在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Flos Olei

2013-12-02 15:04:52 | オリーブ・オイル
Flos Olei



2日間、立て続けにローマのホテル・エクセルシオールで興味深い試飲会があった。
雑誌Cucina&Vini主催のSparkleとMarco Oreggia氏主催のFlos Olei。
Flosの方はワインではなく、オリーブ・オイルの試飲会である。
Marco Oreggia氏の発行するオリーブ・オイルの評価本のお披露目で、毎年、この時期に行われるようになり、うれしいことに入場無料である。
前日のSparkleはすごい人で、移動にちょっと苦労したが、オリーブ・オイルの方はさすがにまだ「試飲」しようという人はワインほどではなく、それでもこの種の試飲会としては大成功、かなりの盛況だったと言える。

参加は、スペインからのベスト・オイルが7社、その他、数社の外国勢、あとは、イタリアの中南部が大勢を占め70社以上の参加だった。
パンも置いてあるので食べることはできるが、よくあるようにパンにオイルをつけて食べてオイルの味見をするのではなく、ちゃんと小さなプラスチックのコップが用意され、試飲(試食?味見?)できるようになっている。
リンゴもふんだんに置かれ、食べられるようになっていて、これもうれしかった。
ワインの試飲会でのオリーブ・オイルの試飲は、たいていパンにつけて「食べる」ようになっていて、これではオイルの良し悪しはわからない。
また、ワインと違って、オイルとオイルの間には水ではなく、パンでもなく、リンゴが一番いい。リンゴは、きれいにオイルの味を消せるし、オイルの味を損ねない。

参加の中に、今年は日本のオリーブ園の参加があった。天草オリーブ園。
さすがに日本からの参加ということで、珍しく、みんな興味があったのか、早くに試飲できるボトルが全て終わってしまって、味見はできなかったが、日本からの参加とはうれしいものである。

以前はオリーブ・オイルというと欠陥のある、それもいくつもの欠陥のあるオイルがかなり見られたが、非常に良くなっている。
それほどたくさんのオイルを試飲したわけではないが、どれも欠陥はなく、あとは味の好みの違いと言える。もちろん、バランスがより取れているもの、そうでないもの、苦味がかなり強いもの、かなりピリッとするものなどあるが、そういうタイプのオイルが好きな人もいる。


個人的に好きなオイルは、いくつかあるのだが、とにかくひとつだけ紹介したい。
カラブリアのLibrandi。
品質と比べて値段が安いこともあるが、とにかく透き通るようにきれいなオイルを造る。南のオイルにしてはかなり軽めであるが、野菜中心の食生活にはぴったりである。
日本では、素晴らしく魅力的な友人Tinaが輸出しているので手に入る。(ただし、すぐに売り切れになるよう)軽めで、料理を邪魔しない味わいは、日本の食生活にもぴったりだと思うのでお勧めする。
写真のオレンジは、ビオのオレンジも作っているんです、といただいたもので、オレンジ型のオイルの容器ではない。(念のため。。。)

そして、参考までに写真の1から10、58から69が今年選ばれたベスト20オイルである。(ちなみに20以上あり)
若干「政治的」側面が見られると思うので、このベスト20だけが良いわけではないが、参考まで。


Sparkle 2014

2013-12-02 08:09:03 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Sparkle 2014

イタリアでのスプマンテの人気の高さには驚いた。
雑誌Cucina&Vini主催のSparkleは大盛況だった。参加は、Franciacorta、Trento DOC、プロセッコ(正確にはConegliano Valdobbiadene)を中心に、それ以外の州からの参加は少なかったが、シャンパーニュを2社含んで70社以上が参加した。
かなり広い部屋2つを使い、移動にちょっと苦労するほどの人手だった。
入場料10ユーロと別に食べ物にそれぞれお金がかかるのだが、スプマンテは飲み放題なので、夕食を食べに来ている風の、業界とは関係ない人も多かったし、業界の知り合いにはほとんどお目にかかった。長らく会っていなかった知り合いとも久々の再開ができたくらいだった。

全体の印象。
Conegliano Valdobbianede、簡単に言ってプロセッコは、今、日本で大人気である。(のようである。)プロセッコ、飲みたいですね~という人が増えていて、ちょっとびっくり。指名があるほど日本での知名度が上がっているということだろう。しかし、個人的にはちょっと甘すぎ、軽すぎ。全体によくできているので、軽いアペリティフ、大勢で気軽に飲むのは良いが、まじめにちゃんと飲むには少しさびしい気がしてしまう。
その他の州での注目は、ピエモンテのConti di Roeroのアルネイス80%、ネッビオーロ20%で造ったスプマンテ。軽め、すっきり、エレガントで大変心地よく、重たい感じものが多くなっている中、大変好感が持てた。
そして、プーリアを代表するd’Arapriのスプマンテは、味わいに樽の印象がかなり残るが、非常に良くできている。
Franciacortaは知名度が若干先行している感がある。Franciacortaは美味しい、という人が多いが、ワイナリーの数が多いこともあり、ばらつきがかなりある。人気がある点、人が多く、終わっていたものもあり多くは飲めなかったが、大御所以外で、CastelvederのExtra Brutは大変良かった。
逆に、知名度は低いが、値段とのバランスもよく、非常に良くできているのはTrento Doc。Francicorta ほどでなかったのでかなり試飲できたが、Letrari、Maso Martis、Methius、Balterと、どれもお勧め。
さて、クリスマスから年末には何を開けるか。