(写真は 散歩中、家の近くで。)
記録だけ 2007年度 107冊目
『絵本と童話のユング心理学』
大阪書籍
山中康裕 著
1986年8月20日 第1版
1989年4月30日 第7版
280ページ 1300円 +税
この本は、朝日カルチャーセンター(京都)の講座『ユング心理学から見た絵本と童話の世界』(1984年・12回)が骨子となっているそうだ。
全体に言葉が柔らかく、かみ砕いて説明されている。
ユングの見解から絵本を紐解く、興味深い内容。
まず本を開けると、シャガール展感想での書いた、私の好きな ブライアン・ワイルドスミスの絵。
続いて 私の好きな グリム童話屋らの説明。
そして、なんと 私の大好きな モーリス・センダックの作品がいくつか紹介されていた。
出だし 好調・・・。
しばらくして、無難な絵本や童話などがいくつか例に出され、少し的を得ない。
しかし最後には重厚な話や谷川俊太郎、最後には有名な話『ラプンツェル』などで締めくくられる。
全体を通して、気軽に楽しめる一冊。
『変形かさ地蔵』の娘さんのテストの回答に描かれた内容は、見事といってよい。
こどもの回答に、感激した。
ざっと記しておこう。
お地蔵さんに売れ残りの笠をかけ、足りない分は手ぬぐい。
家に帰り、食べ物はない。
湯をすすり、漬物を食べ、食べ物も尽き果て、とうとう爺様と婆様は死んでしもうた。
村人が通りかかると、6つのはずのお地蔵様が8つになっていた。
まあ、こんな素晴らしい変形のかさ地蔵の話を小学生(著者の娘)が作った。
小学校の教師は・・・・・・ × をつけたそうだ。
こういった評価の仕方は、私の周りも取り巻く。良く耳にする話。
どんとはらい・・・。