宮地神仙道

「邪しき道に惑うなく わが墾道を直登双手
または 水位先生の御膝にかけて祈り奉れ。つとめよや。」(清水宗徳)

バベルの塔と幸せの塔

2007年10月20日 | Weblog

(画像はクリックされましたら拡大します。)

80年代に出版された某西洋占星術家の本からです。
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この季節の終わりの頃になると、北風が電線をビュンビュン
鳴らし始めますね。
一年もだんだん終わりに近づいて、ホロスコープ上では
太陽がてんびん座からさそり座へと移動していきます。

さそり座の守護星は御存知のように冥王星なのですが、
冥王星はゼロか百か、生か死かというように、物事を根本
からくつがえす破壊力を持っています。

今回のこのページのお話し、何にしようかなあ……と暗中模索
しながら絵画特集を眺めていたら、『バベルの塔』が目に飛び
込んできました。

バベルの塔は16世紀に活躍したオランダの画家ブリューゲルの
作品。
絵画鑑賞の好きなあなたなら、一度は必ず観た事があるはずです。
http://www.salvastyle.com/menu_renaissance/brueghel_
babel.html


人間の欲望の象徴のバベルの塔は、神の怒りに触れて、建設の
半ばで未完成のまま葬り去られました。
このお話しは旧約聖書の中に出てくるのですが、内容を知らない
あなたのために少し解説すると、ノアの洪水の後に人々はシナイの
平野に住み、田を耕し、だんだん収穫を増やしていきました。
そして人々の生活は豊かになり、やがてレンガを焼き、街を
作るに到るのですが、天まで届く塔を建設しようと企てるのです。

人々は自分達の力に酔いしれ、神をも恐れぬようになりました。
それを見ていた神は怒り、この人間達の欲望のシンボルに、
天から制裁を加えるのです。

そして人間達の言葉を、世界中様々の言葉に散らばしてしまった
のです。
ですから、今日に到り、言葉は何ヶ国語もあるというわけなのです
けれど……。

さて、今回の皆さんへのお話の中心は、このバベルの塔に比喩して、
自分自身の中にある自惚れ心、欲望ばかりに捉われようとする心を
振り返ってみてはどうかナ?という提案です。

さそり座に惑星が集中している今月は、いつも自己本位な考え方を
している人間達に厳しい制裁が加わりそう、
自分の欲望を満足させるばかりでなく、他者について深く考えて
いこうとする時、あなたの心の中には神々に祝福された素晴らしい
幸運の塔が出来ることでしょう。

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これが書かれたのは86年で、まさかその20年後に冥王星が
準惑星に格下げになるとは、この占星術家も思ってはいなかった
と思います。

西洋占星術ではそれほど大きな混乱は出ていないようですが、
冥王星はそれまで「アメリカの象徴の惑星」でもありました。

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特に、冥王星を発見したクライド・トンボーがアメリカ人で
あった事から、冥王星は1930年の発見以降長い間、アメリカ人が
発見した唯一の惑星とされ、発見当初からアメリカ人の誇りと
思われてきた。

ディズニーのキャラクターとして親しまれているプルートは、
冥王星が発見された年に誕生しており、冥王星(プルート)から
名前が取られている。
この事もあり、多くのアメリカ人は冥王星に特別な愛着を抱いて
きた。
アメリカ人のこのような強い愛着が、冥王星の立場が疑われ始めて
からも、長らく議論を混乱させる一因にもなった。
2006年に結局冥王星が惑星から変更されることが決まると、多くの
人々が困惑し、特にアメリカ人からは失望や落胆、不満の声が強く
聞かれた。

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この事が「アメリカの先行きを象徴している」という研究家もいますが、
どうなるでしょうか……?
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