
晴れていればこの先に岩木山の威容が望める。
今日は雲ですっかり隠れてしまった。
でも夕刻なので雲間に見える夕日がいい感じになってくれるといいのだが。

空模様は刻々と変わるが、電車は1時間おきにしか来ないので、ちょっと残念な感じに。

雪が溶けたら田んぼなのだろうけど、雪を除けてある道路の一部だけ、やや広めに雪かきしてあるところがあり、そこで撮影していた。
写真を撮り終えて帰ろうかと思った頃、車が脇に停まって窓が開いた。
うお、なんか因縁つけられるのかしら・と身構えたら、「ここ、車止めていい?」とおじさん。
「はあ、別に・」
「いやね、夕方になるといつもこの辺散歩するんだけど、この辺雪で止めると来ないから・・。どっからきたの?。・・ああ、俺も荒川区にいたんだ。ずっと現場やってて、いまはもう70で引退したんだけどこの辺に落ち着いてさ。」
なにかお話をしたいおじさんでありました。
近くに高校はあるんだけど、周りに人、いないんだよね。この辺。
翌日。

天気はけっこう目まぐるしく変わって、晴れ間が見えたかと思えばかなり激しい雪が降る時もある。
雪の様子がわからなかったので、ホテルからタクシーで市内の中心部に行ってみたが、もう雪が降っても積もることはないようだ。

歩道も人が歩ける程度には除雪されている(これは機械が使えないだろうから、地元の方が手で除雪したのかもしれない)。
この後市外に向かう電車に乗ったが、そっちの方は少し晴れていた。

待合室は必ず扉が閉めてあり、ほんのりストーブの匂いがする。
無人駅の待合室は暖房がないが、それでも扉が閉めてあれば意外と暖かい。

車庫のある駅で降りて撮影した。
電車が1時間ぐらい来ないので、次の駅まで歩いた。

無人駅の待合室にいたら、高校生くらいの女の子が入ってきた。
部屋の隅に座って、スマホをいじっている。
乗車するのと反対方向の電車が最初に来たが、その子は動かない。僕と同じ方向の電車に乗るらしい。
と、思ったが、逆方向の電車が来てもやはり動かない。
終点まで乗って、30分ぐらいその辺をうろついて土産物屋で買い物して、折り返しの電車に乗った。
くだんの無人駅に戻ってきた。まさかもういないだろうな、と思って待合室をそれとなく見たら、その子、まだそこにいた。

弘前に戻ったら、あとは市内見物。
この美術館(弘前れんが美術館)は館内入替中で休館中でした。

雪解けの街を歩くのも素敵だと思って、あとは歩いたけど、地理が頭に入ってないので迷いながら歩いた。
Google ナビはわかりにくいね。
地図を持たずにスマホで済ますのがいけないのかもしれない。

お昼になったので、市役所近くのラーメン屋に入った。
観光客相手ではなく、近くの勤め人の人が入るところみたい。
950円のセット。まあふつう。

弘前城(弘前公園)。
ラーメン屋を出たころから雪が強くなってきた。

お濠がシャーベット状になっていてなかなかすごいのだが、地面にあれだけ雪が積もっているのだから、お濠の中も雪でいっぱいなのだろう。
昔は実家の庭の池も氷結して3センチぐらいの氷になったけど、あれとはまた違うんだろうな。

弘前城天守。東北地方で江戸時代から残る天守としては唯一のものだが、建築自体は文化七年(1810年)と比較的後年のものだ。とはいえ、建築様式は古式に則ったものだ。

と、いう事が書かれている説明書。
さっきから思っているのだがこのとき使ってたレンズ(DA16mm-85mm F3.5-5.6)は広角側で結構歪曲収差が目立つ。珍しいことに?あるいは自分が設定をしていないからかもしれないが、K3iiiはそれを補正していない。もしかしたら、画質重視あるいは撮影後のユーザー補正を前提としているからかもしれない。

そんなわけで、時折結構雪に降られながら、しばらく歩く。
資料館や博物館(美術館併設)で津軽の歴史とか、地元出身の画家佐野ぬい(1932-2023)回顧展を見たりした。佐野さんの回顧展はなかなか見ごたえがありました。

長勝寺溝。津軽信牧公がここに禅院33ヵ寺を集めたのだそう。
地図を見ると通り沿いに延々寺マークがついているので、どんなところかと思って行ってみた。長勝寺はかなり古そうだったが、他は今風のお寺が多かった。
お寺と言うのは割と実用重視と言うか、モダン様式のお寺が多いですね。成田山新勝寺も本殿はコンクリートですし。

どかどか降ってきた。

由緒ある建物だが、ぜんぜん人がいない。

また公園付近に戻ってきた。
藤田記念庭園の、庭園は雪に埋もれてて見学できない。
傍らの洋館は大正浪漫喫茶になっている。
疲れたのでちょっとここで休憩。

レトロ風ではなく本当に古い建物らしい。
テラス席は庭が見えて人気があるが、混んでたので遠慮してこちらに。

アップルパイもコーヒーもさすがにうまかった。

最勝院五重塔。
屋根の雪がすごいことになっています。落雪注意。

ふつうは仁王様が立ちはだかっているものだが、ここはなぜかうさぎがいるのだ。

これまでうさぎの神社はさいたま、京都と訪れてきたが、うさぎのお寺というのは初めてだ。
仁王様の代わりに仁王立ちしているうさぎさんは、なんだかまぬけでかわいい。

多少怖い感じがしないでもない。。
というわけで、雪国はなかなかの味わいでござった。