「黄金の夜明け会」を離脱し、独自の道を進もうとしていたジェラルド・ガードナーは、
英国のニューフォレストの森に住んでいた、老ドロシーと名乗る、一つの魔女団を
率いる女司祭と出会い、ガードナーもその魔女団に加わり、沢山の魔術や知識を学び、
魔法を行っていましたが、老ドロシーの死後は、ガードナーが率いる事となり、
そして彼によって、「魔女宗」というものが起こりました。
特にガードナーについて知られているのは、英国本土に上陸しようとしていた
ドイツ軍を魔術によって阻止したとされている事、そして、魔女博物館を建てて、
次の世代に遺そうとした事です。
この「英国本土への上陸を阻止」したとされる魔術に関して、一般的に伝えられて
いるのは、女司祭老ドロシーを含む、英国の何人もの魔女たちが終結し、互いに
手をつないでサークルを作って回りながら、呪文の歌を唱え、「エネルギーの円錐」を
霊的に完全に確立した所で、英国にヒトラーが入れないという願いのエネルギーを
爆発させて放つ方法を用いたという話しですが、凄まじいエネルギーを集めて
炸裂させた為に、その衝撃で5人の魔女が命を落とし、ガードナー自身も健康を害したと
言われます。
この「エネルギーの円錐」を確立する魔術で、現在では命を落とすほどの結果になった
というような話しは聞きませんが、かなり強力になると、失神する事がままあるようです。
この魔術の結果か、確かに、ドイツ軍による英国上陸作戦は失敗し、上陸する事は
出来ませんでした。
その事から、ガードナーは更に魔術に対する確信を深め、そして老ドロシーが死去し、
後を継ぐ事になります。
それからは魔女術に関する本を書いたり、魔女博物館を建てるなどして、魔女の伝統を
遺そうと努力していました。
しかしその一方で、このような言葉も遺しています。
「我々は魔女に、さよなら(グッバイ)を言わねばなるまい。
残念な事だが、この宗教は消えゆく運命にある。
現代の環境、住宅事情、核家族化、そして何より教育の為に、現代の子供は
もはや、魔女に興味を持たない。
子供は、魔女は全ておとぎ話しだと"知って"いるのだ……。」
しかしその後、ガードナー博士の後を継いだ魔女たちによって、魔女術に関する本も
多く書かれるなどして、魔女宗について世界に知られるようになり、数多くの魔女のグループ、
そして、一人で活動する魔女(ソロ・ウィッチ)も現れるようになり、ガードナー博士の
予測は、一見外れたように見えます。
しかし、「真に古代の伝統と精神を受け継ぐ魔女」はどのぐらいいるのか、ガードナーの
言葉を真面目に考慮するならば、知識と実践だけでなく、生まれついた家や環境という
要素も無視する事は出来ないようです。
以下、魔女宗の中で、魔女術の基本のエネルギーを集めたり、オーラを非常に純粋にして
美しくする方法として行われている、「魔女の月光浴」の中の、一つの方法を抄掲させて
頂きます。
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【魔女の月光浴】
これは、魔女たちの日常的な修行のこと。
月の美しい夜、それでも出来れば満ちる月の期間に、月の光を浴びようとするのだ。
月のしずくは、魔女たちのエネルギーの源である。
出来れば、月の光が差し込む部屋で、一人きりになろう。
そして、
「月の美しき女神よ、こよいわが宮に降り立ち、我を見守りたまえ。」
と祈りながら、月を見上げる。
そうすればきっと、白銀の光があなたの体を包み、その光を受けて、まるで
蛍か夜光虫のように、あなたの体から光が溢れ出すのを実感出来るだろう。
慣れてくれると、月の光が、ある種の質感を持っているのが、感じられるようになる。
それを両手ですくったり、遊べるようになるはずだ。
この作業により、あなたの感受性はどんどん高まり、身も心も見違えるように
美しく変えていく事も可能だろう。
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