以前、富山県のお土産でおさしみ用昆布をいただいた
という記事を書かせていただきました。
こちらです。
実は、このおさしみ用昆布のパッケージに
「お魚のこぶ〆や山菜のこぶ〆に最適です」と書かれていて、
お魚の方は試させていただいたのですが、
山菜を昆布締めにするということが、どうも想像できなかったのです。
そんなわけで、ずっと気になっていた山菜の昆布締め。
送っていただきました~!! ヽ(^o^)丿
袋から出すと・・・。
昆布のお布団の上に、わらび、たけのこ、フキが寝ており、
その上下にも昆布の掛布団がかかっているような感じです。
掛布団をはがすと、
これが、山菜の昆布締め!!
でも、どうして山菜を昆布締めにしようとしたのでしょう?
その理由を順を追って説明します。
【なぜ、富山ではたくさんの昆布が消費されるの?】
富山県は一人当たりの昆布の消費量が最も多い県として有名ですが、
その理由は江戸時代にまでさかのぼります。
北海道の昆布を日本海を経由して大阪まで運ぶ「北前船」が、
富山に寄港した際、昆布が持ち込まれたからです。
また、浄土真宗の信仰が厚く、精進料理のだしとしても昆布は重宝しました。
つまり、富山にとって、昆布は生活の中に当たり前にある食材だったのです。
【昆布締めはなぜ作られるようになったの?】
それは次の二つの理由が考えられます。
●食材の水分を昆布が吸い込むため、
冷蔵庫のない時代、漁師町にとって「昆布締め」というのは
食品(魚介類)を長持ちさせる保存食だった。
●「保存」という目的に加え、昆布のうまみ(グルタミン酸など)が
食材にしみこむことで熟成した味になるため、ひとつの「調理法」として定着した。
【山菜まで昆布締めにしたのはなぜ?】
富山県の旧細入村地区では、昔から昆布の上に山菜を重ねて保存していました。
その習慣を踏まえて、地元商工会の女性部が「村おこし」のために
山菜の昆布締めを特産品にしようと考えました。
山菜というのは、春のほんの一時期しか味わうことができませんが、
こうして昆布締めにすることで、
今のような秋でも楽しむことができます。
山菜は、繊維質が多いので、そこに昆布のうまみが絡まって、
口の中で、ずっと「海と山のやさしいハーモニー」を楽しむことができます。
シンプルだけど、とても奥行きのある味。
ごちそうさまでした。 (^-^)