エミリー・ブロンテ 川島弘美訳 岩波文庫
読み始めたのは夏の初めごろだった気がしたが・・途中大きな中断を経て、ようやく読み終えた。
ほかにもいろいろ並行して読んでいたのですが、ちょっと時間がかかりすぎました。残念ながら、僕には「ページを繰るのももどかしい」という感じではなかったのです・。
以前から一度読んでみたいという気持ちはありました。
僕は15,6年前にNHk BSでやっていた「世界 わが心の旅」で、荒涼たる海辺の湿原の風景を背景に、この本が紹介されていた、ような記憶があるのですが、ウェブをちょっと調べてもそれらしい回は見当たらなさそうなので、記憶違いなのかもしれません。
ただ、心の中にはその時見た風景-灰色の空と、黒っぽい岩や枯草、やむことのない強い海風、みたいな風景が、目をつぶると浮かんでくるのですけどね。
決して心愉しい環境ではない、けれど、人というのは心のどこかに、こうした荒涼たる風景を宿しているのではないかという気がします。僕自身、ロックウッドのように、煩わしい喧騒から逃れて、しばらくこのような土地に身を置いてみたい、という気持ちも、少しだけ想ったりもします。。
時代設定は1801年、とされています。ということは、海の向こうではベートーヴェンが耳の疾患に苦しんでいた時期ということになりますね。
ベートーヴェンも、音楽に心を奪われながら、周囲の人たちとはかなりやりあったような評伝が伝わっています。ヒースクリフにとってのキャサリンが、ベートーヴェンの音楽だったのかもしれません。
。。我ながら奇妙な「嵐が丘」評になってしまった。