口中に広がるほろ苦さと、みずみずしい甘さを兼ね添えたジューシーな野菜はホワイトアスパラガスしか無いように思います。
ヨーロッパには、桜前線ならぬアスパラガス前線があります。
まっすぐに伸びた太めのアスパラガスを手に入れたら、剥いた皮と粗塩を入れた70度くらいの湯で、ゆっくりとアスパラを茹でます。
晒しやガーゼを伏せてだいたい17〜20分ほどです。
氷水にさっと落とし、表面だけの粗熱を取るのですが、口にする時はまだ温かい状態でなければなりません。
さっぱりとしたオランデーズソースと削りたての岩塩がお約束です。
この茹で方は三田にある私が一番好きなフレンチの名店のシェフに教わったもの、丁度今はフランスから北上してドイツ産になりました。
グリーンアスパラに多く含まれる抗酸化作用のルチンやカロテン、ビタミン類などの含有量には劣りますが、何よりもその食感や旨味、そこはかとなく感じる大人っぽい苦味とジューシーさが美味しい。
この風味に熱狂するヨーロッパ人のファン心理に同感します。
初夏を感じる爽やかな休日の午後に冷えたシャンパーニュや白ワインをお供に堪能してみて下さい。