80年代に某西洋占星術家によって書かれた本
からです。
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「全く不公平よね。こんなんじゃ、やる気しないわ。」
某デパートに勤めるA子さんは、パリに買い付けに
行く仕事が、今年も同僚の一人、B子さんに決まった
ので、面白くない様子。
本当は未だ閉店後の事務処理が残っていたのですが、
それを海外出張ではしゃいでいるB子さんに押し付けて、
後輩のC子さんを連れ出し、近くの喫茶店でグチを
こぼし、油を売っています。
去年その彼女がパリ行きのスタッフに選ばれた時も、
悔しくてたまりませんでした。
だからこの一年、彼女よりも目立つように振舞って
きたのに、今年もまた同じ人が選ばれるなんて、
順番からしても、今年はA子さんが選ばれても
おかしくないのに。
「またあの人になるなんて。きっと課長はひいき
しているのよ、もしかしたら彼女とデキているん
じゃない?」
A子さんの不満に初めは同調していたC子さんも、
「デキている」という言い方には、ちょっと唖然と
して、
「まさかあ……」
と白けた雰囲気の応対を返してきます。
A子さんは心の中で思います。
『C子はいいのよ、エリートの彼が居て、もうすぐ
結婚話も具体化しそうなんだから。
結局彼女は腰かけ意識でしか仕事を考えていないんだわ。
課長が誰をひいきしていようが、無関心でいられるのよ。
もうC子と話したって、わかってもらえないわ。』
その晩気分が収まらないA子さん、彼氏のD男さんを
呼び出して、さんざん不満をぶちまけたけれど、
D男さんも何だか退屈した様子。
『ああ私って本当に孤独。
妹は航空会社だから海外なんて珍しくもないって顔を
しているし、親友のE子はお金持ちのお嬢さんで
働く必要もないみたいだし、私って何て不幸なのかしら。』
さて、あなたの中にもA子さんは住んでいないかな。
もちろん嫉妬はごく自然な感情。
でも嫉妬の対象になる、あなたよりできる人、美しい人、
いい家に生まれた人、なんて世の中には無限にいるん
だよ。
毎日毎日それを気にして生きたら、心が休まる暇なんて
ない。
そうやって人と比べていたら、あのダイアナ妃だって
不幸かもしれない。
「この頃義妹のセーラ妃の方が人気があるみたい」とか、
「もっと髪の毛が沢山ある夫がいいわ」なんて不満の
タネはいっぱい出てきそうだものね。
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当時「ダイアナ妃」と言えば、まさにシンデレラ・
ストーリーの代表のように受け取られていましたが、
すでに彼女の多くのプライバシーが暴露されてしまった
21世紀の現在、彼女をそのように見なしている人は
あまり多くないと思います。
人間は生きている限り多少の不満やグチは付きものの
ように感じますが、あまりに肥大した嫉妬は却って
その人の運命を狂わせる結果になるように感じます…。