在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”バローロ・リステ 2003” ボルゴーニョ

2009-01-19 03:43:45 | Piemonte ピエモンテ
“Barolo Liste 2003” Borgogno -Piemonte
バローロ・リゼルヴァは5つの畑のブレンドだが、リステは単一畑のもの。
アンテプリマ(未発売)で飲んだ。この年から、収穫より10年後に発売することにしたのだそう。つまり、この2003年は2013年に発売される予定となっている。
そうと知っていれば2001年を買っておけばよかった。。と大きく後悔。
常連のエノテカ(酒屋)で、人のために買い占めたら、自分の分がなくなってしまったのである。。今さら、返して~とは言えない。。。あー、惜しいことをした。。。
2003年がそろそろ出るかな、と思っていたのに、2013年まで待たされるとは。。


フルーツの香りが甘く、一瞬、バリック使用?と疑いたくなるくらい。しかし、ボルゴーニョはバリックを使わない。それに、べたべたした鼻に残る甘さではないから、バリックではないのがわかる。
色は濃い目のガーネットで、もうすでに若干の澱が出ている。ブラックチェリー、プルーンの熟した感じで、甘いとはいえ、決して煮詰めた感じではない。かなり心地よい。
味は、思ったより酸味がある。そして、柔らかさ、ボディ、しっかりしたタンニンなど、かなり印象的。フルーツがきれいに残り、さすがリステと頷くばかり。

”バローロ・リゼルヴァ 1961-1996年” ボルゴーニョ

2009-01-19 03:32:42 | Piemonte ピエモンテ
“Barolo Riserva 1961-1996” Borgogno -Piemonte
ボルゴーニョの縦飲みというとてもうれしい機会があった。
今でこそ、大樽が見直されて、伝統的な味わいが再び称賛されるようになったが、90年代はつらかったと想像する。どこもバリック、バリックを使わないと、時代遅れのような印象が先に立ち、ボルゴーニョのようなバリックを使わないどころか、持っていないというワイナリーは影が薄かったと思う。
しかし、そういった時代を乗り越えて、再び伝統に目が行くようになったのはうれしいことである。
いつか、ボルゴーニョの、たとえば、48年たった1961年ものと、バリックバリバリのモダンワインの48年後を飲み比べてみたい。
若いうちは、飲み易いモダンワインもいいが、年を経た後は、いわゆる古臭いワインに軍配が上がると思う。

さて、その1961年。まだDOCの時代。
色はガーネットに、はっきりとオレンジの爪。透明感があり、ツヤがあり、魅力的な色。
小さな花の香がふわっとする。48年たって、まだ花の香り??と驚くくらい。思ったより開いている。お香の香り、腐葉土、リコリース、タバコ(ブロンド)、グドロン、バルサム臭、フルーツの面影、酸味のあるオレンジなどで、だんだんとキノコ、トリュフも出てくる。広がりがあり、アニマル臭などの臭みが全くなく、非常にきれい。
タンニンがまだあるのにも驚いた。酸味が立ち、とてもきれいで、言われなければ61年ものだとは誰も思わないだろう。
このあたりがボルゴーニョの醍醐味と言えそう。

1978年、これもDOC。
残念ながら、リコルクをして、そのコルクが良くなかったのか、コルク臭があった。それも、試飲に持ってきたボトルが全部同じ感じでまさに残念。コルクのロットに問題があったようだ。
78年はそれは良い年だったというから、さらに残念だったと言える。

1982年、DOCG。
一瞬、野菜を思わせる臭みがある。スパイスがきれいに出ていて、若干の刺激があり、そこに甘さが時に加わる。小さなバラ、フルーツなど、まだ若さの片鱗が見られる。湿った土、腐葉土、紅茶の葉、バルサム臭、タイムなど。
味はまだ若いくらいで、きれい。タンニンがまだしっかりある。
全体にややシンプル、エレガントな出来と言える。

1989年
82年よりだいぶ閉じている。
が、かなり良い。革、タバコ(黒)、土、リコリース、アニマル、毛皮、トリュフ、黒い森の木の実など、挙げていったらきりがない。
味は果肉を感じるくらいで、ボディ、複雑性がとても良い。特に、アタックの印象がすばらしい。味にも広がりがあり、持続性がかなりあり、カフェ、カカオがきれいに残り、満足。
89年は、よく90年と比較される。ワイナリーの人も言っていたが、リリースされてしばらくの間は90年の方が名実ともに良かった、しかし、今となっては89年の方がおいしいくらいだ、と。まさに、その通りだと思う。今回は90年と比較して飲んだわけではないが、この89年の出来には非常に満足感がある。そして、89年、90年とを比較して飲んで、89年の方が良かったと思うことが何回あっただろう。。。

1996年
若干金属的な感じ。バルサム臭、スパイス、ミント、ユーカリ、コショウ、ノーチェ・モスカート、キーナ、グラフィティなど。揮発酸が多め。
酸味が出ていて、タンニンがやや隠れる感じあり。89年より熟成が進んでいる印象。

写真のラベルはノーマルなもので、試飲はリゼルヴァ。

”ドルチェット・ダルバ 2006” ボルゴーニョ

2009-01-19 03:26:50 | Piemonte ピエモンテ
“Dolcetto d’Alba 2006” Borgogno –Piemonte
非常に澄んだ印象。色は、やや濃いめのルビー色。
花の香り、良く熟した森の木の実の香り。シンプルながら、まっすぐ(素直)な広がりがある。マラスカ、ブルーベリー、土っぽい香りもある。
タンニンがしっかり感じられ、若さが出る。最後に若干のアルコールとほろ苦さが残るが、苦みはドルチェット特徴でもある。ドルチェットにしては、だいぶ持続性がある。
香り、味ともに非常に心地よい。
こういうドルチェットなら、(比較的)値段も安いし日常的に飲みたい。