Montepulciano d'Abruzzo Valentini 1
1880 +++
1890 +(+)
1896 ++++
(星の数は3つを基準にして、3つでかなり良く、それ以上の4つは非常に素晴らしい、という個人的、勝手な基準)
(3 stelle è molto buono, cioè buono 'normale' e 4 stelle è più che 'molto buono' cioè eccellente)
ローマのAIS、現在は正確にはBibendaでValentiniの試飲会があった。
試飲会の予定が発表されて、早くに気がついた人のみが参加できたと言っていいかもしれない。すぐに満席になり、ええー、売り切れ!?と嘆いた人がたくさんいた。
最初の予定は1890年から28ヴィンテージ、うち1ヴィンテージがVin santo、だった。これで140ユーロ。高いか安いかはそれぞれだろうと思うが、なにせ、一番古いヴィンテージが1890年、高いはずはない。(個人的意見)
私が申し込んだとき、すぐその後売り
切れになったので、もしかしたら、ゲットしたのは最後の席だったのかも。
結構ぎりぎりになってぱらぱらと人が集まるいつもの試飲会と違って、結構早くから参加者が来ていた。
会場に入ると、ずらっとボトルが並んでいる。各ヴィンテージ4本ずつ、ずらっと並び、ラベルが貼っていないものも多いが、貼ってあるものはラベルが同じなので、数えようとすると頭がくらくらするので断念。
当然、古いヴィンテージのボトルは埃をかぶり、ラベルはカビで覆われている。
私が着いた時は、有名ジャーナリストのブルーノ・ヴェスパがボトルのそばで試飲をしていた。
席にグラスは一人31個。そこで、結局、合計28ヴィンテージではなく、31ヴィンテージ、うち1ヴィンテージがVin santoであった。
そして、最も古いヴィンテージが1890年ではなく1880年という「おまけ」までついていた。
いつもは定時に始まる試飲会だが、かなりの人がなんとなくボトルの回りに集まり、席に着かない。見ているだけで壮観、とはみんな思ったと思う。時間をだいぶ過ぎ、促されて、やっとみんなが席に着き、歴史的な試飲会が始まった。
ValentiniからはFrancesco氏と息子、将来の経営者になる、まだ若いGabriele氏の二人が来ていた。会場に映し出されている写真は、1880年代の3本のワインを造ったGaetano氏。
参加者は各ヴィンテージ4本ずつなので60-70人程度。
140ユーロは高い、と思う人は来ていなかったし、結構なメンバーが集まっていた。
AIS(現在はBibenda)は、古いヴィンテージから試飲を始める。普通の試飲会なら個人的には新しいヴィンテージからのほうが好きだし、新しいヴィンテージから試飲する団体のほうが多いような気がするが、今回は古いヴィンテージからが正解だと思う。なにせ数が多いので、最後のほうは、どうしても集中力が鈍ってしまう。
全部をアップするまでにはかなりかかると思うが、とにかく1800年代の3本。
1880
今から132年前のワイン。なかなかというよりめったに飲む機会はないと思う。今回の1880年代の3つのワインは、何故か、オイルを入れるような15リットルの容器に入れてあって、長い間忘れ去られていたと言う。50年代に入って1リットルのボトルに移し変えられ、消費されたものが多いが、今回のボトルは残り少なくなったものなのだそうだ。
色は琥珀色。若干薄い感じと、やや濃い目と、ボトルによって微妙に違うが、遠くから見る限り、大きな違いはない。見事な透明感、輝き、美しいコニャックの色合いである。
ワインの色は、最終的には色が落ちて透明になるというが、透明になるにはまだまだかかりそうな感じである。色だけでもすでに感嘆の域。
一瞬、還元臭があったかと思うが、すぐにほのかに香りが上がってくる。別のボトルにあたった人と交換してみると、残念ながら、私にあたったボトルはやや香りが弱いが仕方がない。香りの全体像には大きな変化はなかった。
