在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”ジュリオ・フェラーリ 1992” フェラーリ

2007-08-08 17:49:42 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
 "Giulio Ferrari Riserva del Fondatore 1992" Ferrari -Trentino
カラブリア州北部、カストロヴィッラリCastrovillariというところに、知る人ぞ知るレストランがある。名前はロカンダ・ディ・アリアLocanda di Alia。平屋の建物で、敷地の中に、レストラン、小さなプールに続いて、奥の離れに15室程度の宿がある。部屋はシンプルだが、内装がみんな違い、いかにもイタリアらしい感じだ。他には特に何もない、誰も訪れることがないような田舎にあるのに、ピヌッチョ氏のこのレストランがあるおかげで、イタリア人以外にも世界中からグルメが訪れる。また、それだけの価値のあるところである。
さて、ワインリストは、数ではなく質がとても良く、ジュリオ・フェラーリの1992年があった。ただのフェラーリではなく、フェラーリのトップである。値段が安くてびっくりで、さすが、カラブリア。この値段では絶対に酒屋で買うこともできないのに、これだけのレストランで質の良い料理とともに飲めるというのは、ワイン好きには至福としか言えない。
品種はシャルドネ100%。
15年を経ているので、色は当然濃い。つやがきれいで、泡の立ち方も決して衰えてはいない。大変良いヴィンテージであり、今が最高のコンディションと言っても良いと思う。やはり、こういうワイン(スプマンテ)を若いうちに飲んでしまうのは、実にもったいないのだ。
香りは、トースト臭、パンの耳がすぐに感じられ、ほのかにカラメル、そして、良く熟した~シロップ着けになった柑橘の香りがきれい。他に、ナッツ、バターの香りも混じる。若いスプマンテには絶対にない香りである。
味は、酸がまろやかさに抑えられた感じ。実に堂々としている。白なのに、スプマンテなのにボディがあり、タンニンをほのかに感じるよう。トースト、木、カラメルが余韻にとてもきれいに残る。
あ~幸せ、でした。

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