在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”テルラネル 2006” カンティーナ・テルラーノ

2009-06-03 17:39:38 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“Terlaner 2006” Cantina Terlano (Cantina Terlan) –Alto Adige(点数7.5)

本当に信頼できるワイナリーである。
アルト・アディジェ州は個人経営のワイナリーに対して、組合経営のワイナリーが多く、組合経営というと、一般には(他州では)品質が良くないにもかかわらず、非常にこうレベルを保っている。組合員一人一人が自覚を持ち、できるだけ良い物を造りたいという意識がしっかりしているのだろう。
すぐ隣がスイス(つまりドイツ系民族)だからできるのだろうか?
これが南なら、ちょっとくらいできの悪いブドウを混ぜたって、バレないさ、へへへ、となるかもしれない…(南の方、スミマセン)

そして、アルト・アディジェのワインの特徴の一つに「値段が安い」ということがある。
もちろん、個人経営ワイナリーのはそう顕著でもないが、組合経営のものは概して大変お得な値段である。
イタリアの白というと、フリウリもカンパーニャもよいが、値段と品質のバランスを考えたら、やはりアルト・アディジェがダントツのような気がする。

それから、アルト・アディジェのワインの特徴として、造っているワインの数がめちゃくちゃ多いということも挙げられるかも。
このワイナリーも、モノ、ブレンドを合わせて、15種以上は造っている。

さて、アルト・アディジェの組合系ワイナリーを代表する一つである、テルラーノ。
しかし、ドイツ語では、テルランとなる。
さて、ベースと上級ものとに分けている中の、ベースのベース、そして、ブレンドものである。
品種は、ピノ・ビアンコ60%、シャルドネ30%、ソーヴィニオン・ブラン10%。
色も程よく濃い目、かおりがとても良く、アルコールが13%とは思えない。白い花、黄色い花、ジャスミン、桃の花など、花の香りがとてもきれいで、さらに桃、リンゴ、そして、緑の香りとミネラル臭がベースにあり、香全体を引き締めている感じ。
北のワインらしいほどよい酸味と、イタリアのワインらしいボディと、塩味、心地よい後味。10ユーロ程度で、この味は本当にうれしい。
もちろん、香りが大きく変化するわけでもないし、かなりダイレクトであり、後味が極端に長いというのではないが、とにかく、飲んでいて気分が良くなワインである。
また、食べ物を良く引き立ててくれるのがうれしい。

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