甘い香り、かなり甘く、蜂蜜の香りがする。コルベッツォロか栗。干したフルーツの香り、プリンかと思うくらいクリームの香り、カラメル風、薬草の香りがほのかに、キーナ、白檀、カモミールなど・・・ほのかで、やや弱いがどんどん上がってくる。そして、1時間後も同じように香りが上がって、まったく消えていなかった。ジェヌインで、今時の造ったワインの香りではなく、非常に自然で、透明感のある素敵な香りだった。
味は反して、つまり非常に甘い香りと対照的に、当然辛口。酸がきれいで、ややほろ苦さがある。まだワイン、つまり、衰えやら、臭みやらはなく、生きて変化しているワインである。50年もたたないうちにどれだけ多くのワインが死んでしまうかと思うと、感動的でもある。全体に細いが、繊細で、ガラスのようでもあり、わずかほろ苦さのある余韻が続く。
1890
色は非常に似ている。とにかく、輝きが素晴らしく、120年以上前に醸造されたものとは信じられない。
80年と比べて香りがやや強い、というかはっきりしている。しかし、80年ほど繊細な感じではなくややオイリーな感じを受ける。香りの傾向は似ていて、蜂蜜、ドライフルーツ、薬草、香草などだか、ややアーモンド風の香りが混じる。
味は80年とはかなり違う。塩味が強く、酸味がやや少ないうえに塩味が酸味を隠しているところがある。ほろ苦さが強く、塩辛さとほろ苦さが余韻に残る。
1896
琥珀色の色合いは同じだが、澱が混じっていることもあるが、やや濁りが見える。そこで、輝きはやや劣る。
わずかにエナメルの香り。やや還元臭が強い感じがするが、同じく甘く、栗の蜂蜜、クリーム、カラメル、カフェ・クリーム、バルサミコ・・・甘いが、80年よりは甘さが抑えられている。80年のほうがダイレクトで、こちらのほうがオブラートに包まれた感じで複雑。
味は、びっくりするほどインパクトがよい。しっかりと主張がある。酸味がきれいで、ほんのりほろ苦さがとても心地よく、カフェ風の余韻が残る。後味は長く、きちんとした主張を持ち、かつエレガントでとても印象がよい。
1880年のボトルで大変良いものに当たった人はそちらの方が良いと言うかもしれないが、個人的な感想は1896年が素晴らしかった。
1880 +++
1890 +(+)
1896 ++++
(星の数は3つを基準にして、3つでかなり良く、それ以上の4つは非常に素晴らしい、という個人的、勝手な基準)
(3 stelle è molto buono, cioè buono 'normale' e 4 stelle è più che 'molto buono' cioè eccellente)
ローマのAIS、現在は正確にはBibendaでValentiniの試飲会があった。
試飲会の予定が発表されて、早くに気がついた人のみが参加できたと言っていいかもしれない。すぐに満席になり、ええー、売り切れ!?と嘆いた人がたくさんいた。
最初の予定は1890年から28ヴィンテージ、うち1ヴィンテージがVin santo、だった。これで140ユーロ。高いか安いかはそれぞれだろうと思うが、なにせ、一番古いヴィンテージが1890年、高いはずはない。(個人的意見)
私が申し込んだとき、すぐその後売り
切れになったので、もしかしたら、ゲットしたのは最後の席だったのかも。
結構ぎりぎりになってぱらぱらと人が集まるいつもの試飲会と違って、結構早くから参加者が来ていた。
会場に入ると、ずらっとボトルが並んでいる。各ヴィンテージ4本ずつ、ずらっと並び、ラベルが貼っていないものも多いが、貼ってあるものはラベルが同じなので、数えようとすると頭がくらくらするので断念。
当然、古いヴィンテージのボトルは埃をかぶり、ラベルはカビで覆われている。
私が着いた時は、有名ジャーナリストのブルーノ・ヴェスパがボトルのそばで試飲をしていた。
席にグラスは一人31個。そこで、結局、合計28ヴィンテージではなく、31ヴィンテージ、うち1ヴィンテージがVin santoであった。
そして、最も古いヴィンテージが1890年ではなく1880年という「おまけ」までついていた。
いつもは定時に始まる試飲会だが、かなりの人がなんとなくボトルの回りに集まり、席に着かない。見ているだけで壮観、とはみんな思ったと思う。時間をだいぶ過ぎ、促されて、やっとみんなが席に着き、歴史的な試飲会が始まった。
