乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

『妖怪学入門』  阿部 主計(あべ かずえ)著

2008-01-18 | 読書全般(古典など以外の一般書)

 

(写真は2007.11/3、信貴山で行われた火渡りの前の神事。山伏問答が好きで、二年続けて見た。

 『妖怪学入門』 の中の興味深い一説に、問答や勧進帳の話が記されていたため、この写真を選ぶ。)

 

 

記録だけ  2008年度 1冊目   

 

  『妖怪学入門』

                  

 

 雄山閣BOOKS 19

 

 著者 阿部 主計(あべ かずえ)

  

 昭和62年6月20日第1版

 昭和62年7月5日第4版

 200ページ 2200円 +税

 

 先日から読んでいた『妖怪学入門』 を読了。

 我ながら丁寧に読み込んだ物だと思う。

 前回読んだ 『日本史 怖くて不思議な出来事』 に続いて、能楽や歌舞伎、神楽などにもある内容が色々と記されていた。

 どうも民俗学と芝居とは、切っても切れぬ仲らしい。

 

 P.7の「ぬし」に興味深い一説があるので、一部のみ 記録しておこう。

 

 ・・・・・・人間は、いかに心霊の存在を理論的?に信じても、感覚的にはっきりと実見し、認識しなければ安心できない。そこで、神に仕え、神に通ずる役目の者が、いわば神様の代理人として、その形を見せ、悪霊をやっつける演技をなす。簡単にいえば、神楽の始まりであり、演技の源である。それは日本武尊(やまとたけるのみこと)の熊襲(熊襲)退治のような活動的場面にもなったが、一面、問答(仏教輸入以降の呼称だが)という、理論闘争の形となって、根強く残った。そのゆえんを説明していては限りがないし、本稿の目的とはほとんどかかわりがないので省略するが、この神と地霊の対立の形が、わが国の舞台芸術の基本のひとつとなって、‘勧進帳’の弁慶と富樫、それに二人組の漫才のやりとりまでその面影をとどめている。そのなれ合いの形が芝居ではなく、真剣な競技になってしまったものが相撲であって・・・・・・・・。横綱は、しめなわ、すなわち神域のしるしで、手数(てずり)入り(横綱の土俵入り)は神が、土地の霊が荒れださぬように地を踏みしめる、いわゆる地鎮祭の形である。・・・・・・・・・。

 

 歌舞伎などのなじみの演目が次々に書き出され、草紙の絵や浮世絵なども多く載せられ、非常に面白かった。

 内容も深く、結構読み応えのある一冊。

 貸していただくのではなく、手元においてもう一度読みたい本。

 

コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする