安倍晋三首相が四日の年頭記者会見で、改憲を「ぜひ私の内閣として目指していきたい」「参院選でも訴えていきたい」と述べるなど、年初から改憲に向けた異常な意欲を示しています。
元日の年頭所感では、まずは改憲の前提となる改憲手続き法案の「通常国会での成立を期する」と宣言。五日には、衆院憲法調査特別委員会の中山太郎委員長を呼び、同法案について報告を受けています。
「安倍カラー」
首相が参院選に向けて改憲姿勢をおしだすのは、就任以来あいまいさが目立つとの批判を意識して、「安倍カラー」を打ち出したいという思惑があるとみられています。
同時に、自民・公明の与党と民主党とによる改憲手続き法案での合作がすすみ、ほとんど合意に達しているという状況も背景にあります。
同法案については昨年五月、与党案、民主党案がそれぞれ別に国会に提出されましたが本質的な違いはなく、昨年十二月には九項目の“修正”で大筋合意しています。
「毎日」一日付では、同法案について、自民党の舛添要一・新憲法起草委員会事務局次長が「通常国会冒頭、できるだけ早い機会に自公と民主で合意し、成立させる」と抱負を語れば、民主党の枝野幸男・党憲法調査会長も、今年は「国民投票法制が間違いなくできる年になる」と応じています。そのうえ枝野氏は、同法案での自公民の合意づくりは「本体の『トライアル』(試行)」と、共同改憲案づくりの“予行演習”でもあることを打ち明けています。
中山委員長は、安倍首相との会談で「民主党の枝野幸男憲法調査会長も三月に衆院通過、四月中に成立と言っている」と明かしました。
集団的自衛権
もう一つの事情は、米国との関係です。安倍首相は四日、今年の初会見で、イラク戦争でも口実とされた「大量破壊兵器」や「テロとのたたかい」などのために「日米同盟をいっそう強化していく必要がある」と力説。安全保障関係の法整備や、海外での武力行使を可能にする集団的自衛権の容認に向けた研究を進める考えをあらためて示しました。
冒頭の“参院選でも改憲を訴えたい”という発言はこのなかで飛び出したもので、「米国とともに海外で戦争をする国」づくりという改憲の狙いは明らかです。
しかし、日本共産党の志位和夫委員長が三中総報告で指摘したように「アメリカいいなり、改憲の道は、国民との矛盾を広げ、世界の流れに逆行する」ものです。
「九条の会」は全国で五千六百を超え、改憲反対署名が有権者の過半数を超えた自治体も相次いで生まれました。
英紙フィナンシャル・タイムズ(アジア版)五日付も「安倍氏は、日本の有権者がもっと関心を寄せる経済問題ではなく、なぜ憲法改定や学校の教育課程での愛国心を強調し続けるのか驚かされる」との声が出ていると指摘しています。(藤原 直) しんぶん赤旗1月8日
元日の年頭所感では、まずは改憲の前提となる改憲手続き法案の「通常国会での成立を期する」と宣言。五日には、衆院憲法調査特別委員会の中山太郎委員長を呼び、同法案について報告を受けています。
「安倍カラー」
首相が参院選に向けて改憲姿勢をおしだすのは、就任以来あいまいさが目立つとの批判を意識して、「安倍カラー」を打ち出したいという思惑があるとみられています。
同時に、自民・公明の与党と民主党とによる改憲手続き法案での合作がすすみ、ほとんど合意に達しているという状況も背景にあります。
同法案については昨年五月、与党案、民主党案がそれぞれ別に国会に提出されましたが本質的な違いはなく、昨年十二月には九項目の“修正”で大筋合意しています。
「毎日」一日付では、同法案について、自民党の舛添要一・新憲法起草委員会事務局次長が「通常国会冒頭、できるだけ早い機会に自公と民主で合意し、成立させる」と抱負を語れば、民主党の枝野幸男・党憲法調査会長も、今年は「国民投票法制が間違いなくできる年になる」と応じています。そのうえ枝野氏は、同法案での自公民の合意づくりは「本体の『トライアル』(試行)」と、共同改憲案づくりの“予行演習”でもあることを打ち明けています。
中山委員長は、安倍首相との会談で「民主党の枝野幸男憲法調査会長も三月に衆院通過、四月中に成立と言っている」と明かしました。
集団的自衛権
もう一つの事情は、米国との関係です。安倍首相は四日、今年の初会見で、イラク戦争でも口実とされた「大量破壊兵器」や「テロとのたたかい」などのために「日米同盟をいっそう強化していく必要がある」と力説。安全保障関係の法整備や、海外での武力行使を可能にする集団的自衛権の容認に向けた研究を進める考えをあらためて示しました。
冒頭の“参院選でも改憲を訴えたい”という発言はこのなかで飛び出したもので、「米国とともに海外で戦争をする国」づくりという改憲の狙いは明らかです。
しかし、日本共産党の志位和夫委員長が三中総報告で指摘したように「アメリカいいなり、改憲の道は、国民との矛盾を広げ、世界の流れに逆行する」ものです。
「九条の会」は全国で五千六百を超え、改憲反対署名が有権者の過半数を超えた自治体も相次いで生まれました。
英紙フィナンシャル・タイムズ(アジア版)五日付も「安倍氏は、日本の有権者がもっと関心を寄せる経済問題ではなく、なぜ憲法改定や学校の教育課程での愛国心を強調し続けるのか驚かされる」との声が出ていると指摘しています。(藤原 直) しんぶん赤旗1月8日