在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”キャンティ・クラシコ・リゼルヴァ・イル・ポッジョ 1999 e 1982” カステッロ・モンサント

2007-05-30 19:35:28 | Toscana トスカーナ
"Chianti Classico Riserva Il Poggio 1999 e 1982" Castello Monsanto -Toscana
1999年ヴィンテージ。
やや透明感のあるガーネット色。スパイス、バルサム臭balsamico、土、きのこが出て、強さ良し、香りの持続性、複雑性大変良し。
味もきれいで、酸味がとても心地よい。ボディがほど良くマッチ。タンニンは細く繊細。後味も良く、熟成したワインの良さ、有り。
1982年ヴィンテージ。
「爪」はすっかりオレンジがかる。しかしツヤは良い。
香りもすっかり熟成香。かなり閉じていて、時間がかかる。ゆっくり、ゆっくり土、革、スパイス臭などが立ってくる。ダークな森の木の実のコンフィが、かくれんぼしながら時々参加。
口に含んだ時のインパクト有り。酸がきりっと引き立ち、後味がきれいに長く続く。
これだけ熟成したワインが好きか嫌いかは別として、昔の良さがしっとりと出ている1本。今のキャンティ(このワイナリーのものでも)の大半はこれだけもたないだろうと思うと残念。

”ランゲ・ロッソ・アルボリーナ 1997 e 1996” エリオ・アルターレ

2007-05-30 07:02:42 | Piemonte ピエモンテ
"Langhe Rosso Arborina 1997 e 1996" Elio Altare -Piemonte
モダン・バローロ旗手、アルターレのランゲ・ロッソ。品種はネッビオーロ。
1997年ヴィンテージ。
心持ちぼやっとしたにごりがあるが、光沢は大変良い。「爪」にガーネット色がはっきり見える。色の濃さ、程よくあり。
香りは甘酸っぱく、とても心地よい。一言で、きれい!フルーツの良く熟した甘さと酸味のバランスが良く、パフォーマンスあり。バリック使用が香りから伺える。収穫年より10年を経て、奥には、薬っぽさも出る。
味は、ボディは程よく、酸がきれいに出る。タンニンはだいぶまろやかになっている。後味のフルーツ臭がきれいで、持続性あり。
1996年ヴィンテージ。
たまたまなのか、澱がすごい。全体がガーネットがかる。
香りは閉じていて弱い。きれいだが、開くまでに時間がかかる。出てくると複雑性があり、森の木の実のコンフィ、バルサム臭balsamico、他、スパイス臭が感じられる。奥に臭みがあるが、全体に良く熟成している。
味はアタックがきれい。酸がきれいにワインを引き立てている。タンニンはまろやか。持続性の最後はやや消えるが、木が若干残る感があり。
どちらが良いかと言われると、ちょっと困る。1997年神話があるので絶対に1997年!何が何でも1997年!という人は多いだろう。たしかに今回は前者に軍配が上がるが、個人的には後者も捨てがたい。