宮地神仙道

「邪しき道に惑うなく わが墾道を直登双手
または 水位先生の御膝にかけて祈り奉れ。つとめよや。」(清水宗徳)

「ハーブの魔術」

2010年02月24日 | Weblog




画像は、昔の「マイバースデイ」の妖精シリーズの中に登場した男の子の妖精、
「プーカ」です。


魔女のルーツは一般的に、農耕の為に月の運行を読み、その年の気候や
収穫の出来を占い、収穫の繁栄を祈り、人々を薬草で治療した古代の
原始宗教のシャーマンであると言われています。

その為、魔女と自然は密接に結びついており、今でも多くの儀式が自然の中で
行われ、ハーブや花を使用する魔術や占いも多くあり、現代の西洋の魔女の
中には、エコロジー運動に傾倒しているような人もいるそうです。

現在も西洋魔術に多くの影響を与えている「アーサー王」の物語は、こちらも
森が舞台となっていますが、この物語は、緑色を聖なる色とするケルト信仰、
自然崇拝のドルイド教の影響を受けていると言われています。

以下、鏡リュウジ氏による、「アーサー王」物語に登場する魔術師のマーリンの
紹介です。

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【優しき魔術師の物語】

アーサー王の物語を知っている人なら、勿論白き良き魔法使いマーリンの事も知って
いるだろう。

マーリンは、アーサー王が産まれた時から、彼の事をずっと見守っていた。
名高い「円卓の騎士」を作ったのも、マーリンだと言われる。

マーリンが生きた時代は5世紀、人々が未だ、深い神秘の森に囲まれて生活していた頃である。
その森には、確かに妖精や魔法使い、神までが存在していたのである。


マーリンの母は、キリスト教の熱心な信者であり、潔き女王だった。
ところがある夜、暗く深い森から出てきた夢魔によって、身ごもってしまった。
その子が、マーリンである。

生まれたばかりのマーリンは、半分が人間、半分が魔に属する者であり、そのままに
してしまうと、その心は魔に属してしまう。

あらかじめ事態を予測していた僧によって、マーリンはすぐに洗礼を受けた。
もしそうでなければ、マーリンは白き魔法使いとしてではなく、黒き悪しき魔法使いとして
名を残しただろう。

半分魔の血を引くマーリンは、子供の頃から不思議な力を見せた。

当時国を治めていたのは、策略で王位を手中にしたヴォーティガンだった。
ヴォーティガンは、正統な世継ぎが城へ攻めて来るのを恐れ、砦を築く事にしたが、
石をいくら積んでも崩れてしまう。

占い師に見せると、「人間でない父親から生まれた子供の血で、砦の土台を濡らせばよい」
という事だった。


当時、マーリンが連れて来られたが、幼いマーリンは、いよいよ犠牲にされるという時に
笑いながら言った。

「石が崩れるのはね、土台の下で、二匹の龍が戦っているからだよ。
赤と白の龍だ。」

王の占い師は、そんな事はないと抗議したが、王は土台を掘り起こす事を命令した。
すると、マーリンの言葉通り、赤と白の二匹の龍が現れ、人々の前で戦いを始めた。

それを眺めながら、マーリンは言った。

「この龍の勝負の行方が、この国の未来です。
赤が勝てば現王、白ならば敵王のもの。」

勝負がつく前にマーリンは帰ったが、人々が見ていると、白い龍が勝った。
そして後年、マーリンが予言した通り、王軍は敗北する。


アーサー王や、彼の「円卓の騎士」に助言を惜しまず、彼らを助けたマーリンは、
孤高の賢者としてのイメージが強いが、彼はそのような面ばかりではなかった。
傷つきすれば、恋もしたのである。


戦争の大虐殺を目の当たりにしたマーリンは、人間に絶望し、狂人のようになって、
スコットランドのカレドニアの森に、逃れ人との接触を断って暮らしていた。

元々マーリンは、魔術の修行も森の中で積み、アーサー王に仕えた頃も、森に
こもっている事が多かった。
森の中を散歩する彼は、木々の一本一本に話しかけるのが習慣だった。


そんな折、近隣の王が、マーリンの力を試そうと、一人の男の子に引き合わせた。

「この子は大人になってから、崖の上から落ちて死ぬだろう。」

次に同じ子に、別の服を着せて会わせた。

「この子は、木の枝から、逆さに吊られて死ぬのだろう。」

最後に少年にベールを被せて、女の子に似せて、マーリンの前に立たせた。

「川で溺れて死ぬのが、この子の未来だ。」

マーリンは次々に予言したが、近隣の王はマーリンをあざ笑った。

しかし、この少年は成長して、マーリンの言った3つの状況が全て成り立った死に方を
したのである。

彼は、森へ出かけた際、誤って崖から足を踏み外し、途中の木に引っかかって
逆さづりになり、その頭は、丁度そこを流れていた小川に浸ったのだ。

精神を乱されていたとは言え、マーリンの魔力や予言には、何の変わりもなかった。


ソールズベリー平原のストーンヘンジは、マーリンが魔法の力で、遥かアイルランドの
岩を運んだとも伝えられているが、この石の舞台で、マーリンが魔法の儀式を行った
という噂もある。
マーリンは人々にとって、いつも偉大な白き魔術師であり続けたのだ。

ところが、そのマーリンが、封じ込められてしまう日が来た。

マーリンは森の中の美しい湖のほとりを歩いていた時、水辺で遊ぶ美しい妖精に目を
止めた。
緑の衣をまとった彼女の名はニムエ。
一目で恋に落ちたマーリンは、早速美しい青年に変身し、彼女に近づいた。

ニムエにせがまれ、マーリンは彼女に魔法を教え始めた。
マーリンが彼女を喜ばせようとやって見せた魔術を、ニムエは自分でやってみたく
なったのである。

マーリンはとうとう最後の魔法、呪縛の術までもニムエに教えてしまった。
そうなると、移り気な妖精のこと、ニムエはマーリンから離れたくなってしまったのである。

木漏れ日の差し込む大木の下、ニムエはマーリンが眠り込んだのを確かめ、静かに
呪縛の呪文を唱えだした。

木々がマーリンを取り囲み、透明な塔となって、永久にマーリンを森に閉じ込めたのだ。

今でも深い森に入っていけば、閉じ込められたマーリンの哀しい歌声が聞こえるという。

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以下、西洋魔術の中の、ハーブを使用する魔術です。

【ハーブティー】

(ハイビスカス&ローズヒップ 各茶さじ半)

美容に良いが、運勢を好転させる力が強い。


(紅茶&レモングラス)

ミントティーよりも穏やかに、そして確実に頭脳の働きを強め、アイディアや
チャンスをもたらす。


【インセンス】

心霊的精神力を高めて引き出し、邪悪な存在を退ける。

乳香と着火剤と、レモングラス&セージのブレンドを、3:1:1の割合で調合して
焚く。


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