在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

イタリア映画の紹介 Finche' c'è' prosecco c'è' speranza di Antonio Padovan プロセッコある限り希望がある

2017-12-21 09:50:44 | 何故か突然イタリア映画
Finche’ c’e’ prosecco c’e’ speranza プロセッコがある限り希望がある
監督 アントニオ・パドヴァン



ワイン(スプマンテ)メーカーが自殺を図る。
プロセッコを造っている、アンチッロット伯爵。40ヘクタールのぶどう畑を持ち、完全な自然派ワインを造っている。
プロセッコの丘陵地帯が画面にとてもきれい。

ただし、しょっぱなから、おいおい、ワインメーカーがグラス、その持ち方はダメよー(笑)

彼の自殺は本当だが、同時に殺人事件も起こる。

一見アンチッロット伯爵の自殺とは関係ないように見えた殺人だが、その関係を暴いていくストゥッキー警部。




建築家から転向したというパドヴァン監督の処女作に当たる初の長編。
映画の世界にはずっと憧れていて、建築を選考したものの、ニューヨークで映画を勉強し転向したそう。

原作は同名(ではないーーーー)の小説。
原作はprocesso(裁き)で、こっちはプロセッコでしたーー(かなりしばらく気がつかず。。)

10年ほど前に読んでとても面白いと思った、ということで映画化。

イタリアではチネパネットーネ(クリスマスに上映される、ある意味どうしよーもないコメディ)がたくさん、ドラマティックものも多いが、推理ものとか警察ものはとても少ない。
そこで、珍しく推理もの。

ストゥッキー警部役はバッティストン。大御所俳優の一人で、大きな体、個性派の人気俳優。

役柄ではワインのことをあまり知らないはずの彼の方がきちんとグラスを持ってる。(笑)

プロセッコの丘陵地隊の画面がとてもきれい。
ストゥッキー警部のオジさん、頭のおかしい墓の掃除人など、コショウが効いた感じの役柄は面白い。

が、 全体に淡々としすぎ。
涙を流すものはいないし、父のお葬式に南米からやって来た娘が、お葬式に(いくら似合うとは言っても)赤いワンピースで出席もかなりナン。

そして、ネタバレになるが、おばさんがピストル持っても、そう簡単に当たらないよー
(かなり大きめの重そうなピストルだし。。。)

そして、プロセッコなのにタンクがないー

クラシック方式だとプロセッコじゃないよー

それから、いくら有機栽培で良いものを造っても、プロセッコじゃあ、蜘蛛の巣が張るほど長く置いておいて飲むことはないよー
(飲めないわけではないが、クラシック方式とちょっと混同)

ということで、さらっと見れば面白い推理もの、ワイン好きから見たら、かなりご愛嬌、の映画でした〜

かるーく見るにはとても良いので、映画館での入りは良いそう。
ポスターが、推理小説の表紙のようでとてもカワイイ。

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