ValentiniからはFrancesco氏と息子、将来の経営者になる、まだ若いGabriele氏の二人が来ていた。会場に映し出されている写真は、1880年代の3本のワインを造ったGaetano氏。
参加者は各ヴィンテージ4本ずつなので60-70人程度。
140ユーロは高い、と思う人は来ていなかったし、結構なメンバーが集まっていた。
AIS(現在はBibenda)は、古いヴィンテージから試飲を始める。普通の試飲会なら個人的には新しいヴィンテージからのほうが好きだし、新しいヴィンテージから試飲する団体のほうが多いような気がするが、今回は古いヴィンテージからが正解だと思う。なにせ数が多いので、最後のほうは、どうしても集中力が鈍ってしまう。
全部をアップするまでにはかなりかかると思うが、とにかく1800年代の3本。
1880
今から132年前のワイン。なかなかというよりめったに飲む機会はないと思う。今回の1880年代の3つのワインは、何故か、オイルを入れるような15リットルの容器に入れてあって、長い間忘れ去られていたと言う。50年代に入って1リットルのボトルに移し変えられ、消費されたものが多いが、今回のボトルは残り少なくなったものなのだそうだ。
色は琥珀色。若干薄い感じと、やや濃い目と、ボトルによって微妙に違うが、遠くから見る限り、大きな違いはない。見事な透明感、輝き、美しいコニャックの色合いである。
ワインの色は、最終的には色が落ちて透明になるというが、透明になるにはまだまだかかりそうな感じである。色だけでもすでに感嘆の域。
一瞬、還元臭があったかと思うが、すぐにほのかに香りが上がってくる。別のボトルにあたった人と交換してみると、残念ながら、私にあたったボトルはやや香りが弱いが仕方がない。香りの全体像には大きな変化はなかった。
甘い香り、かなり甘く、蜂蜜の香りがする。コルベッツォロか栗。干したフルーツの香り、プリンかと思うくらいクリームの香り、カラメル風、薬草の香りがほのかに、キーナ、白檀、カモミールなど・・・ほのかで、やや弱いがどんどん上がってくる。そして、1時間後も同じように香りが上がって、まったく消えていなかった。ジェヌインで、今時の造ったワインの香りではなく、非常に自然で、透明感のある素敵な香りだった。
味は反して、つまり非常に甘い香りと対照的に、当然辛口。酸がきれいで、ややほろ苦さがある。まだワイン、つまり、衰えやら、臭みやらはなく、生きて変化しているワインである。50年もたたないうちにどれだけ多くのワインが死んでしまうかと思うと、感動的でもある。全体に細いが、繊細で、ガラスのようでもあり、わずかほろ苦さのある余韻が続く。
1890
色は非常に似ている。とにかく、輝きが素晴らしく、120年以上前に醸造されたものとは信じられない。
80年と比べて香りがやや強い、というかはっきりしている。しかし、80年ほど繊細な感じではなくややオイリーな感じを受ける。香りの傾向は似ていて、蜂蜜、ドライフルーツ、薬草、香草などだか、ややアーモンド風の香りが混じる。
味は80年とはかなり違う。塩味が強く、酸味がやや少ないうえに塩味が酸味を隠しているところがある。ほろ苦さが強く、塩辛さとほろ苦さが余韻に残る。
1896
琥珀色の色合いは同じだが、澱が混じっていることもあるが、やや濁りが見える。そこで、輝きはやや劣る。
わずかにエナメルの香り。やや還元臭が強い感じがするが、同じく甘く、栗の蜂蜜、クリーム、カラメル、カフェ・クリーム、バルサミコ・・・甘いが、80年よりは甘さが抑えられている。80年のほうがダイレクトで、こちらのほうがオブラートに包まれた感じで複雑。
味は、びっくりするほどインパクトがよい。しっかりと主張がある。酸味がきれいで、ほんのりほろ苦さがとても心地よく、カフェ風の余韻が残る。後味は長く、きちんとした主張を持ち、かつエレガントでとても印象がよい。
1880年のボトルで大変良いものに当たった人はそちらの方が良いと言うかもしれないが、個人的な感想は1896年が素晴らしかった。