姿が目立ちました。近寄れず良い写真がないので、少し前(4月24日)、足元のオヤブジラミで産卵行動を繰り返していた時の写真を載せます。

多摩丘陵でも黒いアゲハたちが元気に活動し始め、初夏も本格的になってきたのを感じます。キアゲハは、もう産卵時期の最盛期に入ったようです。

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ギンイチモンジセセリ

2012-05-09 09:48:00 | 
5月7日、町田市郊外の谷戸に出かけました。




ニホンカワトンボ♂

小径を進むと、小川沿いにニホンカワトンボが見られました。


トラフシジミ

川沿いのハルジオンにひらひらと飛ぶシジミチョウの仲間がいたので、目で追うとハルジオンに止まりました。トラフシジミでした。ようやく会えました。


ツマキチョウ♂

ツマキチョウも、木の枝まで上がって行ったり、舞い降りたりしていました。もうオレンジ色が色褪せた個体も見られますが、この個体の翅端部はフレッシュな色をしていました。


ツマキチョウ♀

雌は、翅端部にオレンジ色の紋がないのでモンシロチョウに似ていますが、少し小さく、飛び方が緩やかなので直ぐにツマキチョウ♀と分かります。

次に、相模川河川敷へ移動。


ギンイチモンジセセリ

明るい草地でギンイチモンジセセリを探していると、弱々しく飛び、明暗の色がチラチラ見える蝶がいました。草の間に止まるのを見ると、"ギンイチ"でした。午後3時を過ぎていましたが出会えたのは幸運でした。初めて見た蝶です。さらに探しましたが、この1頭のみ探し当てました。


ミヤマチャバネセセリ

ふと、茶色いセセリチョウが目に入りました。後翅の基部寄りに白い斑紋があるのが特徴の、ミヤマチャバネセセリ。まれな蝶のようですが、これも1頭だけ目撃でしました。

ウスバシロチョウは良い写真が撮れなかったので、再度挑戦したいと思います。

お付き合いいただいたIさん、お世話になり有難うございました。

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黒いアゲハたち

2012-05-05 20:25:00 | 
大雨の明けた5月4日、ミヤマカラスアゲハなど黒いアゲハチョウの仲間を探しに大磯へ出掛けました。
家を出る頃は怪しげな天気でしたが、花水川を越え大磯に入ると太陽が照り始め、相模湾の方向には青空が覗いていました。お昼過ぎまで明るい曇りで暖かく、多くの蝶が現れました。その後は気温も下がって雨模様に。


クロアゲハ♂

ツツジの咲く現地に到着すると、先ずクロアゲハが顔を出してくれました。後翅の前縁に白い帯が見えるので雄です。


ジャコウアゲハ♂

やがて、ジャコウアゲハ♂が現れました。体に毒を持っているので悠然とツツジに頭を突っ込み、吸蜜しています。胴体は赤い警戒色を示し鳥に食べられる心配はありません。



このジャコウアゲハ♂は、直ぐ近くの草地に身を隠して休息し、またツツジを訪れることを繰り返していました。


ジャコウアゲハ♀

ジャコウアゲハ♀もツツジの奥深くまで入り込んでゆっくりと吸蜜中です。雌は翅の色が褐色がかっています。


ミヤマカラスアゲハ♂

お目当てのミヤマカラスアゲハもやってきました。かなりのスピードでツツジを周遊するように訪れ、いくつかの花を忙しなく回ると直ぐに飛びたちました。



この写真は、翅の裏側。


ミヤマカラスアゲハ♀

大分経ってからミヤマカラスアゲハ♀もやってきました。じっくりと撮る暇もなく飛び去ってしまいました。


カラスアゲハ♂

カラスアゲハ♂は、何度もやってきましたが、相性が良くないのか、動きが激しいのか、あまり撮影チャンスをものにできませんでした。

そのほか、モンキアゲハ、オナガアゲハ、アオスジアゲハも見かけました。

この日は、黒いアゲハの仲間を6種類(クロ、ジャコウ、オナガ、カラス、ミヤマカラス、モンキ)観察したので、あとはナガサキアゲハを残すのみです。地元の相模原・町田では、今年になってアゲハとキアゲハしか見ていませんでしたが、さすが大磯は温暖で、すでに初夏の蝶たちが賑やかに飛び交っており、気候・生息環境の違いを感じました。

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ベニシジミの春

2012-05-01 08:59:00 | 
ベニシジミが野に出てくると急に春らしさを感じさせてくれます。

ベニシジミは、幼虫で越冬し、3~4月に羽化します。年に4回以上世代交代を繰り返します。日のよく当たる草地を好み、春にはタンポポで吸蜜する姿をよく見かけます。


瑠璃色斑のあるベニシジミ(4月18日、福岡市にて)

今年のベニシジミ初見は4月1日。まだ気温の低い時期で、芝生で体を横倒しにして日なたぼっこをする姿が目立ちました。

4月中旬、同じ芝生を訪れると多数の個体がおり、雄同士の追飛や求愛シーンが見られ、恋の季節まっただ中でした。


ベニシジミの求愛行動(4月12日、町田市にて)

写真の雌(左)を雄(右)が追いかけています。翅の先端が尖っているのが雄、丸みを帯びるのが雌と言われていますが、この組み合わせでは逆で、追いかけられている個体(雌と推定)の方が羽の先端に尖りが見られました。



雌はどんどん逃げた挙句、枯れた茎につかまり、横倒しのポーズを取るシーンも見られました。思わせぶりな感じです。



細い草を登り、雌は先端まで追いやられました。
この時は、同じ芝生上で2~3組の求愛行動が見られました。




ベニシジミの産卵場所探し(4月15日、文京区小石川植物園にて)

そして、産卵行動もよく見かけるようになりました。写真は、雌がギシギシの仲間の葉の裏側に入り込んだり葉上を歩いたりして産卵場所を探しているところです。


スイバでの産卵場所探し(4月25日)

丘陵地で弁当を広げていると、近くの色々な草を訪ね歩き、やっと食草のスイバを見つけ丹念に葉上を歩いていました。

この1ヶ月、吸蜜シーンはあまりよく撮れませんでしたが、ベニシジミの春の生活ぶりが垣間見え興味深く観察できました。ベニシジミは一箇所に多数集まっていることが多いので、その活動が目につきやすいですね。
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